Bleacher


この状態になれば切るのも平気

思わぬところから
出てきた写真
若かった私と
若かった君

一緒にいる未来を
疑いもせずに
腕を組み肩を寄せ
微笑んでいた

思い出と呼ぶにはとても苦くて
早く消してしまいたくて

薄めた漂白剤をタッパーに入れて
写真を沈めて 数分待った
何にもなかったかのように
真っ白になって

これでよかったとつぶやいた
やっと本当に忘れられた



懐かしいものを引っ張り出している途中に
出てきたアルバム。探してもなかったし、
まさかとっておいているとは。
そしてもう思い出を思い出すことはないので
写真を捨ててしまおうと。
ただ、シュレッダーというのはなんかちょっと。そこで「写真 捨て方」で検索して出てきたのが、ぬるま湯に漂白剤を入れて浸けておくというもの。インクが溶け出して真っ白になると。その印画紙を燃えるごみで捨てる。
これだ!これなら物理的にもなかったことになる。というわけでやってみたところ、本当に真っ白。本当になかったことになったような気持ちになって、上の歌詞(もどき)がふっと出てきました。noteの片隅でひっそりひっそりと。