![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44259885/rectangle_large_type_2_9dbbc0efbaa1db511caffaa83f474719.jpg?width=1200)
振り返ってたつもりが、紹介っぽくなってた個人採点。【20/21 EPL 前半戦個人レビュー】Part 2
前回の続きからしていきます。続きって何?という人はこちらを見てもらえると幸いです。
【MF】
■DH ネマニャ・マティッチ
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44274753/picture_pc_b66fac35993383312df6c3a0e68547b8.png?width=1200)
ローテーション要員となってるモウリーニョの肝煎り。
主にビルトアップをサポートする役回りでほぼ唯一のゲームメイカー。
配球でリズムを作れる一方、年々スピード不足が顕著。フレッジ、マクトミネイとまた違った形で試合にアプローチ出来る重要人物だが、人を選ぶ+カウンター想定の現状でベンチウォーマーに。やや持たされる近況で、後半戦は出番が増える可能性が大いに期待される
評価: △
■DH スコット・マクトミネイ
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44275745/picture_pc_b45a9e8fc2206e796555ca5266c06112.png?width=1200)
クラシカルなヘアスタイルが特徴の生え抜きMF(『ダンケルク』にカメオ出演してそう
プレースタイルはまさに勝ち気なメンタリティーをチームに植え付けたファイター。
常に上下動を繰り返しながらボール回収し、球際も厭わないアグレッシブな姿勢が全面に光る。後半戦はフレッジとの補完関係でカウンターシフトに切り替わると屋台骨となり、現状のベストユニットを形成。プレス回避や裁きなど、ボランチとして満遍ない進化が待たれる。あまり言うこともないが、特段良い訳でも無いのでなんとも微妙な立ち位置である。
評価: ○
■DH "フレッジ" (フレデリコ・ロドリゲス・デ・パウラ・サントス)
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44299568/picture_pc_411230a0b01b24b0f4b280543ac8e838.png?width=1200)
粘り強い対人守備を繰り返すハードワーカー。
攻守を繋ぐ水運び的な役割、マクトミネイとコンビで後半戦は地位を確保。非保持で5バックのような運用になる今季で、SB脇やハーフレーンへの侵攻を潰す一角として割と軽くない守備タスクを担っている。
人に食い付く癖に加え、総じて判断力が△なシーンが目立つここまで。後ろに負荷のかかるパスミスが多く、主にマグワイヤ辺りをあたふたさせてる張本人でもある。そもそもポジションがミスマッチ感があるのは否めない...案の定名前は長かった。
評価: △
■CH ドニー・ファンデベーク
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44466837/picture_pc_6cf63f203d6fcf12cca987a5add01079.jpeg?width=1200)
流動性を意図して作る才は一級品のドニーだけど最も得意としてるのは人を動かすことで自分の能力を最大化させること。ゴールかアシストもコンディションの指標になる選手だけど、そこに絡むまでの絵を俯瞰で描ける空間の認識と認知が高すぎる。どれを取ってもベースのスキルは高いのにエゴが全くない
— クロック (@chankei_holy) November 29, 2020
「ただただ上手い」ということに尽きるニューカマー。組織整備をしないと単独で輝き辛い部類のチームに来てしまったなんとも言えない気持ちである。なかなかフィットに苦しみブルーノ、ポグバに次ぐ3番手というここまで。
現行のチーム方針である手数をかけないスタイルへの意識の擦り合わせが必要で「彼が合わせるかチームがシフトチェンジするか」の2択で立場が決まりそう。中央レーン攻略の推進と脱カウンターへの移行、オープンスペースの運用方法に変化があるとマスターピースになりかねない。香川の屍を超えていくなら今だと、ここは声を大にして言いたい。
とはいえ現状は芳しくなく、ほぼ飼い殺し状態のオランダ代表である。
評価: △
■ CH ポール・ポグバ
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44351124/picture_pc_c1dbbd87ce7b84e6650f537cab50b015.png?width=1200)
