野良の詩　うた

私は、すべてを失っても。

もう、絶望しないだろう。

絶望の先にあるものが、小さな希望の始まりだと知っているからだ。

さらに病むときもまた。
老いてゆくときもまた。
死を迎えるときもまた。

それは、変わらない。

私のしたいことは。

愛をやさしさを、次の命に繋ぐことだ。

絶望など生ぬるい。
希望には、全てをかける意味がある。

何時尽きるかわからないなら。

懸命に生き、よく笑い、確かに遺してゆくだけだ。

それが、命としての私だからだ。
それが、希望という可能性に全てをかけると決めた私だ。

襷を託す命きらめく次の未来にも。

やさしさや愛が在りつづけられるなら。これ以上の望みも歓びもない。

それが、野良のみた世界。

光射し、揺れる枝葉

微睡む。