【ピノキオピー】MIMICが本当に良かったよ(後編)【ワンマンライブ】

2023年7月29日(土)に開催されたピノキオピーのワンマンライブ''MIMIC''について、セトリ順に感想をつらつやと書くヤツの後編です。

↓前編はこちら↓


それでは後編、参ります。

15.匿名M

当曲のインタビュアーを務め、かつて船の上で謝罪会見をしてイカを釣ったり、鷹に下着泥棒をさせたりした、インターネットに毒されている皆さんならご存知であろう、あのARuFaさんがステージ下手からヌルッと登場しました。

俺「うわああああああああ!!!!」

突然のサプライズゲストに、私は思わず声を上げてしまいました。

私がインターネットを始めたての頃からオモコロやYouTube、VineなどでARuFaさんを度々見かけていたので、彼の登場で感じたのは

「テレビでよく見る人じゃん…」
の上位互換じゃん…

でした。思い返せばとても貴重な体験だったなぁと。


それにしてもARuFaさん、''匿名M''という曲どおり、がっつりインタビュアーしていました。無表情で。虚空を見つめて。

そしてサビにあたる部分では、サビの全尺を使って虚空にマイクを向けて直立不動(上の画像のポーズ)になっていて、めちゃめちゃ笑ってしまいました。デカいステージのど真ん中、スーツ姿でノーモーションってマイケル・ジャクソン以来なのでは?むしろハットを被ってしまえばマイケル・ジャクソン以外の何ものでもない。しかし此処に立つ男はハットを被っておらず、''目線''があったので紛れもなくARuFaさんでした。

曲が終盤に差し掛かった頃、私はふと
「曲が終わったらそのまま何も言わずに退場する可能性あるな、、、、」という思考が頭を過りました。
心残りのないように曲終わりは動画に収めておこうと思い、ラスサビの最後あたりで、即カメラを起動し、録画をしました。

曲は終わり、会場は暗転。

さあどう出るARuFaさん、、、、もう帰ってしまうのだろうか、、、、。


そして再び会場に照明が戻りました_____

直立不動でした。


・MC3

ピノキオピー「ARuFaさん、ARuFaさん」

ARuFa「あっ、もういいですか。」

ピノキオピーの呼びかけによって不動状態から解放されたようです。

ARuFa「こんにちは〜。インターネットから来ました。ARuFaでーす」

動きがいちいちARuFaさん。

ピノキオピー「''匿名M''、めちゃめちゃ短すぎるので、このまま帰ってもらうのも寂しいじゃないですか」

俺「寂しい寂しい寂しい〜!!!!!!!!!!」

ピノキオピー「なのでアップルドットコムを…2人で歌おうかなと思います」

俺「嬉しい嬉しい嬉しい〜!!!!!!!!!!」

16.アップルドットコム(feat.ARuFa)[Sickness Remix]


嬉しい……ARuFaさんによるRemixがライブで聴けるなんて…しかもRemixした張本人も交えて……

2番のARuFaさんの趣向バリバリの2番サビの変則的なリズムがとても良い。でも変則的だからこそライブではノリづらいだろうし、このアレンジはライブで金輪際聴くことはないだろうな…なんて思ってたらこれですよ。

夢でも見てるんじゃないかと思いました。しかもピノキオピーとARuFaさん、楽しそうに肩組んでめっちゃはしゃいでんの。私の走馬灯は''MIMIC''に決まりです。

あと、


動きがいちいちARuFaさんでした。

そして曲は終わりARuFaさんは小声で「ありがとうございました」と呟きながらそそくさと退場しました。本当にありがとうございました。

会場は暗転し、コツコツと秒針が進む音に観客は少量の歓声を上げました。


17.余命2:30

温度差!!!!

2分30秒という短い時間で、刻一刻と迫る寿命を体感させられる曲です。

熱狂の余韻に浸った心に突き刺ささる秒針の音。
時の流れに抗うことが不可能である以上、この止まらない秒針をただ静かに受け入れなければなりません。


あまりにも儚い・・・
この楽しい時間もすぐに終わってしまうのか・・・


感傷の情を拗らせながらも、身体はローテンポな音楽に揺さぶられていました。

18.ノンブレス・オブリージュ

デーーーーン・・・
と気が重たくなるような和音からスタート。

心がしんどい


心が…心が張り裂けてしまいそうだ…。

だがこんなにも楽しく、一瞬で終わってしまうこの空間を無碍する感情などいらない…。叫べ!!踊れ!!!!俺!!!!!!