何から何までスーパーで今季も守備はしない。裁量的な動きしか要求されないユナイテッド現政権を象徴する選手と言えば彼しかいない。
年明け以降のコンディションは上方シフト。シンプルに運動量が増え、対面守備も精力的に実施。彼を能動的に動かせるようになるとリソースの最大化に近付くが、永遠に日進月歩。まず波を減らして愚直に走れるようになるのが個人目標というクソみたいな当たり前をサイクルしている。
なんとなく「この呪縛から解き放たれたい」と思ってるのは、僕だけなのだろうか。
評価: △
■ OH ブルーノ・フェルナンデス
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44419426/picture_pc_24926842fd9ac418850bae1cf9f5f4af.png?width=1200)
加入1年を終え、52試合28G18A。既に52試合も出てるのかという部分にビックリだが、お察しの通り窮地を救ったタリスマン。
チャンスメイクのアイディアを完全に担保され、カウンターシフトを仕上げる要の人。コンスタントに輝きを放ち続け気づけば公式戦30試合15G8Aの大車輪で依存気味且つ、過労死コースである。
カウンターが徐々に対策され始めると共に、存在感の維持が難しくなってきたというここまで。彼を潰せば攻撃は機能不全となるので、そろそろ代替案が欲しいところ。中盤の仕様を改めて模索していく後半戦は難儀かもしれないが、そろそろ次を見据えるフェーズという見解を示したい。
勿論、ブルーノ個人は文句なしね。
評価: ☆
■ OH フアン・マタ
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44467635/picture_pc_6edcb33ceb14e8910ccb17cba09ce69a.jpeg?width=1200)
ユナイテッドに数人いる聖人枠のMF部門。ボールも人も循環させるハブ的存在で、スムーズに組織を動かしてくれる人。
ポゼッション傾向の試合で入れば必ず中継地点となり、親切なポジショニングセンスとボール捌きで流動を生み出す職人芸は流石の一言。近年はWG起用が多くなっているが、サイドを起点にゲームメイクしてくれる2列目として少なくない貢献がある。ここ最近は運動強度が足りず上下の稼働がやや希薄に。カウンターで強みを出す現行のチームには居場所がなく、公式戦はここまで10試合の出場。
ただ頭打ちの雰囲気がある現状を打開できる1人として、後半戦のキーマンに設定しておきたい。
評価: △
■WG ダニエル・ジェームズ
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44468103/picture_pc_39608754e5a9fd0005fb6627abc41d5c.jpeg?width=1200)
爆速少年。ユナイテッドでも瞬発力のみにフォーカスしたら最高クラスの加速を誇る古き良きタイプのWG。ほぼ良さがそこしかないという感想だが、個人的には伸び代が大きなタレント。
縦を切られた際の引き出しとランコースの改善、何より戦術面でまだまだ吸収しそうな余地を感じる。上下を繰り返す守備意識と、それでいてスプリントの質を落とさないのは強み。求められることとやらなきゃいけないことの棲み分けが出来ている点で、チームプレイヤーの資質をアタッカーの誰より兼ねているという評価をしたい。育成次第で大化け、現状は簡単に止めれるロッベンのような着地。修行に出したいが、手元に置いて成長させる環境整備が手っ取り早そう。期待値が実は高い。
評価: △
■ WG ファクンド・ペリストリ
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44469428/picture_pc_ccfc18f714f4c0fc89c8ab6c08a826a7.jpeg?width=1200)
ペニャロールから加入した原石。いわゆる青田買い枠。サンチョをトップターゲットに設定していたユナイテッドがプランBとして確保した形で主にU23カテゴリーに帯同している。
ご覧の通り頑なに右足しか使わない頑固なやつ。主戦は右サイドだが、プレースタイル的に左で真価を発揮すると予想。繊細なタッチと仕掛けの間合いなどメッシにインスパイアされている感じも受けるが本人曰く、サラーやマネがプレーモデルらしい。トップチームにいないタイプのドリブラーで、成長過程はチェックしたい存在。フォルランの推薦もあったっぽいというのが指標になるのかどうかは兎も角、ウルグアイでもかなりお熱な18歳らしい。当面はトップチーム昇格が目標。ここまでアンダーカテゴリーで3G1A。
ポテンシャル評価: A
■WG アマド・ディアロ
