オリンピックに不可欠なモノのお店
ー バルセロナ きらきら太陽の真下のカフェで ー
◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇
アクセサリーが好きだと知り合いに話したら
グラシア地区にある素敵なお店を教えてくれた。
夕方、そのお店を訪ねてみると、
一般的なアクセサリー・ショップとは一風変わっていて
博物館の一室のような
ちょっと緊張感のある空気が漂っていた。
ほんのりとした褐色の間接照明が
ところどころに落とされ
渋くて自然な色のアクセサリーが
アートのようにひとつひとつ丁寧に
ガラスケースに置かれて飾られている。
店内を中央へゆっくり歩いて行くと
壁いっぱいに大きな棚があり、
その棚の中には今までここで作られた
メダルが展示されていた。
そう、ここは約100年もの歴史がある
メダル屋さんなのだ。
金や銀、銅を扱っていることから
それを素材にしたアクセサリーなども
置くようになったとのこと。
そして時がたつうちに、
いつのまにかアクセサリーの方が
店内に多くなっていったとのことだ。
このお店では、
自分でデザインしたオリジナルのメダルも
製作してくれるそうだ。
運動神経の乏しい私は、
この先オリンピックに出る予定はもちろんない。
何か偉業をなしとげることがもしもあったとしたら、
いつか自分へのご褒美に
金のメダルを私のオリジナルデザインで
作ってもらおうかと
ほんのちょっとだけそんな夢をみている。
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ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。
残念ながらこのメダル&アクセサリーのお店は
数年前に閉店してしまった。
自然な色であることはもちろんのこと
葉っぱや木の実など自然をモチーフにしたアクセサリーが飾られていて
渋さが似合う年齢になったら
身につけてみたいと思っていた。
地下鉄のFontanaフォンタナ駅のすぐ近くにあったのだ。
バルセロナのどこに一番住みたいかと聞かれたら
やっぱりグラシア地区がいいなと思っている。
個性的で気取らないお店が多く、
お店の人がとても気軽に話しかけてくれる。
ハンドメイドのお店が多いのもうれしい。
一点ものが好きな人にはおすすめのエリアだ。
この地区では毎年8月中旬に
夏祭りが行われる。
それぞれの通り道ごとに違ったデザインで飾り付けがされる。
様々な素材を使って色鮮やかに
どこの通りも独特な面白さがあり
文化祭的な雰囲気満載で
いろんな通りを歩くだけでワクワクするのだ。
もし、夏休みにバルセロナに来るなら
ぜひ、この夏祭りも体験してもらいたい。
知らない人が近くにいても
「おもしろいね!」と話しかければ
「ほんと、サイコー!」
なんて言い合える仲になってしまうほど。
もうすぐ、この夏祭りが始まるので
私も今から楽しみでしかたがない。
グラシア地区のおいしいお店や
個性的な雑貨屋さん
デザイナーが経営するパッケージが素敵な
缶詰専門店などなど
グラシア地区の魅力が満載の
バルセロナのガイドブック
『心おどるバルセロナへ』イカロス出版から。
ぜひ、手にとって見てほしいと思っています。
それでは今日も素敵な一日を! ボンディア〜