齧歯類トリオの種あかし(2/3)
友人と会った時に「世武日記読んでるよ〜!」と言われるとかなり嬉しい。かなり嬉しいので照れてしまい、おちょぼ口気味の私の口がいよいよ梅干しみたいになり「あ、ありがとう」ともじもじした声を出す。
私→友人の好き度と、友人→私の好き度は絶対に比べものにならないはずと決めつけている節があり、逆を言えばそれほどに私は「この人が好き!」と思った友人をめちゃくちゃ好きで、若干キモいとのお言葉もよく頂く。
(全く気にならないお言葉なので、いつもスルー)
一方で自分が好かれているのかどうか、はっきり言葉で言われないと気づけない。更に、仮に言われたとしても「私のことを好きとは変わってる。何で?」となってしまって堂々巡り(言わずもがな、嬉しいのだが)
長らく皆んなもそういう摩訶不思議を生きているのだろうと思ってきたら、案外"普通"はそうではないらしいと随分大人になってから知った。何にもならない事に延々と思考を巡らせているのは退屈しているのか、退屈を恐れているのか。
顔も名前も知らない人、自分が大して興味のない相手からだったら気にならないが、好きな人たちからは好かれていないと本当にきつい。彼/彼女らに、自分の発言や行動がよくないと感じたら忌憚なき意見が欲しい、必ずきちんと聞くから、と口癖のように言っているのもそのためだが、彼/彼女らから見限られないかどうかは、私が人として逸脱していないかどうかの重要な基準となっている。
日記開始以来、こんなにもまとまらない話になってきたので本題に戻すと、今日は友人宅でのランチにお呼ばれした。(という話なんです、まさかの...笑)
大好きな二人の大好きな空間。そして大好きなギリシャ風サラダと手作りパイ!パイはお土産にも持たせてくれた。私をあと二日くらい幸せにする気らしい。この人たちを嫌いになれる人が地球上に存在するなら顔が見てみたいくらいええやつらである。
作り方を教わりたかったクラッカーは、ハムスターフェイス(通称・ハムフェ)の私が大の好物としている逸品。ひまわり、かぼちゃ、亜麻仁の種を練り込んだもので、シンプルなところが良い。小生の逞しい頬っぺの成長を見て頂ければ明白だが、"私の趣味は歯応えです"と言っても間違いのないほど歯応え界隈の熱望を叶えている。早速、オンラインで必要素材を注文した。
お昼頃遊びに行ったのに、喋っていたら18時を回っていた。あらゆる種をまぜまぜしたからか、ハムスターの回し車よろしく我々も饒舌に回り続けていたらしい。
よく考えたら、二人も齧歯類フェイスではないか。やはり食生活と顔つきは無関係ではないと思えてしまう。
「20時までにピアノの練習したいから帰るね!」と突然全てをぶった斬って帰る支度を。あのセリフ、小学生みたいだったよな、と自転車を漕ぎながら微笑ましさが込み上げた。
夜遅めのディナーが定番の爺から「クィーンのお手製恵方巻きを頬張りました」と、これまた ほお張り日報が届いた。惚気なのか食レポなのか知らないが、実の息子や娘に「年寄りの自撮り写真なんて要らない」と断られたそうだ。それでも何かを伝えたかったのか、私にも同じものを送ってきたという流れらしい。その熱量を真摯に受け止めて、今日のトップ画像に使用させて頂いた。
Anyway, 節分という国民的イベントも相変わらず失念して種ばかりを追いかけていたら、縁起をほお張り忘れたようだ。仕方がない。いつもより多く練習して、逃した縁起を努力でカバーしようではないか。