俺「ノンブレスノンブレスノンブレスノンブレスオブリ〜〜〜〜〜ジュ〜〜アイラブユ〜」

俺「息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる息が詰まる」

という感じで歌って跳ねて、MIMICという最高の空間を存分に楽しみましたがさすがに酸欠になりかけました。

しかしピノキオピーは噛まず、「息が詰まる」詠唱部分はタイトルどおりノンブレスで歌い上げており、すごかった。

会場は拍手喝采でした。

19.内臓ありますか

今回もセトリ入りしててよかった…ありがとう…

と安堵しました。

この曲は前回のワンマンライブ ''パラレルエッグ+'' でも披露されましたが、当時はカスコロナのせいで声出しNGだった為、「内臓ありますか?」と問われても、手を挙げることしか許されませんでした。

しかし今回は制限から解放され、何もかもが許される世界に飛び出した気分で思う存分に応答しました。

ピノキオピー・ミク「最近良いことあった?」

観客「はい!!!!!!!!」

ピノキオピー・ミク「やっぱり嫌なことあった?」

観客「はい!!!!!!!!」


観客が一体となるコールアンドレスポンスはやはり気持ちが良い。

ふと、ピノキオピーが生きてて良かったと感じました。

曲の終盤、アウトロが引き伸ばしされ、それに合わせて初音ミクが突然歌いだしました

「めーいめいめーいめいめいめいめーいめいめーいめい」


20.Mei Mei

ミ「Me〜i Mei Me〜i Mei Mei Mei Me〜i Mei」
俺「Me〜i Mei Me〜i Mei Mei Mei Me〜⤴︎︎︎(アレッ」

恥ずかしかったです。

音楽あんまわかんねえけど、どうしてかこの曲にはどこか痛い部分を治癒してくれる漢方的な作用がある気がしてなりません。そういえば大人気漫画の''ONE PIECE''で傷を癒す能力を得ることができる悪魔の実を食べたマンシェリーっていう小人族がいましたね。ピノキオピーはマンシェリーなのでしょうか。

いやそれよりディズニー映画''塔の上のラプンツェル''の主人公ラプンツェルには、歌を歌うとどんな傷や病気も癒してくれるという訳わからん力を持っていましたので、ピノキオピーはラプンツェルなのでしょうか。音楽あんまわかんねえけど。

どちらにせよこの曲は、サビで一緒に歌いたくなったり、「寿司くらい好き〜〜〜〜〜〜〜!!!!」って叫びたくなったりするくらいまじやばい最高でした。

21.ちきゅう大爆発(META ver.)

''Mei Mei''に引き続き、''よくわからん歌詞に見せかけておいてなんかちょっと切なくなる音楽''が来ました。

これもしかしたら''Mei Mei''と''ちきゅう大爆発''って、''よくわからん歌詞だけどちょっと切ない音楽'' 二大巨頭なのではないだろうか…?ちきゅう大爆発に関してはなんで切なくなるのか自分でもわかりませんが。

最初の「グルグルグルグル…デン!」みたいな気持ち良いイントロ(?)を爆音で聴けて良かったです。

そしてこれまた「Uh ah 」とか「わ〜い」とか、コールがめっっちゃ楽しかった…
またライブでやって欲しいリストに追加されました。

22.アンテナ

うわっ!!!!!!!!
ライブでは定番っちゃ定番だけどさぁ!!そうなんだけどイントロが流れるとうわっ!と声が出ちゃうんですよ!!!!1公演に3回くらい流しても全然良いですよってくらいライブでやって欲しい曲ですねこれまた!!

「そう アンテナを張って 色んなものを 見て 聞いて 触って つねって 確かめて そして各方面を好きになって 嫌になって」
こんな歌詞、現世を''俯瞰''どころか''達観''できてないと書けないんじゃないかって思ってしまいます。

この歌詞を高速なリズムに乗せて歌い上げるので、耳から入ったワードが心の奥にグサグサと突き刺さり、言語化できない感情が揺さぶられます。客観視点で自分を見ることの大切さを教わっているような気もするし、もはや人生観を一変させてくれる不思議な力があるような気もします。

同じように言葉の羅列で畳み掛ける''頓珍漢の宴''のようにライブノリも良く、サビでは目を潤わせながらもピョンピョン飛び跳ねていました。

そして音楽は鳴り止みません。
「デンデレレレンデレンデ祭りだ祭りだ…」

23.祭りだヘイカモン

祭りだぁあああ!!

