蕎麦屋

昭和の頃から在りそうな蕎麦屋にて。甘い濃い味のつゆに食べるにつれブツブツと切れてしまう蕎麦。半ライスカレーのルーは小麦粉とカレー粉を調合した正しく蕎麦屋のライスカレーで。

料理と共に美容室よろしく出された月遅れの女性雑誌の見出しには「年末ジャンボ10億当たる招福!ピンク眉の描き方」「健康ビックリニュース!干し柿で腸捻転」

すべてがもう久しぶりにしっくり来た。

しゃれのめした店内をモノトーンのユニフォームで提供されるニューウェーブなモダン蕎麦ショップでもなく、創業◯◯年のとてつもなく美味しいのだが店外に並ぶ入店待ちの客が気になってちょっと寛げない老舗店でもなく。

いっそ悲しくなるくらいサービス旺盛な女性店員が自分のとろろ蕎麦の注文に答えられなかった非礼を詫び(最近、とろろ芋が高くてなかなか入ってこなくて〜云々)お詫びらしく今川焼一切れを出してくれたチャンスに「こちらのお店はいつからあるんですか?」と聞くと高いトーンそのままに素っ気もなく「分かりませんね〜」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?