#9 映画『Love, Simon』を通して考えてみる、「カミングアウト」って何?
こんにちは!今回の記事を担当するYutsukiです。
記事を書くのは2回目ですが、まだまだ緊張しますね。今回も「この記事に書いてあることが正解!」ではなく、一緒に学ぶ気持ちでゆる~く読んでいただけたら幸いです。
今回は、映画「Love, Simon 17歳の告白(原題:Love, Simon)」を通して「カミングアウト」について考えていこうと思います。
注意!「Love, Simon」のネタバレを含みます。まだご覧になっていない方は、Disney+やAmazon prime videoで配信されているのでぜひ見てみてください!
映画の紹介・あらすじ
『Love, Simon』は2018年に公開され、フィクションではありますが、自身のセクシュアリティについて悩む男子高校生の葛藤や彼の青春を丁寧かつ明るくポップに描いた作品です。
「はじめてLGBTQ+に関する作品を見るよ!」という方にもおすすめです!
主人公のSimonはアメリカでごく普通の高校生として両親と妹の明るい家族に囲まれて生活する男の子です。しかし、実はゲイであるという秘密を抱えていました。ゲイがばれると学校でいじめられるのではないか、周囲に理解されないのではないかという不安から、ゲイであることを家族や友人に隠して生活することに息苦しさを感じていました。
そんな中、Simonは学校の掲示板の書き込みから同級生にゲイがいることを知ります。Simonは「Blue」と名乗る彼に思い切って自分もゲイだと伝え、メールで話をするようになります。そして、SimonはBlueとのメールを通じて勇気をもらい、友人のひとりにカミングアウトすることを決意します。
「カミングアウト」ってなに?
さて、今回のテーマである「カミングアウト」。
どんなことか、ご存知でしょうか?
聞いたことがある人も多いと思います。「カミングアウト」とは自ら自分のセクシュアリティについて他者に伝えることを指します。
カミングアウトは決して「しなければならないこと」ではありません。カミングアウトすることもしないことも自由です。
また、いつ、どこで、だれにカミングアウトするのか、何を伝えるのかは当事者が自分自身で決めることです。本人以外の人がその人のセクシュアリティについて他者に伝えるべきではありません。
カミングアウトは性的マイノリティが行うもの?
性的マイノリティの人々が行うものというイメージが強いですが、SimonはBlueとのメールの中でなぜまだ自分(Simon)がカミングアウトしていないのかについて言及するシーンで次のように述べています。
このセリフを聞いてどんなことを感じたでしょうか。
あまりピンとこなかった方もいるかもしれません。私は「たしかに~」と、Simonの意見にすごく納得しました。
Simonのこの言葉はカミングアウトが性的マイノリティがするものとして捉えられていることに対する「不平等感」や異性愛規範に対する怒りを表した言葉だと思います。少しずつ変わりつつありますが、現在の社会では生物学的な性と自分の性に対する認識が同じ、かつ異性を好きになることが「当たり前」とされています。だからこそ、今の社会において「異性が好きであること」をカミングアウトする必要はないのです。
異性を好きになることを当たり前とするのではなく、様々な性自認や性的指向があることを知り、異性愛が当たり前とされている社会の問題点に気づくことが大切です。
なんて、なんだかちょっと難しそうなことを書いてしまいましたが、私自身も異性愛が当たり前の社会を変えるための「正解」を知っているわけではありません。残念ながら、多様な性があって当たり前だと思われている社会に今すぐ魔法で変えられるわけでもありません。
だからこそ、自分が生きやすい選択をすることが大切だと思います。伝えたくなったときに伝えればいいし、言いたくないことは隠したって大丈夫、わかってもらえそうだと思ってカミングアウトしたら上手くいかなかったときでも一人で抱え込みすぎず、ゆっくり少しずつ自分らしくいられる場所を見つけていけたらと思います。
おすすめ作品:スピンオフドラマ『Love, Victor』
「『Love, Simon』はもう見たよー」という方には、スピンオフドラマ「Love, Victor」もおすすめです!
ゲイだけでなく他の性的マイノリティも登場したり、息子のセクシュアリティを受け入れられない両親の葛藤を描いていたり、「Love, Simon」では描き切れなかったよりリアルな悩みが丁寧に描かれており、LGBTQ+についてもっと深く知りたい人におすすめです。
おわりに
今回は映画「Love, Simon」を通してカミングアウトについてお話ししました。
カミングアウトについて悩んでいるとき、映画やドラマ、本などの作品に触れることで気持ちが楽になるかもしれません。きっと知識と安心、それにすこしの勇気を与えてくれると思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
今回のお話が少しでも誰かの心を軽くできていたらとてもうれしいです。
それでは、また
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