Sunya

アメリカの砂漠で考えたこと、感じたこと

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  • アートな中東

    2014年にfacebookページ「アートな中東」を立ち上げてからぼちぼち活動を広げ、現在はウェブサイトseeMEに生まれ変わり中東地域の現代アートを専門に情報を発信しています。 活動の詳細を知りたい方はこちらにアクセスしてください:https://seeme.jp/1181-2/

  • パーソナルノート

    中東アートや映画とは関係のない私自身についてや思ったことを書きます。

  • イラン映画

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LittleCube|見えない敵などいるはずがない

seeME//Podcast//更新のお知らせ!! 新しいプチコーナーLittle Cubeでは、10分未満の短いコーヒーブレイクの間に中東地域の現代アート作品を紹介します。 古代からある景色、遺跡、暮らしはいつまでも存在するのでしょうか?いつまでも永遠にピラミッドはあると信じている私たち。しかし時に、人間や自然は古代からのそれらを無残にも破壊してしまいます。 テロ組織ISIS(自称イスラム国)の最大拠点だったイラク北部モスルに紀元前700年から2015年まであった人頭有

    • seeME//Podcast// Little Cube|ワンダー・ベイルート

      seeME//Podcast//更新のお知らせ!! 新しいプチコーナーLittle Cubeでは、10分未満の短いコーヒーブレイクの間に中東地域の現代アート作品を紹介します。 今日お届けする現代アート作品は、レバノン出身の作家ジョアナ・ハッジトマス&ハリール・ジョレイジュのシリーズ作品「ワンダー・ベイルート」です。彼らはこれまでレバノンの紛争にまつわる歴史のリサーチを元に作品を多く作ってきました。さて、今回ご紹介する「ワンダー・ベイルート」はある写真家の写真に着目した作品で

      • 作家の声を届けるインタビュープロジェクトArt with Distance 1

        中東地域の現代アートをコラムで伝えてきたseeMEがポッドキャストをスタートしました! seeME//Podcast//ではコロナ禍のアーティストをインタビューするシリーズプロジェクトArt with Distanceを企画しました。その第一弾ではシリア出身のアーティスト、オマール・イマームにインタビューに答えてもらいました。 オマールはレバノンにある難民キャンプで過ごしたのち4年前からオランダ、アムステルダムを拠点に活動しています。彼の代表作品 Live, Love,

        • 作家の声を届けるインタビュープロジェクトArt with Distance 0.5

          ずっと前から私の心を虜にしている作家がいます。 彼はシリア出身の現代アーティスト、オマール・イマーム(Omar Imam)です。 彼はレバノンの難民キャンプでの生活を経て現在アムステルダムで暮らしています。彼の名が世界で知られるきっかけとなったシリーズ作品"Live, Love, Refugee"はレバノンの難民キャンプで暮らす人々の姿を戦争や迫害の”被害者”としてではなく彼ら一人一人のストーリーや感じていることがオマール・イマームの手により演劇的にそしてちょっとコミカルに

        LittleCube|見えない敵などいるはずがない

        • seeME//Podcast// Little Cube|ワンダー・ベイルート

        • 作家の声を届けるインタビュープロジェクトArt with Distance 1

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        記事

          溢れたコーヒー

          コーヒーがまた溢れた。 厳密に言うと紙のフィルターの底がドリップ中に破け、もう入れ終わる寸前のいっぱいいっぱいのタンブラーにドバっと粉が落ちてコーヒーが溢れた。 連続3回目。 原因はうすうす気がついている。とっても濃いコーヒーが飲みたいがゆえに貪欲に粉を入れすぎてしまっているからだ。 これはきっと近頃の私の心を表しているのかもしれない。 あれもやりたい、これもやらなきゃに追われて心と身体のフィルターが破け、一晩で全身が蕁麻疹になった。 一息ついてゆっくり、やりたい、やらなき

          溢れたコーヒー

          ヨコハマトリエンナーレ2020の映像作品《引き潮のとき》について

          コロナ渦の中、開催されるか一時は不安だったヨコハマトリエンナーレ2020が開幕。人が集中しやすい体験型作品は事前予約制にすることや、視聴時間が長い映像作品などの一部の作品をネットで公開すると言ったコロナ対策のもと無事閉幕しました。 期間限定で公開された映像作品の中で中東地域出身の作家アリア・ファリドによる作品がありましたがヨコハマトリエンナーレの公式サイトではそれらの作品の詳しい背景や解説を見つけることができず、20分近い作品を最後まで見て理解するにはとてもハードルが高い状

          ヨコハマトリエンナーレ2020の映像作品《引き潮のとき》について

          ベイルートの爆発で影響を受けたギャラリー

          8月4日にベイルートの港湾地区で起きた爆破でにより現時点で100人以上がなくなり多くの人が住む家を失いました。また爆破があった付近に点在している多くの美術館やギャラリーがダメージを受けたと報じられています。 爆破地点から3キロほど離れたところに位置する美術館Sursock Museumは公式インスタグラムのストーリーで破壊の状況を掲載しています。 この美術館は、レバノンをはじめとした中東地域の近現代アートを所蔵しているSursock Museumのアートコレクションが貴重

