オレンジ

雑草という草はない。
我々は自分たちの知識、知っている言葉の範囲でしか世界を認識していないのだろうか。
夕焼けの空がオレンジなのは、オレンジという色を知っているからそう言っているだけであり、実はその他のあらゆる色であの色を説明できるのではないだろうか。
同じ気持ちの人は二人いない。10人の悲しい人は、同じ悲しみを感じているわけではない。10種類の悲しみがあって、本当はそれぞれに適切な感情を表す言葉があってもいいのかもしれない。
森羅万象はユニークであり、同じものを対象とするとき、人間から其の物への射は人間の数だけ存在する。
数学とは異なるものを同じものとみなす学問であるなら、文学とは同じものを異なるものとみなす学問であると、仮に定義づけてみたらどうなるだろうか。
文学とは思いの外、文学ではないのかもしれない。

夕焼け空の明るさに僕がいま名前をつけた。
その名前は皆さんには教えない。
これを見てくれている人の数だけ、その答えはあるのです。

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