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エリック・セラ大先生からの一目惚れ!(3/27)

本日放送「THE 安仁屋算」の様子を微笑ましく眺めながらビルボード東京へ到着した。なかなかの良席でエリック・セラの登場を待っている。その昔、初めて『グランブルー』を観た時のエリック・セラ大先生のサウンドトラックに憧れて、その後も『ニキータ』『レオン』『フィフス・エレメント』など、スクリーンやDVDなどで何度も観て、サントラ聴き込んで、思春期の私には眩しいヒーローのひとりだ。007の音楽を担当するまで登り詰めたのだから(007シリーズもラジオの特番に呼ばれるほど大好き!)やっぱりカッコいいのである。

自分もかつてライブをさせて頂いたことのあるビルボードさん。Blue Note および Blue Note Placeさん含めて自分が演じる側の時もあるので大変言い難い話だが、私は飲食を楽しみながら音楽を聴くなんて絶対に避けたい(音楽だけに全てを注ぎたい)タイプのクラシック上がりの典型なので、粛々と、絶対に誰にも話しかけられないようにバリアを張り、読書したり居眠りしながら開演を待つ。今年は幸運なことに日記があるので、こうして開演前の時間を利用して下書きをしているのである。

私の育ってきた過去〜超入門編〜は一昨日の日記にてふんわり確認頂けたかと思うが、音楽のみならず、野球も買い物もハイキングも、誰かと楽しむという感覚に乏しいため、自分から人を誘うことも滅多になく大抵一人行動をしている。
そして、行った先で知らない人から話しかけられることもなるべくないよう、終始俯いておばけのQちゃんみたいにキュッと口を閉じている。

道端やスーパーや交差点で頻繁におばあちゃんやおじいちゃんに話しかけられたり、子供にちょっかいだされたり、子犬に格下に見られて飛びつかれたりと、普段は親しみやすい庶民として稼働している私だが、こういう時は鋭い目つきで威嚇する側であることを意識する。

話を少し戻して、なんなら「一緒に行こう!」「私も行きたい!」などと言われることも想定されるので、ライブなどに行くこと自体もその瞬間まで黙っていたりする。「こいつ、とんでもない根暗か病気なのか?」とのご心配は相変わらず無用で、これが通常運転であり、人と楽しむ時間は別途設けております♡
人と楽しむ時間には存分に他者との戯れを楽しめているので、こう見えて色んなアクティビティーを謳歌している。

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さて、ここからはライブ鑑賞後の私が担当させて頂く。ライブ前のどうでもいい一人行動に関してのあまりに陳腐な文章は、全部ただちに忘れて頂こう。

エリック・セラ大先生は神々しく、どの曲もテーマに触れながらも基本はセッションといった形で、当のセラ大先生は終始ベース(彼がベーシストなのを恥ずかしながら今日知った)を持って、鬼のルート弾きをしながらサンバ担当みたいになっていたのが楽しかった。仮にハッピースラィリーが乱入したとしても、何ら不思議もなかっただろう。

全体的にはフュージョン色の強い楽曲とバンドで、世の中の流行りなどは完全無視なところ、お客さんなんて全然関係ないみたいなところが、音楽家の本来あるべき姿のようで心地良かった。
また、日本国内のミュージシャンたちの演奏ではなかなか観られない演奏は、存分にヨーロッパの雰囲気を漂わせていた。

これは優劣の話ではない。スポーツほどではないにせよ、音楽(特に演奏)はその人の体格(肉体)に大きく依存するもの。だからこの場合、決して無闇やたらと主語を大きくしているのではなく、言葉通りの違いを感じたという話だ。

特にドラムの点の置き方とか打ち方、音色、そこに乗せるパーカッションのヒットスピードとボリューム、鍵盤のストロークなど「打」の人たちは、より明確に肉体の違いが出る。サックス、ベース、ギターなどはどちらかというと、教育システムや文化的背景の影響を大きく感じる。

個人的には、二曲目に演奏された『ニキータ』インスパイア曲のソプラノサックスのソロのあまりの美しさに、最初のブレスから涙が出てくる大事件に遭遇した。
私は普段泣くことが本当にない。ましてや音楽を聴いて泣くことなど皆無に近い。今宵はあまりに衝撃的な体験だったため、ニキータ以降、公演中はずっと彼の虜になり、公演前の下書きで書いた駄文の時とは全く違う理由で、鋭い目つきで威嚇するように食い入り観ていた。

その人はエミール・パリジャンという方で、終演後にネットで検索すると同級生だった。

「人を自分から好きになってみたい」なんて生まれて初めて自発的に思って、おおよそ全員が学生時代にとっくに消化した気持ちを恥ずかしげもなく世界に告白した矢先、こんな恋に落ちるようにハッとさせられる日が訪れるなんて流石に出来過ぎだよ。わっはっは!自分の意識改革からしか何も始まらないことを象徴している。

VISAの準備から申請まで、いや、申請してからでさえ大好きな広島に後ろ髪を引かれまくって悲しみを抱えていた私だったが、数時間前から「なんとしてでもフランスのVISAが欲しい!私は絶対にパリに住むべきだ!」と急に本気スイッチが入ってしまった。(まあ、本気スイッチ入れたところで、決めるのはフランス本国および大使館ですが)

ひとまず、彼に吹いてもらうための曲を書いて、パリに住み、この人を絶対に見つけ出すという目標が定まった。こうなってしまったら爆裂行動派の私なので、どんな曲を書こうかという楽しみにあらゆることが一気に吹っ飛び、夢中で意気揚々と家路に着くのである。

ああ、私ももっともっと腕を上げたい。
人生が楽しくって仕方がないね!

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