          ベイルートの爆発で影響を受けたギャラリー

          お腹の中でコーランを聞く

          ハーフでもミックスでもダブルでもなく  はじめまして。現王園セヴィンです。私は1988 年日本で、イラン人の父と日本人の母のもとに生まれました。  私は、母のお腹の中にいる時からイランと日本、両方の文化を取り入れた環境にいました。母のお腹が大きくなって、私がドタバタ動くようになった頃、父の妹がイランから日本に遊びに来ました。彼女は、母のお腹の中で外に出る日を待つ私に、コーランを読み聞かせてくれました。私に” セヴィン” という名前を選んでくれたのも彼女です。一方で、母や母方

          お腹の中でコーランを聞く

          『プレジデント』とモフセン・マフマルバフ

          ヨーロッパで亡命生活を続けるイラン人監督モフセン・マフマルバフの最新作『プレジデント』。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門オープニング上映作品、そして東京フィルメックスでは観客賞を受賞した本作は、2015年日本でも公開予定です。本作の映像、ストーリーそして監督の想いは多くの映画ファンをうならせました。 “舞台は老独裁者に支配されている架空の国。 ある日、クーデターが勃発。妻と娘たちはいち早く国を脱出してしまい、残された独裁者は幼い孫を連れて逃亡の旅に出る。ボロボロの服を着て

          『プレジデント』とモフセン・マフマルバフ

          第27回東京国際映画祭と中東映画

          第27回東京国際映画祭と中東映画 今年も10月23日(木)から10月31日(金)の9日間、東京国際映画祭が開催されます。開催に先駆けて今回は、見逃してしまった!!という事態を防ぐために一先ず中東地域の注目映画をざっくりとお知らせします!気になった作品がありましたら是非足をお運びくださいませ。 ★『セルフ・メイド』イスラエル 10/29 20:25- 10/30 16:00- http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=12

          第27回東京国際映画祭と中東映画

          第15回東京フィルメックス

          11月22日から第15回東京フィルメックスが開催されます。 (Nov. 22 ~ Nov. 30) そこで、今年の東京フィルメックスのコンペティション部門で上映されるイラン映画『数立法メートルの愛』をご紹介します。 東京フィルメックスは今年で15年目を迎えるわけですが、今まで貴重な掘り出し映画を世に紹介してきました。なかでも日本では見落とされてしまう中東映画を勢力的に紹介することで、日本における中東映画の地位を確立してきました。ですから、東京フィルメックスにて、さらにはコン

          第15回東京フィルメックス

          Politicalな映画はSocialへ

          イランでは2009年に勃発した反体制運動Green Movement以降、表現者と政府の間で緊張関係が続いています。特に政府の厳しいチェックの対象となっているのが、映画監督です。それは、映画が多くの人に素早く伝わる手段であり、他のメディアや表現媒体と比較して国民への影響力が大きいからでしょう。なかでも、反体制活動のため20年間の映画制作が禁止されたジャファール・パナヒ監督そして、その後の彼の映画による反抗作品『これは映画ではない』(http://moviola.jp/eiga

          Politicalな映画はSocialへ

          第27回東京国際映画祭と中東映画

          今年も10月23日(木)から10月31日(金)の9日間、東京国際映画祭が開催されます。開催に先駆けて今回は、見逃してしまった!!という事態を防ぐために一先ず中東地域の注目映画をざっくりとお知らせします!気になった作品がありましたら是非足をお運びくださいませ。  ★『セルフ・メイド』イスラエル http://2014.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=125http://youtu.be/acY1VaSWy7Y イスラエル人女性とパレス

          第27回東京国際映画祭と中東映画

          ★日本初公開イラン映画『金曜日の午後に』★

          7月8日、第12回中東映画研究会にてイラン人女性監督モナ・ザンディの初長編映画で日本未公開作品の『金曜日の午後に』が上映された。 『金曜日の午後に』は、近親相姦そして婚外出産といったタブーに大胆に踏み込んだ作品でありイランでは論争を巻き起こした。 この上映に合わせて来日されていたイラン人女性監督モナ・ザンディ監督は、映画上映後に登壇されイラン人女性監督のイラン社会における役割について語った。 イランでは文化・芸術活動を行う時に必ずMinistry of Culture and

          ★日本初公開イラン映画『金曜日の午後に』★

          ★イラン 平和と友好の映画祭★

          1979年2月、ホメイニー率いるイスラム教法学者と国民によるイラン革命が勃発しました。革命間もないイランが直面したのは、1980年9月22日から1988年8月20日まで8年間続いたイランイラク戦争でした。 そしていまだに落ち着きを見せないイラン国内外情勢ですが、近年のイラン国際問題といったら原子力発電所問題を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。イラン南西部郊外ブーシェフルに位置するブーシェフル原子力発電所はイラン革命前パフラヴィー政権により1974年にドイツ企業シーメン

          ★イラン 平和と友好の映画祭★

          パレスチナ映画:『オマール、最後の選択』

          第86回アカデミー賞外国語映画賞にノミネート、カンヌ映画祭ある視点・特別審査員賞を受賞した、ハニ・アブ・アサド監督日本未公開作品 自爆テロに向かうパレスチナ人青年の物語を通してパレスチナ問題をパレスチナの視点から描いた作品『パラダイス・ナウ』で2006年ゴールデングローブ賞外国語映画賞を受賞した監督の新作です。日本では2015年に公開予定です。(配給:アップリンク) 本作で頻繁に登場するのが、分離壁です。主人公オマールは監視塔からの銃撃を避けながら何度も壁を超え、向こう側

          パレスチナ映画:『オマール、最後の選択』