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44549417/picture_pc_4bf28060d0e4aa49b974f052859c7bbd.png?width=1200)
こちらも青田買いの枠だが、ペリストリとは少し経歴が異なりアタランタでトップチームのスカッドに入っていた秀英。昨シーズン、17歳の若さでセリエA初ゴールも記録している。今冬加入で、ペリストリ同様U23カテゴリーに帯同。世に蔓延るトラオレ問題に配慮したのか、アマド・ディアロと登録名を変更した好感の持てる青年。ディアロもまた群雄割拠であろうに。
パッと見アタッカーとしての全般的な性能は同年代と比べても高水準で、マネのようなスペックを感じる。チャンスメイクと駆け引きの上手さが光る打開は必見。ミドルレンジの感覚も持っており、知将ガスペリーニの元でもっと修行しててほしかったという本音が漏れ出てくる。プレーに纏まりがあり、その中で突き抜けたものを身につけて是非トップチームで待っております。恐らくゴメスの後釜として据えられる世界線だったはず。
ポテンシャル評価: A+
■ST メイソン・グリーンウッド
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44470849/picture_pc_deb0731375cd5b2de75007ba22819d74.jpeg?width=1200)
ユナイテッドが抱える最新のワンダーキッド。昨季プレミアで18歳ながら10Gをマーク、19歳以下のプレミアリーガーとしては歴代2位タイの得点記録者となった。(1位の競馬おじさんは異次元の18G)公式戦を通じても49試合17Gとまさに圧巻のシーズンで、ゴールデンボーイの最終候補にもノミネート。名前を世界に発信するシーズンとなり、名実ともに次世代のクラック候補であるのは間違いない。
今季も目覚しい活躍を期待していたが、代表チームで起こした不祥事で出遅れ。笑気ガスの吸引問題などもあり素行面で不安因子であることを露呈してしまい、しっかりトラブルメーカーである。
オーレも起用に慎重になっていたが、先日のFAカップ vsリバプール戦でゴールを決めるなど後半戦に向けて調子は上向き。停滞感のある前線のカンフル剤としては申し分ないカードで、ゴールに近い位置でフィニッシュワークをさせるとコンスタントに数字を積み重ねていく匂い。フォデンも頑張ってるので、次はあなたの番です。
評価: ×
■ ST マーカス・ラッシュフォード
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44476435/picture_pc_1129447c522f3540683789c8a8a7c6ed.jpeg?width=1200)
現チームのアイコン。ファンハールの彗眼から始まったストーリーも、5シーズン目に突入した。何と言っても天性のスプリントで推進力を一人で巻き起こすアスリート性能は健在。シンプルに縦を突くことだけで飯を食っていける仕事人タイプだが、とんでもなく波が激しい。
振りの小さなパワーショットとFKは無回転質。ドリブルセンスはあまり感じないが、ゴールスコアラーの素質は一級品。研磨をかけるとロナウドのようなゴールマシーンに化ける可能性を僅かに感じさせる浪漫な選手。今季はカウンターを最終的に仕留める役割だが、状況判断が良くない。決定機を外す場面も多く、限定的なタスクの割に結果を積み重ねられてないというのが実情。
前線の選手に共通して言えることだがポジション適性と配置が定まらないというジレンマ。これからどういうプロセスを踏むのか、おじさんは心配です。
評価: △
■ ST エディンソン・カバーニ
![画像13](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44479023/picture_pc_2d0508294be4c60b5828ed3028cdf89b.jpeg?width=1200)
今夏フリーで加入したエル・マタドール。与えられた仕事を泥臭くこなす献身性と得点感覚が同居した本物のストライカー。近年ではチチャリートが近いタイプだが、よりプレーの選択肢が広くチャンスメイクも万能にこなしていくオールラウンダーである。
実戦から遠ざかっていたこともあり序盤は45分限定のような起用スタイル。コンディションの調整期間を経て徐々にプレー時間を確保し、ほぼスタメンの座を射止めることに成功した。勤勉に走り、淡々と仕事をこなすプロフェッショナルな姿勢はマルシャル、ラッシュ、グリーンウッド辺りの見本となるところ。
得点数は思いの外増えてこないが、使う側との意思共有で問題なく解決していきそう。利他的にチームを循環させるマタ、ドニー辺りとの相性も探ってみたい。
評価:○
■CF アントニー・マルシャル
