気をつけろ!罠だ!
娘がこういう写真を撮ってはツッコむという遊びにハマっているらしく、送ってきました。
この写真のおねえさんが手にしているのは「3kgの脂肪」。
一見、この「漢方」ダイエット!で3kgの脂肪が落ちるのかと思うじゃないですか。でも、どこにもそんなこと書いてないんですよ。このおねえさんは、「ところで、これが、3㎏の脂肪です。」って言ってるだけなんです(笑)
あぶねー。ひっかかるところだった(笑)
似たようなものに、便秘対策のお茶の宣伝で、
「よく出る!」
上に少し小さな文字で「お茶の成分が」って書いてある(笑)
「よく出る!」「ドッサリ感!」「スッキリ」「ドーン!!」って、ほとんどが茶葉増量とお茶の話で、ウン〇の話じゃないんです。
でも、私たちは勝手に都合のいいように読み取ろうとしてしまうんですよね。これ、昨日の短歌の話にも若干つながるんだけど、言葉の数が少なければ少なくて表していない部分は想像力で補うんです。
「どうしたの?」
「別に…」
って会話は多くの人が経験してると思うんですが、この「別に…」って怖いですよね。いーーーっぱい想像しちゃいますよね。
そういう心の動きを、自分の気持ちを表すのに使うのが文学で、商売につなげていくのが宣伝なのかなと思います。
例えば昨日取り上げた寺山修司の短歌
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや
これ、最初は「マッチ擦るつかのま海に霧ふかし」という俳句だったそうなんですよ。
それに「身捨つるほどの祖国はありや」という下句をつけた。それで、読者は下句と上句を関連付けて読み解こうと想像力を働かせることになった。
「マッチを擦ったら霧の深い海が一瞬見えたよ」
「ところで、この身を捨てるほどの「祖国」なんてものはあるんだろうかね」
って、よくよく考えてみたら「3kgの脂肪」と同じ構造なんですよ。
「漢方ダイエット!」
「ところで、これが3kgの脂肪です」
って。
想像力をはたらかせて読み取るモノと、冷静に事実だけを読み取るモノと、区別するのって大切だなと思ったりするのでした。とりあえず、商売や政治を見るときには想像力じゃなくて「事実を読み取る力」の方が絶対必要ですよね。行き場をなくした想像力は文学の読み取りで発散してもらいましょう♪
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