この曲いっちばん叫びましたし騒ぎました。これは嬉しすぎました。

しかも

今年もクワガタだァァァァァァァアア!!!!!

待ちわびてた…待ちわびてたクワガタ…!!!!

しかも

めっちゃ飛んだ

今まで見たクワガタのなかでいちばん飛んでました。クワガタをぶん投げるリハーサルでもしたのかってくらい見事なフォームで、クワガタはZeppの空中を、7,8列目だった私の席の近くに舞い降りました。
思えばクワガタをぶん投げるの、めちゃめちゃ面白いですね。なんでクワガタなのかわかりませんが。わかる人だけ寄っといで。

お祭りのあと、ギターの音が鳴った
そしてピノキオピーは言った

「皆さま、早いもので最後の曲です。早すぎ!」

24.すろぉもぉしょん

えっ?オープニング始まってからここまで体感5分なんですがもう終わり?
てかすろぉもぉしょん??もしかしてアンコールないの!?どうなっちゃってんだ?!!

と困惑しながらも
「すろぉもぉしょん!!!!ゆっくり変わっていく〜〜〜〜!!!!」と叫。
この曲を爆音で聴ける嬉しさとかもう終わりが見えてしまた悲しさとかその他もろもろ感情ぐちゃぐちゃ。

「どうしよう!!このライブが終わったら俺は何を糧に生きていけばいいんだ!?!!あどした!!!あよいしょ!!!」という感じ。
「この大規模ライブでもトリの曲をすろぉもぉしょんにするくらい、この曲はピノキオピーにとって相当大事なものなのかもな」とも思ったり。

それにしてもこの曲、アップテンポでコールする場面もあり、「人生どうにかなるんじゃね?精神」で元気を貰えますね。

''こんびねぇしょん 良い人に出会うため
くえすちょん 良い人ってどんなんかね?''

先の見えない未来への不安が募った時、このフレーズに何度も救われました。

いやそんなことより今ピノキオピー「早すぎ!」言ってなかった!?!?
ピノキオピーもこの時この空間をめちゃめちゃ楽しんでるんだろうなぁ!!!と勝手に解釈して勝手に嬉しくなっちゃいました。

そして曲はゆっくり終わっていきました。
「はじめましての人ははじめまして、ピノキオピー、ピノキオピー、ピノキオピーと申します!」
と言い放ち、演者3人は退場しました。会場が暗転した後、客席を照らす明かりが微かに灯りました。

客「アンコール!アンコール!」
俺「アンコールあるっぽいな!よかった!」

MC

アンコール曲の前にMC。まずはグッズ紹介。

客「サガットさん可愛いよー!!!!」

サガットさん「(ニコッ)」

可愛かったです。

ピノキオピー「スピッツの自伝を読んで、草野マサムネさんが言ってたことなんですが、『ロックをずっと''ごっこ''でやってるからこそ、醒めないでずっとやり続けていられる』って話をしてて。僕もその気持ちが、畏れ多くもあるんですよ。''楽しい''と思うことが''ごっこ''だと思うんです。そういうことをやり続けていけたらなと思っています」(中略あり)

このMCで泣いてしまいました。

ピノキオピー「最後まで、ずっと全力で、楽しんでいってください!」

鼓動「ドッドッ」
俺「META!?!?」

E.1 LOVE

LOVEでした。
しかしアンコール一発目がアルバム限定曲ですか!!
パラレルエッグ+でも演奏されたであろうこの曲。リベンジできました。

音数少ないのにすんごく重厚感あって、ベースとキックの音が心地良いですよね。そっから2段構えのサビにかけて徐々に盛り上がっていく感じ、「ラヴ」コール。転調する大サビ。段階的に上がっていくグルーヴ感がすんごく気持ちよかったです。

''君が『大丈夫』と笑うだけで もう少し生きられそうだから 生きる理由を勘違いできるから できるかな''

泣く。

E.2 すきなことだけでいいです

(プロセカ追加おめでとうございます!!!!!!)

この曲の宇宙っぽさ溢れる冒頭めっちゃ好きですね!!!!!!!!!!

