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世界高血圧デー

 5月17日は「世界高血圧デー」です。高血圧とその管理に関する啓発が目的で、世界高血圧連盟の事務局があったアメリカで、5月が高血圧啓蒙月間であったことに由来されるそうです。英語では、”World Hypertension Day”と世界高血圧連盟が2005年に制定しました。日本では「世界高血圧デー」に准じて、特定非営利活動法人の日本高血圧学会と日本高血圧協会が2007年に「高血圧の日」として制定しました。高血圧(最高血圧140/最低血圧90mmHg以上)は、日本人の三大死因のうちの二つである心臓病や脳卒中など、命に関わる病気を引き起こす主要な原因とされています。また、生活習慣病の一つとされ、日本には高血圧の人が約4000万人いると推定されています。しかし、高血圧はサイレント・キラーと呼ばれ、自覚症状がないことが多いため、実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人と言われています。
 この日を中心に、日本高血圧学会と日本高血圧協会では、高血圧の理解を深め、自分の健康のために定期的な血圧測定を促すキャンペーン「腕をまくろう、ニッポン!」などを実施しています。また、これらの記念日に由来して、毎月17日は日本高血圧学会が制定した「減塩の日」となっています。高血圧の治療においては食塩制限が重要で、同学会は1日の食塩摂取量6g未満を推奨しています。岩手県は脳卒中死亡率が男女ともにワースト上位という不名誉な状況にあります。保健所等で減塩キャンペーンを行っていますが、実際、岩手県民の1日平均の食塩摂取量は11.8gです。日本高血圧学会の推奨レベルの2倍、全国平均でも1g以上も多く、全国で最も高い値であると言われています。病院でも毎日の血圧測定を励行することや高血圧の人には味噌汁は一日一回にしてほしいなどと指導しているようです。
 しかし、塩分を取りすぎていても長寿である県もあります。それは長野県です。長野県は塩分の摂取量が全国2位であるにもかかわらず長寿県である理由のひとつは、野菜の摂取量が男女とも350gを上回っていることにあるのではないかと考えられています。塩分は、筋肉の収縮作用に必要であり、また体を温める効果が高く、塩分が不足すると低体温だけでなく痙攣まで起こるそうです。このことから寒冷地ほど塩分摂取量が多いのもなんとなく理解できます。塩分摂取量には地域性があることが知られており、温暖な気候の地方に比べて寒冷地では多くの塩分を摂取しています。寒さによって塩分摂取量が増加するのは、味の濃いものを体が欲してしまうからのようですね。
 大事なことは、運動やゆっくりとお風呂に入ることで水分と塩分を排出し、体温を上げる食生活(旬の食材でバランスの良い食事)の中で水分や塩分を摂取するという良いサイクルをつくることです。そのためにも、塩分を排出するのに欠かせないカリウムを含む野菜(里芋・かぼちゃ・にら・水菜・なす・白菜・セロリ・キャベツなど)の摂取量を増やすと変わるのではないでしょうか。味噌についても近年、味噌には夜間血圧を下げるペプチドなどの成分が含まれており、1日2杯、32gまでの味噌摂取は血圧を上げることはないという結論が出ています。ただ単に塩分摂取制限に偏ることなく、毎日の血圧測定、野菜多めのバランスの良い食事、運動、風呂にゆっくり浸かるなどの生活習慣の改善を心がけた方が良さそうです。直営店で手頃な価格の旬の野菜や味噌を販売していますので今日から生活習慣を変えてみてはいかがでしょうか。

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