「カルチャーショック」の話
second placeの佐藤です。
どうぞよろしくお願いします。
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高校時代、アジア大会に出場するためにインドのカルカッタ(現在のコルカタ)を訪問したときの話です。
それまで訪問した数か国と同じ感覚で成田を出発した私でしたが、インドネシアのジャカルタからカルカッタ行きの飛行機の座席に着き、乗客の多くがターバンを巻いている状況を目にした瞬間、「あれ、な、なんか違う感じ…。」と思ったことを覚えています。
カルカッタの空港に着陸した瞬間に心からの拍手をし、あの飛行機の狭い通路で前に並んでいる人を小走りで追い抜いていこうとする乗客の様子に戸惑い、飛行機を降りた瞬間に経験したことのない埃っぽさと独特のにおいが入り混じった空気感に圧倒され…預けた荷物が出てくるのを2時間以上待たされながら、何となく「これは気持ちを入れ替えないといけない気がするな。」と感じました。
あくまで当時の話として書かせていただきますが、空港から出てバス乗り場までの通路には両側に金網があり、その外側でお皿とスプーンを叩いて音を出したり、私たちに対して何かを叫んでいる子どもたちがたくさんいる様子は、当時の私にとってはまさに「映画の中の世界」そのものでした。旅行者や通行人からもらうお金を少しでも多くするために、故意に子どもの手足を切断したり、顔にやけどを負わせることがあることを後になって知ったことも含めて、今でも非常に印象的な風景として記憶に残っています。
カルカッタに滞在したのは約10日間ほどだったと記憶していますが、上記以外にも、ここに書くことを躊躇してしまうような出来事に何度か遭遇しました。長期間現地で生活したわけではありませんでしたが、私にとっては「カルチャーショック」となる貴重な経験となりました。今になって振り返ってみると、チームの一員として守られた立場で、短期間ながら訪問できたことが本当に幸運だったと感じています。自分ひとりで訪問したことを想像すると、おそらく苦労も刺激も倍増し、この経験を同じようにポジティブなものとして受け入れられなかったかもしれません。
今回の経験は、バスケットボールをやっている、ではなく、バスケットボールをやらせてもらっている、ことを改めて認識し、「物事に真摯に取り組む姿勢」を身に付けたいと思うきっかけとなり、以来「今日もベストを尽くせたか?」「今日は手を抜いていなかったか?」などの自分との会話が非常に増えていったと思います。
社会人になってから今でも、「物事に真摯に取り組む姿勢」を自分の価値観の中心に据えることができるように試行錯誤する日々です。日々の積み重ねこそが、今後も起こるであろう困難な状況や苦しい経験をポジティブに受け入れられることにつながると信じています。
second place 佐藤
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