見出し画像

ロックの冒険(23)

僕の名前は「ロック」。イソヒヨドリだよ。
森を目指してハシボソガラスのクロウと旅をすることにしたのさ。

グロスビーたちイカルとロック・クロウが争っている中に、一羽の鳥が飛んできた。
「シュラーだ!」ロックが叫んだ。
モズのシュラーが猛スピードでグロスビーたちに突進してきた。
「キーッ!」と叫びながら、シュラーがグロスビーに体当たりした。
グロスビーが体勢を崩して下に落ちていった。
「ロック、大丈夫か?」
「ありがとう、シュラー助かったよ。」
「オレたちモズはな、小さな猛禽類と言われているんだ。イカルになんか負けないぜ。」
下に落ちたグロスビーと、その仲間たちは森の西の方へ逃げていった。
「まぁ、これでオレもミニベットからみたら裏切り者ってことだな。もし捕まったら殺されるな。」
「シュラー、大丈夫なのか?」今度はクロウが聞いた。
「もういい加減、ミニベットからも自由になりたくてな。オレもフクロウのローリーから魔法を解く方法を聞いてミニベットを倒したくなったのさ。」
ロック、クロウとシュラーは、グロスビーから奪った陣地から一緒にローリーを探すことにした。
「まぁフクロウは夜に活動するから、まぁ夜まで待とうぜ。」
3人がしばらくじっとしていると、遠くからまだら模様の小さな鳥が群れになって近づいてきた。
「まずい、あいつらはバリドと言って、ミニベットの手下のヤマガラたちだ。」シュラーが言った。
「ヤマガラは小さいから僕らは勝てるよ。」
「いやお前たちはバリドたちの怖さを知らない。いいか、あいつらが近づいたら絶対にあいつらを見るな。」
ロックとクロウは、キョトンとした。
「なんで?」
「バリドは、ヤマガラのあの模様、黒と白と橙色になっているだろ?あいつらは群れになって、体を揺らす。そしたらあの3種類の色が目の前でかげろうのようにゆらゆら揺れて、それを見た鳥は眠りに落ちてしまうんだ。」
「催眠術みたいなもの?」
「そうだ。眠ったが最後、ミニベットのところに連れて行かれる。」
「じゃあ、どうすればいいんだ?」クロウがシュラーに聞いた。
「ああ、目をつぶるのさ。」
「目をつぶる?」
「そう、目をつぶったまま戦って、あいつらを追っ払うんだ。」
バリドたちは3人を取り囲んだ。
「いいか、目をつぶれ!」シュラーが叫んだ。
ヤマガラの集団のバリドは体を揺らしはじめた。
「やつらの気配を感じたら、その気配と戦って追っ払うんだ。いいな!」
3人は目を閉じたまま息を殺した。バリドがどんどんロックたちに近づいてくる気配が感じられた。

(次回に続く)

#小説 #冒険小説 #野鳥

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?