自分の原点を振り返る:25年目のクラウドファンディングと海外向けオンラインショップ
今日は「6%DOKIDOKI」についてお話をしたいと思います。
自分が6%DOKIDOKIというショップをやっているのを知らない人もいるかもなので、改めてご紹介すると…
6%DOKIDOKIは、1995年に原宿の雑居ビルの奥の3Fにオープンした小さなお店です。(今年で25年目!)今は原宿の違う場所に立っています。
もともとお店っていっても、ビジネスをするって頭はなく、自分の友人知人が集まれる「場」を作って、自分はアートや演劇活動の傍ら、ちょっと食べていければいいやってくらいの感覚でした。
が、しかし、お店を経営するっていうのは、考えていたよりも甘くはなく、月に売上2,000円なんて時もあって、閉店後にさらにバイトしなきゃいけなくなったりして、本来やりたかったアートや演劇は全くできず本末転倒の日々でした。
(オープン当初の店内)
ならば、ここでやれることで表現活動していこうと、当時、強烈に影響を受けたアメリカ西海岸のアートやレイヴ・カルチャー、それと日本のヘンテコなモノ、モンドなモノ、おもちゃ、ファッション、雑貨、アート、もうホントごちゃ混ぜにして、お店に並べていったのでした。
90年代当時は、キッチュ系、バカ系なんて呼ばれ方もされて(この呼称に自分としては傷ついていたのだけれど…)、同じ裏原宿の某ブランドからは出禁にされていたり(店員どうしは隠れて通っていたけどね。)、何かとハミ出しもの扱い。
だけど、そんなセオリー無視のショップは、次第に同世代の若い子たちに受け入れられて、若手のインディーズのデザイナーやアーティストが集まるようになって、だんだん、この場所から好きなことができるようになっていきました。
その後も、ネットの普及により、SNSでさらにその輪は世界に広がり、きゃりーちゃんや海外アーティストから原宿のアイコンが出たりして、今では世界中にコミュニティを持っています…。
6%DOKIDOKIワールドツアー(2010)
6%DOKIDOKI原宿店ショップスタッフ(2017)
6%DOKIDOKカナダツアー(2019)
しかし、それも ずっと順調に今に至ったわけではなくって、ショップなんて、時代の流れで良い時も悪い時もあるもの。悪い時はもちろん自分の財布から持ち出して店を続けています。
それでも今回の緊急事態宣言はなかなかのダメージです。
単純に考えても、家賃・人件費の固定費だけでドカッとのしかかってくるし、アートディレクターのお仕事も吹っ飛んでしまったりで、補填もできない。どんなにやりくりしても、このまま指をくわえていたら、夏までが良いところ。
そこで、これを機会に、前から考えていたことを実行しました。
一つには、グローバルに各国通貨で直接販売できる通販サイトにアップデートすること。早速、オープンしてたった1週間で54か国からアクセスされ、アメリカ、ヨーロッパ、中東……と世界中から『ついに6%DOKIDOKIの商品を買えた!』と喜びの声が届いています。
もう一つには、原宿のショップを木金土日の週末限定のみの営業にすること。
前々からリアルショップの存在意義を考えていて、いっそなくしてしまおうかと考えたこともありましたが、いくらネットが便利だからって、全てネットで完結するとは思えない。
やはり、フェイストゥフェイスできる「場」が必要だと思うんですよね。
なので、ショップは、原宿という”舞台”に実際にあることが重要なので、そう長くはないかもしれないけど力尽きるまでは続けます。
そんな思いで、6%DOKIDOKIのリアル店舗を存続させるためにクラウド・ファンディングも実施しました。
皆さんのあまりに熱いメッセージを読んで嬉しいとともに、とてもびっくりしたのも正直なところ。だって、皆さんの人生のいち時代のいち部分を6%DOKIDOKIが占めていたっていうのを、大人になって改めて書いてくれている人がたくさんいて、それって、まるでショップでなくてバンドみたいじゃないかって。
ガジェット通信さんが記事にしてくれました。(ライターのふじいさんに感謝!)
そんな後押しもあって、6月から実店舗の営業は再開し、少しずつお客さんも戻ってきてくれています。まだもう少し、頑張ってみようと思います。
そして6%DOKIDOKIのオンラインショップだけではなく、こんな時だからこそ繋がれる世界の子たちと一緒に新たな「アクション」も考えています。
来月はそんなお話をお届けします。楽しみにしていてください。
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