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第2回 花咲く和紙を共につくる障がい者雇用の会社「ビーネックス ウィズ」

第1回目でお話しましたが、日本産のシードペーパー「花咲く和紙」をつくるにあたり、2022年から協働している会社のひとつに神奈川県の「株式会社ビーネックスウィズ」があります。母体は15の会社を持つホールディングカンパニーで、「ビーネックスウィズ」はグループ内の特例子会社として、障がいのあるかたを一手に雇用し、グループ内各社から回収されたコピー損紙などを使って再生紙をつくっています。さらにステーショナリー商品やカレンダー、販促品などの印刷物にも加工しています。つまり、もともと紙漉きと印刷加工の技術があり、私たちSOUPとのコラボレーションに適していました。

紙漉きした紙は板に貼りつけて乾かしていく

板に貼り付け、天日干しで乾かします

花咲く和紙をつくるプロセスは、途中まではいつもの紙漉きと変わりありません。しかしシードペーパーならではのタネの漉き込みは、指導員が何度も具体的なやりかたを手本で示して、すべての社員が身体で覚えられるようにしています。種をまんべんなく紙全体にすき込み、同じ厚みの紙にするのはかなり難しいのです。そして最後は水気をとり、板に貼り付け、その後、屋外に移動させて天日干しで乾かしていきます。

天候もポイントで、曇りや雨予報の日は紙漉きはできません。一般の紙漉きなら、A3サイズで1日200枚ほどできますが、花咲く和紙はその半分弱となるほど手間がかかります。

ユニット長の佐々木さん

熱に弱いタネに気を使いつつ、印刷にかける

乾いたシードペーパーは、印刷にとりかかりますが、問題は印刷機でした。シードペーパーはタネが入っているので、熱に弱いという弱点があります。そこで、協働にともない、シードペーパー用のインクジェット印刷機を搬入することになりました。

一枚一枚手差しなので時間がかかるうえ、印刷機に紙をまっすぐ入れることはかなり難しいものです。これは指導員にとっても同じで、作業はつきっきり。タネがぽろぽろと落ちたり、機械に詰まってしまうというアクシデントもあります。

このように花咲く和紙をつくるにあたり、さまざまな試行錯誤を経験していますが、ようやく1年経って確実に前進しています。

ビーネックウィズのみなさんと

協働で生まれた幸せのタネ

この会社で働くかたの家族からも嬉しい声が届いています。「家族はとても喜んでいるようです。商品やノベルティにもなり、それが世間に出て行くので仕事としてもやりがいがあり、人々の目に触れていくという点で、家族のかたたちも満足感があるのだと思います」とは、ビーネックスウィズのユニット長、佐々木さん。

思いも寄らない喜びが生まれ、私たちSOUPも嬉しい限りです。これからも
一緒に頑張っていこうと思っています。


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