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歯を食いしばってShow Must Go On

年の瀬ですね。2021年ももすうぐ終わりっす。
今年もコロナ禍で何かと規制の多い年でしたが、ここに来て徐々に緩和されてきました。

プロレス会場もずっとソーシャルディスタンスモードでしたが、年明けくらいから通常モード(全席使用していいよバージョン)の会場が増えていくのではないでしょうか。

とはいえ、ニコプロのようなメディアで仕事をしていると、嫌でも“数字”で現実を突きつけられます。
よく「ニコプロは映像配信サービスだから、コロナ禍では逆に会員増えたでしょ?」なんて言われます。
結論から言えば、そんなことはないです。

コロナ禍で会場に行けないので、配信でプロレスを見る……という観戦スタイルが増えたのは間違いないでしょう。
でもコロナ禍によって、プロレスを見なくても生活に支障がないことが分かってしまった……という人も結構いたのではないでしょうか。コロナ前は「プロレス最高! プロレスを見ない生活なんて考えられない!」と思っていた人も、いざそう簡単に見られない(見られたとしても配信になってしまい、会場に行けない)状況が続くと、「あれ? ここ最近プロレス見てないけど、Netflixが最高だから別にいいか」みたいな人が増えたんじゃないかなと思います。

やはりプロレスは“非日常”を味わう空間という要素が強いので、現実世界が非日常みたいになっちゃった世界では、なかなかシンドイ状況だったなと思います。
それでも各団体、必死に踏ん張ってShow Must Go Onしてきて、熱心なファンがそれを支えて、ようやくここまで来ました。

とはいえ、たぶん客席全開放していいよとなったところで、すぐに超満員札止めになるくらいの観客が入って、大歓声や紙テープが飛ぶ景色はそう簡単に戻らない気がします。隣の席の人と肩が触れるくらいの距離、後ろの席から大声の声援が聞こえる環境でも、安心してプロレスを楽しめるようになるには、ある程度“リハビリ期間”が必要でしょう。

きっとお客さんが熱狂し、歓声と紙テープが飛び交う“非日常”が体験出来るプロレスが戻ってくるはずです。
でもそれがいつかは正直分からないです。その日が来るまで歯を食いしばって耐えないといけないと考えると、ここでひと区切りつけてほかの道に行くっていうのも私は全然アリだと思います。

年齢的なこと、収入的なこと、身体的なこと、人生設計、家族……などなど様々な理由でプロレスから離れることを考える選手、関係者、ファンがいるのは当たり前でしょう。
プロレスから離れてみて気付くこともあるでしょうし、また状況が許せばプロレスに戻ってくればいいじゃないですか。

私だっていつまでもプロレス界にいられるかどうかなんて分からないですよ。需要(仕事のオファー)がなければ、生きていくためには違うジャンルで仕事を探さないといけないでしょうし、毎月深夜に3時間しゃべる体力がなくなる可能性だってあります。
っていうか、つい先日は3時間どころか12時間しゃべりましたが、まだ大丈夫でした。

なんてことを書くと「佐瀬が弱気になっている」と思われそうですが、私の場合は嫌なことがあっても会場に行ったり、お笑い番組を見ていれば気分転換くらいは出来ます。嫌なことを忘れられるほど楽天家ではないですが、どんなに辛くてもお笑い番組をずっと見ていれば、思わず笑っちゃうシーンは絶対出来てますし、プロレス会場に足を踏み入れれば、それが仕事であってもやはりどこかアドレナリンが出ているんだと思います。

長々と書いてきて、結局何が言いたいかと言うと、世の中がこういう状況の中で引退、卒業、退団、退社、移籍、活動休止……いろいろ別の道を行く者がいるのは仕方がない。数年後、世の中が、プロレス界がどうなっているかすら分からないんだから、別の道を行く者は快く送り出し、残って歯を食いしばって頑張っている者を応援して、みんなでこのジャンルを支えていこうよってことです! 
では皆さん、ちょっと早いですが、よいお年を! 2022年もよろしくね!

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