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主体性を生む環境をつくる。

四国アイランドリーグplusが新たな取り組みをリリースしました。

このリリースを機に、昨年8月に書いたまま寝かせていたnote記事を公開することにしました。

今思えば、ちゃんと公開しておけばドラフト指名の伏線にもなっていたかもしれないのに(笑)。
思いがありつつも、なんだか遠慮していたところもあり記事を寝かせていました。

少し内容がぼんやりしているところもあるのですが、この四国アイランドリーグplusという環境を選手たちに提供するにあたって、自分なりに大切にしている根底の部分になります。

もしお時間があれば。

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今年から四国アイランドリーグplusでは「Rapsodo Stadium」を活用し、試合中のトラッキングデータを取得する取り組みを始めました。

今年は「スポーツナビ」での速報配信から始まり、積極的に野球場での新たな取り組みをおこなっています。

これらは他の野球団体や球団、他の独立リーグと差別化を図るための取り組みでもあり、いわば四国の生存戦略でもあると言えます。

どの取り組みにおいても限られたリソースの中で実施しているため、100点満点の運用をできているわけでもなく、まだまだ課題点に溢れた現状です

しかし、できる範囲のことを粛々と積み重ねることで、3年後5年後10年後にはきっと芽が咲くのではないかと、そんな期待を込めながら取り組んでいます。

さて、長々と前置きを書きましたが、今日はそんな取り組みを実施した中で感じた変化について、書いて行きたいと思います。

●トラッキングデータの取得

「Rapsodo Stadium」でのトラッキングデータ取得は、株式会社Rapsodo Japanさんhttps://ja.rapsodo.com/)の協力のもと実施されました。
また、今年からアイランドリーグの仕事をお手伝い頂いている、球辞苑でもお馴染みの金沢慧さんにもお力添え頂き、今回の取り組みが実現しました。

この取り組みで取得したデータは、各球団の強化・育成に活用したり、広報用の素材にするなどしてマーケティング等にも活用することを目指しています。

更にはデータとして可視化したり統計をとることで、物事を俯瞰的・客観的に見ることの大切さに触れ、選手たちのリテラシーを高める機会として人材育成を目指すことも狙いのひとつとなっています。

今回データ周りの取り組みを始めるにあたり、個人的に面白いと思ったことはこの「人材育成」「データ」が紐づくことでした。

とは言え、頭では理解していたにせよ、実際に球場でデータを取得するまではそれが漠然としたイメージで、どういった変化が起こるのかは想像できていませんでした

そんな具合ではありましたが、実際に四国4県でトラッキングデータの取得を開始しました。

●役割、そして変化

今回の取り組みにおいて僕の主な役割は、四国の各球団との調整や協力してくださる方々が仕事をしやすいようにするサポートすること。あとは選手たちに興味をもってもらうように促すことでした。

選手の興味を促すことはなかなかハードルが高いと思っていて、取得当日も選手との会話の中で少しは取り組みの説明はするものの、どうやったら選手たちが興味をもってくれるかなぁなどと考えていました。
(どのぐらいの選手が興味を持ってくれるかも未知の状態だったため、数人でも興味を持ってくれれば御の字、と思っていました。)

機材の設置準備を進めていても、「見慣れない人たちが球場でなんかやってる」というような感じで、興味をもって近寄ってくる選手もあまりいませんでした。

そんな状況下でしたが設置準備も終えると、試合開始と同時にバックネット裏でトラッキングデータの取得をスタート。

変化はここから起きました。

試合が始まりバックネット裏でトラッキングデータの取得作業をしていると、試合の裏方業務を手伝っていた選手たちが少しずつ作業の様子を気にするそぶりを見せてきました。
(四国アイランドリーグplusの4球団では、選手が試合運営の裏方業務をお手伝いすることが一般的で、スコアボードやSBO(ストライク・ボール・アウト)ボードの操作等を行っています。)

すると選手たちは、普段は全くしないようなデータの話を始めたり、中には「オレこんなデータのこと知ってるよ」と言うような話をする選手もいて、なんだか微笑ましい空間でもありました。笑

更には積極的に金沢さんやRapsodo社の方に質問をする選手も出てきて、これまで見たことのない一面を見ることができました。

選手の興味を促すことはハードルが高いと感じていた僕にとって、これは嬉しい誤算ではありましたが、こうやって本来選手たちが興味を持てるであろうことを仕掛けることで、選手たちは自然と自発的な行動を起こすのだという発見がありました。

そして、こういったことの連続が、人材育成につながって行くのではないかと感じた瞬間でした。

●主体性を生む環境をつくる。トラッキングデータの取得を終えて。

僕は四国アイランドリーグplusの人間として、「主体性を生む環境をつくりたい」と思っています。

なぜなら、本来個人事業主として野球をやるこの環境は、主体性をもって野球に臨まなくてはならない環境であり、かつ主体性を持っている人間こそ、より社会で活躍できるであろう人間だと思っているからです。

ただ、主体性をもちなさいと口で言えばすぐにそうなるわけでもなければ、それを口酸っぱく言える立場でもないため、やはり「主体性を生む環境をつくる」ことに徹するのが、自分自身の役割だとも思っています。

そしてそれはたくさんの機会から生まれてくるものだと思っていて、今回の出来事もまさにその1つでした。

興味をもちなさい、質問しなさいと言ったわけでもなく、選手たちが自然と興味をもち、質問したいと思ったから質問した。それだけのことかもしれないですが、こういった主体性こそ、今後大きな価値の源泉になるのではないかと思っています。

もちろん、そもそも野球で高みを目指している選手たちなのだから興味をもったり質問するのは当然と言えば当然ですが、当初は興味をもってくれる選手がいれば御の字、というところから、選手が前向きになってくる姿勢を見せてくれたことは、僕たちとしても目指す方向性として間違いない取り組みだったのだなと確認することもできました。

●さいごに

今回の取り組みに関して、現状としてはまだまだ試行錯誤の状態で、まだまだPhase1の段階です。

Phase2、Phase3に向かって行くためには、この取り組みでどう価値を生み出し、投資を回収するかを考える必要があります。

まだまだやるべきことは尽きませんが、たくさんの方の力と知恵をお借りしながら、より良い環境づくりに努めて行きたいなと思う次第です。

ご精読、ありがとうございました。

#四国アイランドリーグplus #プロ野球 #独立リーグ #Rapsodo #トラッキングデータ

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