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七尾市 なぜパトリアは潰れたのか?今後はどうなる?専門的な目線で語る。

全国ニュースになった石川県七尾市、七尾駅前の商業施設「パトリア」が2019年3月3日に破産申請をしました。5万人地方の商業施設の破産がなぜここまで話題になったかと言うと、テナントが営業をしている中での商業施設側の破産というところだと思ってます。うん、確かにありえません。ありえない理由は後ほど語ります。
パトリアの詳細はウィキを見てみましょう。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/パトリア_(七尾市)

商業施設は一般的にディベロッパー(以下DV)と呼ばれており、建物内の一角をテナントに貸し出し、賃料を得ることで利益を出しています。アパートと違う点は色々あるのですが、一番は売上歩合がかかるところでしょうか。「1ヶ月いくら以上売りあげたら○%固定賃料+αでもらいますよ〜」といった契約になっています。ですので、DV側の運営業務にはテナント誘致をした後は、日々テナントの売上を伸ばすサポートを裏方でするんですね。わかりやすい業務で言うと、夏冬バーゲンとかの企画からCM、ポスターの打ち出しとかの販売促進、接客力向上の支援も業務になります。 設備保全も大切です。

地元である能登に帰る機会があったので、実際に潰れたパトリアを見にいってきました。

2019.3.16撮影

2017年に地元スーパーのカジマートが入店したらしいですが、、閉店。
契約期間絶対残ってると思います。がらんとしてますね。

「2階営業してます!」と力強くアピールしているので、止まっているエスカレーターを駆け上がることにしました。(私の後ろ姿が写ってますね)20時頃だったので、そのアパレルは営業終了で網はかかっていましたが、存在はしてました。

ここで大きなニュースの理由となった、
DVがテナント契約を期間途中で破産したことの裏側を考えてみましょう。

テナントはDVに対して面積に応じた敷金(結構高い)を支払い、その区画の内装工事費を負担して、契約書により期間を定めて出店してます。
DVは退店違約金を賃料半年分くらい定めているので、言ってしまうとあまりテナントの即時退店に対してそれほど痛手を受けません。(ちなみに通常退店も6ヶ月前申告が一般的です。)原状回復義務もテナント側にありますし。

しかし今回は行政がらみのDV側の破産。
七尾市は能登では比較的人口が多く、まあまあな企業の支店があったり、税収は潤っていると思いがちだったのですが間違いでした。
小中学校の小さな備品(子供が使うテープやハサミ)などでも持参しないといけないと聞きます。この点しか事実は分かっていませんが、このレベルの経費削減を推進してるということはそういうことでしょう。

ただその状況を勘案しても業界人からするとDV破産はありえないと感じてます。
なぜならDVを赤字にしない方法はたくさんあるからです。
例えば販促費を抑えたり、
区画が埋まらなければ区画を大きくして貸し出したり、そもそも埋まらないのであればリーシングをプロに委託したり、行政の補填でやり繰りしたり。。

ここからは想像で辛口のコメントになりますが、
行政がらみの施設なので、赤字などに対する責任の所在が不明確であったり、あまりDV知識がない方達が運営してたのでしょう。

過去に近隣にあった店舗はまとまった方が売れるからと説得されて出店したにも関わらず、行政が商店街を整理したり、正直重複している(無駄な)道路を整備して倒れたとなったのなら怒って当然だと思います。

長くなったので、次はテナント側の視点からのまとめをしてみます。

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