御手洗透夏のボイスメモ(ステラナイツ二次創作)

『ボイスメモ、No.574。開始。
今回の騒ぎで、なぁなぁにしていた事を1度まとめておこうと思う。


僕の記憶についてだ、世界が交わったことで……異なる世界の記憶と一緒に僕本来の記憶と思わしいものを思い出した。正確には、本来の僕の"忘れていた記憶"だ。


……二度と忘れないようにここに残しておく。
といっても、時期は明確じゃない。思い出話のひとつと同じだ……何を怖がってるんだか……はは。
物心着いた頃から一緒にいた幼なじみが居た、いつもその人の後ろをついてまわっていた覚えがある。確か…8歳から10歳辺りまでずっと一緒だった。


子供心ながら、あれは………初……恋、だった気がする。


だから、彼女が親の都合で引っ越すと聞いた時はすごくショックだった。だから僕は、僕といた証を残したかったんだと思う。母が得意だった編み物を習った、贈り物にできるなら何でも良かったんだと思う。今思うとすごく重い感情だな、と冷ややかに見るのは大人になったからかな。


少し大きいマフラーを編んだ。彼女は少し寒がりだったから…。


………………。


でも渡せなかった。渡すと決めたあの日、階層列車で見送るあの日に、アーセルトレイで珍しく起きた災害に巻き込まれた。僕も、あの子も。ここまでの記憶はその災害で……。この『魂の詩』で思い出したが、これにある記載は若干違うがきっと正しいと言える記憶だろう。


…………………。


思えば……、あの日から僕はついてない気がするな。


変な思考に至りそうなので、今日は終わりにする。これから森さんの娘さんとの面会……余計な考えは捨てて患者に向き合う時間だ


ボイスメモ、No.574。終了』

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