重いコンダラ

幼いころ若いころに学校とか大人から教わったことって当時はほとんどわかってないと思う。「そういうものなんだ」っていう。自分の物分かりが悪かったのか、教え方が悪かったのか。20代後半辺りから少しずつ分かり始めた。それは人より遅いのか早いのかわからないけど。
とはいえ、今までの人生で聞いたことがない、でも古くからあるらしい言葉ってちょくちょく初見する。

かくいうELTのボーカルも、Time goes byを歌っていた当時、歌詞の意味を理解していなかったとかどこかで見かけた。そこがシンガーソングライターか否かの違いが出るところなのだろう。

詩人が言葉に込めた意味をついに知ることは無い。それはわりとあるあるなのだ。
ボーカルですらわかっていなかったりする。
演者は脚本家の意図を100%理解した上で演じるとは限らない。もちろん役作りの努力はするだろうけども。エヴァンゲリオンはミサトさんだけ「エバー」呼びが定着してしまった。逆に演者の方が脚本へフィードバックするケースもある、監督側がそれを許容したり良しとしたりもする。むしろ役者の特性を理解した上で脚本を書いたり収録に臨んだりする。役が先か役者が先か。

INTERNET YAMERO や INTERNET OVERDOSE は、様々な元ネタのオマージュや意図がちりばめられているに違い無いのだが、そんなことは何も知らず、わからないまま、ナウなヤングたちはただかわいらしさやフィーリング、ノリ、流行りだけで歌ったり踊ったりする。そういうものなんだとは思う。

87万本も売れているのだから流行と言って差し支えなさすぎるだろう。

それに対してお前らナウなヤングは何もわかってない!!!!この歌詞はこういう元ネタが!!あって!!!などとブチギレニキが現れるのもまた世の常なのだ。
クリエイターあるあると思うんですが、世に一度出してしまった作品は、自分が意図した通りの、期待する通りの受け取られ方をするとは限らないんですよね。全然限らない。このとき作者の気持ちを答えよ問題みたいな。表現の自由なので、受け取った側がどういう反応をするかという表現もまた自由が保障されるのだから。
世に出した時点で様々な解釈をされ、まるで自分のものでなくなった、共有物のような感覚になる。それを怖がっていたら創作物ビジネスなんてやっていけないでしょう。他者の解釈に穢されるのがいやなら発表しないでおくしかないでしょう。

かくいうこの文章自体も私の心の所感を、エモを、正確に伝達できるかわからない。1/3も伝わらないのだろう。いうて3割も伝われば上等なんですが。3割打者ってエースだし。