![画像14](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44480698/picture_pc_af325ee7496dcde7b4f95a5ad366bb36.jpeg?width=1200)
WGからCFにコンバートされ、道を開拓してきたマルシャル。アンリと比較されたが、よりフィジカルとテクニック面で成長の足跡を付けてきた。
その恩恵もありユナイテッド史上6番目の速さで50Gを記録。とりわけプレーの質が変わったという訳ではないものの、ポジション変更で点を取るシンプルな仕事に専念した立派な数字である。ボールキープが見違えるように改善し、配置調整の時間を作れるようになったのがCFを経験しての1番の強みに。
課題は得点のパターンが少なく、特にオフザボールの質が改善点。サイドアタッカー然とした時間帯で消えてしまうのも課題。周りに使われるような動きが増えると、よりストライカーとしての信頼を勝ち取れるかも。現状ラッシュが1人守備タスクを免除するような運用で、その周辺をサポートするカバーニの存在で立場が逆転。ベンチに甘んじてしまっている。
評価: △
◆Manager オーレ・グンナー・スールシャール
![画像15](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44491701/picture_pc_f9635568cebd90a2acdb13d943897ab6.jpeg?width=1200)
苦しい時期を乗り越え、チームを軌道に乗せたのが最大評価点。難しいことはせず、簡素に効率の良さを求めたカウンターシフトで前半戦を首位で折り返した。
戦術的な制約は少なく、仕事はシンプルなタスクとその整理。カウンター想定を固める為にまず2ボランチを選定、ボール回収と守備形成に特化した組織に改変。1人浮くブルーノを繋ぎ役として前線と3列目の中間ポジションに配置、ほぼチャンスクリエイトに専念させたことで直線的な速さを活かすことに成功した。
中盤の再編には続きがあり、それはバックスの安定と言及したい。これまでフィルターのかからないユナイテッドはセンターを務める人間の守備強度が積年の課題であった。それ故、バックスにかかる精神的負荷を起因とした守備崩壊を幾度となく繰り返してきた背景が無視できない。しかしここへ本格的にメス入れをしたのが今季のスールシャールであった。自分たちのストロングポイントを軸に据えつつ「負けないリスク管理もする」そして中盤の再編という答えに至り、それが功を奏した形となった。
しかし問題にもフォーカスしていく。まず攻撃のデザインがワンパターンになり、負けもしないが勝てもしないタームに入ってきたのが懸念点。最新のアーセナル戦では相手にトランジションで圧倒。更に非保持でラインを上手に動かされ、ほぼ自由に使えるオープンスペースを与えてもらえず負けに等しいゲーム。
後半戦に突入し、まず年末年始をフル稼働したスタメン組の疲労がピークに差し掛かってきた。控えを上手に使ってローテーションするなど解決案に取り掛かりたいのが1点。また提案として控え組で新たな攻撃仕様を模索してほしい。スプリント系が中心だったアタッカーにマタやジェームズを入れ、トップ下にファンデベーク、ボランチにマティッチを組み込むスカッドはボールの循環を生むという観点で新たなバランスを見いだす可能性が大いにある。更にポゼッション優位な状況での試合運びが増えてくることが想定される為、彼らの出番が来ることに期待したい。まとめになるがスールシャールの評価は及第点。よくはやっているが次の一手次第というところ。
評価: ○
【終わりに】
中々の書き物になってしまいましたが、暇潰しにでもしてください。こんな意見もあるんだなー、とそんな咀嚼で構いません。
他の人のレビューなどを見て大切にするポイントは自分との価値観の違い。なぜなら見てわかる部分の意見はそう食い違うことがないはずだからです。なので自分がレビューを書くときは「人が読んで大方同意が出来る事実に、他とは違った読み口のオリジナリティーを添える」この意識持って書く。それが読み手に寄り添った自己表現の方法だという結論に至りました。実際、個人の見解でチームや選手を評価してしまっている箇所が多分にありますが、そこも楽しんで見ていただけるようには頑張ったつもりです。
今回もかなり偏った仕上がりではありますが、自分が読みたいと思うクオリティーの半分くらいは整えれたと思います。「レビューなんてやるもんじゃない、ただやるからには中途半端には出来ない」その末に出来た60点くらいの個人採点ではありますが、ご査収ください。ベストイレブンに関しては気が向いたらやる方向で何卒。
P.S. イガロありがとう、ジェシー頑張れ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?