すきなことだけでいいわ!!!まじで!!!っていう気持ちにさせてくれます。世界は滅亡するけど。
そんでもってアンコールということで残りの体力を全消費しました。むしろ限界突破してたような気もします。

間奏でピノキオピーが「ドーーーン!!!」と銅鑼を思いっきり何回も叩いていて良かったです。楽しそうだったしそれを見ている私自身もとてもとても楽しかったです。私もいつか銅鑼を思いっきり叩いてみたいと思いました。

あと照明が虹色っぽくてめちゃめちゃ綺麗でした。

そして曲が終わりピノキオピーは言いました。

「本当に本当に最後の曲です」

E.3 META

本当の本当に最後の曲は、最新アルバムの表題曲、METAでした。

本当の本当に最後、、、なのか、、、。
やはり短く感じた、、、、。それほど楽しかったのだ、、、、、、、。。。ありがとう、、、、、ございました、、、、、、。。

白色基調の照明を見て、天国からエンジェルがお迎えにやってくるときに出てくる光のように思えてくるレベルで人生の終わりのイメージが頭の中で湧き上がりました。余命2:30で「物事は人生のように早く終わってしまう」という感じのマインドになったんでしょうかね。

死にかけの時の幻覚を見ているうちに、主観を超越した客観視点の歌詞の数々が耳に入ってきました。

「どうか愛しているそれを 信仰しすぎませんように」
「どうか異常なソレを すぐに排除しませんように」
「誰かにとって好きな歌も 誰かにとってたかが歌だから」

そして客観をも超越し、最終的に行き着いたのは、主観。

「メタを超えて 伝えに行く」
「最後に残った気持ちを」

アルバム音源ではこのフレーズで終了です。が、MIMICでは違いました。

ピノキオピー「最後に残った気持ちをぉぉぉぉおおおおおおおおおおおお゛」

最後の最後にまさかのアウトロが入るアレンジ。
「メタを超えて」の大合唱でMIMICは有終の美を飾りました。

アウトロ中にサガットさんとRKさんは客席に手を振りながらステージをはけました。ピノキオピーは全ての音が鳴り終わるまで壇上に残り、最後に、やり切ったような声で言いました。

「ありがとうございました。ピノキオピーでした」


感想

本当に、夢のような空間でした。
ただ、ディズニークラシック的なキラキラした夢ではなく、現実と地続きになっている夢のような空間。
人間の生々しく泥臭い感情をかき立てられつつ、「まだ少し生きてみようかな」と一縷の生きる道を
切り拓いてくれました。

さて、私はこのライブに対して様々な感情を抱いていました。
ピノキオピーのワンマン史上最大規模の座席制というニュースタイルのライブということで、MIMIC開演前までは、少しばかりの不安をもにゃっと募らせていました。よく耳にする「推しが遠くへ行ってしまう悲しさ」に似たようなものでしょうか。

ただ、そんな感情を払拭してくれたのは、2016,7年頃まで身につけていた仮面を被ったピノキオピーの姿でした。
転生林檎で仮面を外し、「顔を隠していた時代→現代の姿へ転生」「真似事(MIMIC)からの脱却」というメタファーを想像させる演出でした。

しかしこの演出の真意を、私はこう考えています。
「''ごっこ''でやっている」と。

クワガタだったり銅鑼だったり、遊び心満載な演出がピノキオピーのライブの醍醐味だと思っています。
ですのでこの仮面も「昔被ってた仮面をつけたら面白いだろう」という魂胆があってこその演出だろうなあ、という邪推をしてしまいました。
さらにピノキオピーは「自分のペースで楽しんでいただいて…疲れたら座ってもいいし」と観客をも自由にさせてくれました。

そんなフリーダムさを見て、不安を拭ってくれたどころか、ますます応援したい気持ちになりました。
asia→LIQUID→Zeppときたらもうこのまま紅白歌合戦にもデカいフェスにも出演してほしいな!!!と。
少なくとも、「この楽しさは世界中の音楽好きな人が体感しないと勿体ないよ!」と啓発したいくらい。

ライブ終了後は音楽の余韻に浸りながらも、ふと「生きてて良かった」と感じました。念願だった生ARuFaさんも見れたし。

総じて、今までで一番楽しいライブだったな、と。
そして、もっと沢山の人にピノキオピーが知れ渡って欲しい、そう思いました。(現に、最近友達とカラオケに行く時はピノキオピー楽曲を2曲くらい歌って「良さ、、伝われ、、!」と懇願しています)

ただ、楽曲''META''にもある通り、
''信仰しすぎないように''応援していきたいですね。


おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?