しあわせな家族のかたち

心の許せる友人に言われて、
はっと気がついたことがある。

僕は10年ほど勤めていた会社で、
そんなに大きな会社ではなかったけれども、
一生懸命働いて、役員と呼ばれる立場になっていた。

それなりに見栄えのする仕事で、
収入も過分なほどにもらえていたと思う。

ちょうど3番目の子供が生まれた直後に、
そこそこに見栄えのする戸建ての家を建てて、
近所のおじさんから、
「この辺りでは間違いなく1番の豪邸だね」
なんて褒められたのを真に受けて
いい気分になっていたこともあった。

ちょっと調子にのって、
イタリアのスポーツカーに乗ってみたり、
憧れのアメリカの車を家族用に買ってみたりもして、結局それは維持費がかかりすぎて
すぐに手放してしまったのだけれど、
とにかくちょっと 
「 俺は結構頑張ってるぜ 」
って思えるような生活だったのだと思う。

その頃は、あまり多くはない休みの日に、
家族と過ごした楽しい様子を Facebookにアップして、友人たちから「いいね」をもらうのが、ささやかな楽しみで、、、

ただこうして別居している状況を、
その友人に打ち明けた時に

「 Facebookで見てたら、
    幸せいっぱいって感じだったのにね 」

と言われて、

「あー、結局あれもただの見栄で 
  今で言うところのリア充っていうのだろうか
  家族を 映えるように見せていただけ、
  幸せそうに見えるように
  切り取った写真を載せていただけで、
  実のところあの時から孤独を感じていたのに、
  それを認めたくない自分に
  頑張っている自分に
  『これが求めていた幸せなんだぜ』
  って言い聞かせていただけなんだな
  とぼんやりしたアタマで考えた

結局もう何年も前から、
僕たち夫婦は壊れていたのに、
それに目を背けて、
『俺は頑張ってるんだから幸せだぜ』って、
自分に思い込ませていただけなんだなと

それに気がついてしまってからは
もう元に戻りたいと思うこともなくなった

僕のFacebookのページは
その時を最後に更新がピタリと止まっている・・・

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