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そして誰もいなくなった その2

前回の続きです

こうして連絡もないまま
連休に突入
幸か不幸か、今年は10連休
初日から重い気持ちを振り払うように
1人でキャンプに出かける

その後は1人でいることに耐えられず
微妙な関係の友人と一緒に過ごした
(この友人については後日また書こう)

そして 相手からも長男からも連絡のないまま
引越し予定日の30日はすぎ
このまま何もない日々が続くのかと
諦めのついた5月1日PM7時すぎ 突然携帯電話が鳴った

見覚えのある携帯番号だなと思いながら
セールスか何かかと思いその着信を無視すると
その直後、今度は元相手方のLINE IDから着信
一瞬躊躇するも とりあえず出る

電話口の向こうは何やら騒がしく
どうやら外からかけてきている様子

相手はかなり焦った口調で
突然聞いてきた

相手「 前に子供を引き取ると言っていたが
   それは本当に可能か?
   実際にどうやって子供の面倒を見るつもりか?」

私「 ・・・・ は???? 」


ここで少し、相手の実家について説明しよう
引越しをすると聞いて、私が相手の実家について
思い出しながら想像した内容だ

相手の実家について

相手が実家に戻るつもりなことは予想していた
相手の両親はもう10年以上前に亡くなっており
相手の実家には相手のお兄さんが1人で住んでいるはずだ

何度か会ったことのあるそのお兄さんは
ずっと独身でおそらく今も独身であることが
容易に想像できるタイプの人だ(要するにモテなそう)

実家は4LDKの戸建てで
一人暮らしのお兄さんが住んでいるだけだから
相手方と長男が一緒に暮らすには問題ない間取り

おそらく相手方はそこに転がり込むのが自然な流れだろうと思っていた

ただ一つ気がかりだったことがある
離婚する何年も前、相手の両親が亡くなってから半年ほどたった頃
家族で相手の実家に帰省したことがある

凄まじかった
何がって、家の汚れっぷり
生涯独身のイメージがぴったりくるお兄さんは
どうやら掃除をしないタイプの人間のようで
部屋の隅には綿埃と髪の毛が散乱し
キッチンのシンクにはいつ使ったのか判断に迷うような食器が山積みで
トイレや洗面台には、管理されていない公園のような
よくわからないシミがこびりついていた

そのお兄さんが暮らす家
事前の掃除が大変だろうけど
同じ街に住むお姉さん夫婦もいるし
まあなんとでもなるだろうなと思っていたのだが・・・

現実は私の予想も、おそらく相手方の予想もはるかに超えていたようだ


ここからまた本題に戻る


矢継早にどうやって育てるつもりかと質問してくる元相手方
まったく訳がわからないが
相手の話を要約するとこうだ

ちょうどさっき実家に戻ったのだが
とても自分たちの荷物を入れられる状態ではなかった
引越しを頼んだJR貨物に問い合わせたところ
7日間は荷物を預かってもらえるから
その間にどうするかを決めなければならない

ついてはとても子供と生活できる状況ではないから
長男の面倒を見ることができるのかどうか
今すぐ結論を出せ

いやいや・・・
ちょっと・・・・
え?
どゆこと???

もう色々ツッコミどころが多すぎて
私も軽くパニック

ちょっと確認するから
一度電話を切って、10分後に掛け直してもいいかと問う私に

「 何を確認するんだ、この話は長男に聞かせたくないから
  外に出て電話をしている、すぐにもどらなきゃならないから
  10分も待てない 今すぐ長男を引き取るかどうか決めろ
  強いては、引き取ってどうやって育てるつもりか答えろ 」

そんな無茶苦茶な・・・
じゃあ3分だけ待ってくれといい
私は電話を切った

今こうして書いていて思ったが
本当に無茶苦茶だ
でもこれは実際に起こった出来事なのだ

続く





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