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他人にはわからない感覚

カビンくんとドンマちゃん


今回、ご紹介したい本は、
「カビンくんとドンマちゃん」
という本です。

平均より刺激に反応するカビンくん

感覚を感じる閾値には、個人差があります。
痛がり、怖がりなど、昔から言われますが、
それよりも、もっと複雑で、耐えられない
ほどの苦痛を感じている人もいるよう。

本書では、
・制服が痛い
・給食が食べられない
・周りの音が気になる
など、閾値が「平均」の人には
理解できない感覚をもって苦しんでいる人の
お話が出てきます。

不便な日常の上に、周りから理解されない
という苦しみを持っている人たち。

それでもなお、自分のこの感覚過敏が
他人に迷惑をかけているのでは…
と、カビンくんは、不安になっています。

平均より刺激にうといドンマちゃん

感覚過敏は、HSP(敏感すぎる人)が
有名になるにつれて、だんだんと
知られるようになってきました。

しかし、その反対の感覚鈍麻な人もいます。

空腹や、尿意がわからないドンマちゃん。
トイレに行きたい!と思った時には、
もう、漏れる寸前…なんてことも。
思春期の子に、お漏らしなんて
耐えられない苦痛ですよね。

また、感覚が鈍麻なので、
何かにぶつかっても
痛みを感じにくかったり
距離感がわからなかったりするそう。

パーソナルスペース(人が近づける距離)は
人によってそれぞれですが、
あまりに近いと、嫌がられたり
変な勘違いをされてしまいそうで
こわいですよね。

感覚という見えないものの難しさ

感覚や、感情は全く見えません。
阿吽の呼吸や、曖昧な表現が
理解できないという人には
以心伝心を大切にする日本の
コミュニケーションは苦痛で
仕方がないのかもしれません。

学校では、集団行動を成り立たせるために
協調性を重んじる傾向にあります。
しかし、そこに1から10までの説明が
ないことも多々あります。

また、人と同じようにできない特性を
持っていたとしても、それは矯正できるもの
として、対応されることも多くあります。

自分の感覚過敏や、感覚鈍麻で
思い悩んでいるのに、他人の話なんて
なかなか、受け入れることなんて
できませんよね。

感覚過敏や、感覚鈍麻は
往々にして、不登校を引き起こす原因と
なっていると思われます。

大事なのは、否定しないこと

学校に、行く、行かないという
判断に悩まされがちですが
一番大事なのは、その特性を
否定しないことだと思います。

自分の特性を否定されたり、
理解されない期間が長いと
どんどん自己肯定感が下がっていきます。
そうすると、自分には何もできない
という二次障害のような状況に
陥ってしまいます。

今は、家でできる学びも
繋がりもたくさんあります。
思春期が過ぎると、ホルモンが
安定して、感覚も落ち着いてくる可能性も
あります。

今、できないことを数えるのではなく
今、できることを認めて
環境を整えるための話し合いが
大事になってくるかもしれませんね。

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