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大人も手に取って読んでみよう。教科書についてのはなし

こんにちは。セカンド★スター運営メンバーのかわかみです。このnoteを開いてくださりありがとうございます。

セカンドスターのコラム執筆は2回目です。私は二つの仕事を持っており、前回はそのうちの一つを紹介させてもらいました。
https://note.com/second_star/n/nc1ea99affbc7

今回はもう一つのお仕事に関連し、教育についての話題です。
私は、教科書を発行する会社で、日々高校の教員と対話しながら営業活動をしています。

実は私個人もnoteを投稿しておりまして…...(最近停滞しておりますが)
その初投稿は、ドラマ「ドラゴン桜」でも話題になった「大学入学共通テスト」について、書きました。

https://note.com/mammy120/n/n90b46e1daac7

ここでは、私の商売道具「教科書」に的を絞って書いていきたいと思います。

教科書の定義

教科書の定義は「文部科学大臣の検定を経た児童又は生徒用図書」だそうです。厳密にいえば書店などで流通している「○○の教科書」と銘打っているものは該当しません。

教科書は、「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教育課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材」として位置付けられ、児童生徒が学習を進める上で重要な役割を果たしています。また、教育の機会均等を実質的に保障し、全国的な教育水準の維持向上を図るため、上記の各学校において、教科書を使用することが義務付けられています(文部科学省HPより)

「教育の機会均等を実質的に保障」され、日本国民である以上、家庭事情・地域格差に左右されず無償(高校の場合は有償で安価)で配布されているものです。海外にいる日本人も、日本領事館などで受け取り、日本在住の子どもと同等の本で学ぶことができます(義務教育の間)。教育を受ける権利が当たり前にあるなか家庭により教育観は様々ですが、法で定められた、一律で平等な唯一無二の書物が教科書だと言えるでしょう。

大人の目線で見る、学生のための学び

皆さんは、大人になってから「教科書」を読んだことありますか?
恥ずかしながら、私はこの仕事に就くまで、ただ知識が書き綴られる、面白くないことが書いてある本だと思っており、子どもが進級する時に真っ先に紐で括っていました。タダなのも思いがこめられない要因かもしれないですね…...

しかし、商売道具となるとそうはいかない!
もはや思い出せない理解不能な公式の並ぶ数学や理科、解読不能な英語の教科書…...その辺りはさっぱりだったのですが、中身を知るための向き合い方をして歩み寄ってみました。

すると、
捨ててしまった本を取り返したいくらい、教科書は面白いんだと気付きました。学生時代にこの本に出会い、隅から隅まで読んでいたら自分の人生変わったかも?と思えます。ある先生には「それはね、大人だから思うこと」と言われましたが。それほど、いろんな経験を積んできた今、学生時代の学びが貴重に思えます。羨ましい限りです。

現代の教科書はどんなものなのか?


「高校数学は実社会で役に立たない」と表現する人もよくいますが、「数学の学習を通して得た論理的な思考力や本質を判断する力が人生で力を発揮する」という視点で学びの意味付けがされています。学びが実生活に直結するかどうか?ではなく、思考力や判断力の栄養素とでも言いましょうか?
一冊の本なので、手に取る子どもたちの学習意欲を駆り立てるような表紙や紙面構成の工夫もされています。もちろん、好みはありますので100%とはいかないでしょうが…...

令和2年から順次始まり、令和4年高校入学者で完了する新学習指導要領における課程の本では、製紙や写真、印刷の技術向上により上質な紙に美しい写真が多く用いられ、動画やwebにアクセスする工夫もされています。この時代に生きる子どもたちが取り組みやすいよう、制作する大人が目線を合わせているような感じです。
ユニバーサルデザインが用いられ、特別支援教育、色覚特性や光反射などに配慮し、より多くの人が読みやすいよう、文字・デザイン・色使い・製本などにも工夫がされています。
編集者は、国の定めた難しい学習指導要領の言わんとすることをわかりやすく嚙み砕き、現場の子どもたちに届けたい、しかしながら検定をクリアしなくてはならない、いろんな思いを経て時間をかけて作成しています。


高校の物は、学校によっては卒業後に社会に出る層が読む本であったり、大学受験に向けて次のステップのための学びであったり、同じ教科でも目的が違います。そのため数種類発行されており、それぞれに未来を担う子どもたちへ、作成者は教育に携わる者としての大切なメッセージを書いています。

簡単に情報が手に入る時代

高校生の殆どが自分のスマホを持ち、他にもPCやタブレット端末も持っているのが当たり前の時代になりました。検索すれば、何でも情報は手に入ります。
その中で、学校教育が果たす役割は何か?教科書が果たす役割は何か?
きっと教育に携わる方は思われるのではないかなと思います。

ある先生が
「情報は検索して手に入れればいい。検索するためのキーワードも浮かばないようではそれすらできなく、そのためには知識がいる。これからは、知識を詰め込むのではなく身につける時代。教員も生徒が視野を広げつつ狭めていけるよう意識を変えないとね。そのためには共通のアイテムは必要なのよ」と仰っていました。
情報過多の荒波の中で生きる子どもが「自分らしさ」を見つけるための学びと言う解釈を私はしました。

おすすめの教科

もし、ここまで読んで教科書に興味を持っていただけて、家に小中高生がおられる環境ならば、お子さんの教科書を読んでみてはいかがでしょうか?ある教科の編集長さんも、「親が子どもの教科書を盗み見てハマッてしまう本」がコンセプトと言われていました。
子どもにとって、同じ学びを欲する大人の姿勢は学ぶ意欲につながります。

その時に私のおすすめの教科は、絶対的エースが「家庭科」で、次いで「技術」「情報」「地理」などです。家庭科は、自分が学んだ時代と主旨が全く違うことに衝撃を受け、我が息子には一生大切にしてほしい本だと感じました。家庭科=料理裁縫ではなく、これからの長い人生を見通すための自分らしい生き方を若い感性で考える本と言った作りです(高校家庭科・令和4年よりさらに変更予定)。
そして、これらいわゆる「副教科」は受験などに絡まないため、つい親も子どもの成績において軽視しがちですが(私がそうでした……)、この教科がよくできる子は学習意欲も高く総じて優秀と先生方も仰います。

未来を担う子どもたちのために

学校教育に関しては、色々な考えや意見があるとは思いますが、日本の子どもの殆どがそれを享受して大人になります。そのため子ども時代の多くの時間を費やしています。そう考えると、時間的な観点からも家計的な意味でも、これを活用し学力を身につけるのがコストパフォーマンスとしてはかなり優れているのではないでしょうか。私がこの仕事に就いた時、次男が高校生になったタイミングだったので、残念ながら我が子においては時すでに遅し感がありましたが、これからの未来を担う子どもたちに少しでも教科書の面白さが伝わり、せっかく与えられた物と時間を有効活用して、学んでもらえたらいいなと思います。

最後に

私事ではありますが、教育熱心だと言われてきたゆえにそれなりに情熱を注いで取り組んできた仕事について語りましたが、自分のステップアップを図るべく、現職を離れることになりました。
この仕事の集大成のように、私の今までの商売道具について紹介する機会を頂き大変光栄です。
次にコラムを書く際には、また全く違う話題をご紹介出来たらなと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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