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「鎌倉学び舎」通信

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学童保育施設「鎌倉学び舎」設立ストーリーから、子どもたちへの想い、日々のできごとまで、徒然なるままに綴ります。
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#古民家

「鎌倉学び舎」ができるまで⑤〜なぜ伝統文化のお稽古を取り入れたのか〜

今回は、 なぜ伝統文化のお稽古を取り入れたのか について綴りたいと思います。 近頃 大人になってから 日本の伝統文化を学びたいと 考える方が増えているそうです。 私もそうでした。 仕事に追われる日々の中で いかに心豊かな生活を送るか と考えたときに 「お花の活け方、学んでおけばよかったな」 と思ったり。 鎌倉のお寺で出された お抹茶の飲み方が心許なくて そわそわしてしまったり。 着物を着たときの 所作がわからず 焦ったり。 一方で、 こ

「鎌倉学び舎」ができるまで④〜なぜ「学童保育」なのか〜

今回は、なぜ「学童保育」なのか について綴ります。 これまでの記事の中で私は 「鎌倉の文化人と子どもたちが出会える場」 の構想について書いてきました。 この構想と「学童保育施設」をかけあわせたのが 「鎌倉学び舎」 なわけですが…。 私は前職の大学講師時代に、 児童館や学童保育施設に伺い、 研究を行っていました。 また、学生の実習巡回や 部活の顧問としての仕事の中でも さまざまな児童館や学童保育施設に 伺っていました。 その中で感じたことのひとつが

「鎌倉学び舎」ができるまで②〜再会〜

前回は学童保育施設「鎌倉学び舎」の アイディアが生まれるまでを 綴りました。 今回は、そのアイディアが どうやって実現に向けて動き出したのか について綴りたいと思います。 2015年。ひょんなことから それまでやっていなかった facebookを始めました。 そして それをきっかけに、久しぶりに 小中学校の同級生たちと 繋がりました。 その中に、鎌倉で三味線奏者をしている 友人がいました。 話をする中で、彼は 「三味線と教育」 について何かで

「鎌倉学び舎」ができるまで①〜はじまり〜

私は現在学童保育施設「鎌倉学び舎」を経営していますが、 昨年の3月までは大学で専任講師をしていました。 そんな私が「鎌倉学び舎」を構想し、実現し、 現在に至るまでの道のりを何回かに分けて 綴っていきたいと思います。 私は鎌倉生まれ、鎌倉育ち。 生まれてから今日まで1度も一人暮らしをしたことがありません。 つまり、大学へも鎌倉から通っていました。 当時の大学は片道2時間半。 「毎日遠足だね♡」と友人たちに半ば同情されながらも 4年間通い続けたのでした。 そ

古民家の魔法

  鎌倉山に小さな学童保育施設「鎌倉学び舎」があります。 100年近く大切に住み継がれた古民家が 子どもたちの放課後のおうち。 縁側の外では深く苔生した立派な枝振りの梅の木が 子どもたちの姿を見守っています。 お家の軒下にはリスの通り道があり、 磨りガラス越しにぼんやりと茶色いシルエットが通っていくと 子どもたちの「あっ!リス!」 という嬉しそうな声が響きます。 木と紙と土と…というように、 自然素材でできた 昔ながらの日本家屋の造りですが、 子ども