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【第六回】昭和世代の仮想通貨入門①(最悪過ぎる夜明け)

今年に入ってから「昭和生まれ向け」メタバースやブロックチェーン、NFTなどの記事を投稿したり、勉強会を開いたりしています。なかなか、昭和世代から100%な賛同を得られていない感じがするのです。最近では、私は仮想通貨やら、ブロックチェーンやらNFTなどについて書いたり、投資したりしています。しかし、私もタイトル通り昭和世代のメインプレイヤーです。端的に言うと「仮想通貨は詐欺」と思っている世代です。かくいう私もビットコインが出始めでまだ数千円だった頃に友人に勧められました。「そんな詐欺みたいなもんやらん。」と一蹴したことをハッキリと記憶していて少し後悔しています。詐欺というのは騙そうとして騙して被害が出ることを言います。なので仮想通貨自体は詐欺ではないでしょう。

しかしながら、まず、ネーミングが悪かった。悪すぎた。「仮想」って言う言葉は「無いもの」を連想させた。実体の無い通貨って何?仮想通貨以外にも電子マネーと言ってPayPayや楽天Payみたいなもののおかげで、今では私も一日の中でほとんど現金を触ることはありません。ただ、私が友人から勧められた2015年後半というのは現金以外はクレジットカード(Suicaですら駅以外ではなかなか使えなかった)という世界なので、「仮想」の通貨などというものにお金を出すなら、まだ実体のある牛肉に投資したほうが安全と考えられていた時代でした。(結果的に牛肉は破綻してしまいましたが)お金は手で数えられる。という見えない条件があったと思われます。そんな中で携帯やウェブの中でしか存在を確認できない仮想通貨に飛込む元気な昭和世代は少なかったように思えます。

また、規制が全くなかったので、様々なインチキに利用された。という点もあります。上場したら1,000倍になるという未上場コインが溢れ、ビットコインやイーサリアム、ライトコインのマイニングで中国にマイニング工場を経営している人がやたらに友人の友人の先輩に増えたのもこの時期です。昭和世代はその頃でもう30代から40代の方々が多く、それらの天文学的数字と使い古された手法に違和感を抱いたものでした。

その頃の日本では午前中のルノアールが50代以降の怪しげなおじさん不動産屋集団の独壇場から、おじさんでも少し毛色の違う、ジャケットすら着てない50代くらいか、若くてシュプリームのダウンジャケットにクリスティアンルブタンのスニーカーを履いたどう見ても低学歴なお兄さん達がiPadで仮想通貨の上場やマイニングのネットワークビジネスの説明を声高々に説明する姿が見受けられるようになりました。つまり、2015年から2017年くらいの日本では仮想通貨は上記の方々のおかげで、詐欺や犯罪の巣であり、昭和世代にはまさに近づいてはいけない代物であったのです。

私も嘘のような本当の話で、ビットコイン売りのおじさんに会ったことがあります。3万円で1ビットコインであった時期に1万円でいいよ。と渋谷の喫茶店で待ち合わせたおじさんは私に言いました。様々な説明を受けましたが、あまりにもおじさんの知識水準が低く、一般常識ですら危うい感じがしたので、「やっぱり現物ないのは怖いですよねぇ。」という昭和世代トークでかわそうとしたところ、あるんだよ。と取り出したものが金色の円形のBTCと書いてあるコインでした。そうです。いまや、SNSなどの背景でBTCをイメージさせるコインのあの、あれです。(この投稿の写真のやつ)おもむろに財布(ウォレット?)から取り出して大切そうに私にに「持ってみますか?」といったのですが断りました。今となっては触ってみればよかったです。その明らかにメッキのコインを1BTC1万円で交換しようということでした。今まで仮想通貨を現物で見たものは私の周辺では私しかいません(笑)

このように昭和世代には受け入れがたい状況の連続でスタートした仮想通貨でしたが、その後に徐々に覇権を回復していきます。(つづく)

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