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第3回 選挙と学校施設

第3回は、選挙と学校施設としてみました。学校施設のことについては、今回で一段落としたいかなと思っています。
さて、本題に入る前に前回もやもやした上田市立学校施設の開放に関する条例ですが、

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上田市立学校施設の開放に関する条例

https://www.city.ueda.nagano.jp/contents/reiki/reiki_int/reiki_honbun/r360RG00000270.html

 (使用料)
第7条 学校施設の開放を行う施設の使用料は、無料とする。
2 学校施設の附属器具、冷暖房器具及び電灯を利用する者は、別表に定める使用料を利用許可の際納付しなければならない。ただし、市長が特別の理由があると認めるときは、別に徴収することができる。

別表(第7条関係)
1 附属器具使用料
市長が定める額

2 冷暖房使用料
市長が別に定める実費相当額

3 電灯使用料
市長が別に定める実費相当額

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うーん、見事に「市長が(別に)定める」になっていますね。
本体の使用料ではありませんし、今回の直接の話題ではないので、詳しい掘り下げは譲りますが、地方自治法第228条第1項の解説をもう一度熟読してみたいと思います。

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さて、今回の本題。

前回の記事を書いている中で、「各務原市立学校の施設設備の利用に関する規則」というものがあることがわかりました。

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各務原市立学校の施設設備の利用に関する規則

http://www2.city.kakamigahara.lg.jp/reiki_int/reiki_honbun/i314RG00000357.html

第2条 学校の施設設備は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、学校が学校教育の目的に使用する以外に利用することができる。ただし、第1号を除いては学校教育に支障のない場合に限る。
 (1) 災害救助法(昭和22年法律第118号)第23条の2若しくは第26条により大臣又は知事が収用する場合
 (2) 公職選挙法(昭和25年法律第100号)第39条、第63条及び第161条の規定により投票所、開票所又は公営施設使用の個人演説会場として使用する場合
 (3) 社会教育法(昭和24年法律第207号)第43条から第48条までの規定により社会教育に利用する場合
 (4) 地方公共団体が利用する場合
 (5) 校長の同意を得て使用する場合
第3条 前条の規定に基づいて学校の施設設備を利用しようとする場合は、教育委員会の許可若しくは同意を得なければならない。
第4条 教育委員会は、前条による許可又は同意をする場合は、その学校の校長の意見を聴かなければならない。

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これ、第1号の条文の引用がおかしい(第5条と第9条?)とか、災害救助法の収用の際に果たして第3条の許可・同意が必要なのかとかいろいろ首をかしげるところはありますが、今回の話題は第2号の規定です。

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公職選挙法
 (投票所)
第三十九条 投票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
 (開票所の設置)
第六十三条 開票所は、市役所、町村役場又は市町村の選挙管理委員会の指定した場所に設ける。
 (公営施設使用の個人演説会等)
第百六十一条 公職の候補者(衆議院比例代表選出議員の選挙における候補者で当該選挙と同時に行われる衆議院小選挙区選出議員の選挙における候補者である者以外のもの並びに参議院比例代表選出議員の選挙における候補者たる参議院名簿登載者で第八十六条の三第一項後段の規定により優先的に当選人となるべき候補者としてその氏名及び当選人となるべき順位が参議院名簿に記載されているものを除く。次条から第百六十四条の三までにおいて同じ。)、候補者届出政党及び衆議院名簿届出政党等は、次に掲げる施設(候補者届出政党にあつてはその届け出た候補者に係る選挙区を包括する都道府県の区域内にあるもの、衆議院名簿届出政党等にあつてはその届け出た衆議院名簿に係る選挙区の区域内にあるものに限る。)を使用して、個人演説会、政党演説会又は政党等演説会を開催することができる。
 一 学校及び公民館(社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第二十一条に規定する公民館をいう。)
 二 地方公共団体の管理に属する公会堂
 三 前二号のほか、市町村の選挙管理委員会の指定する施設
2 前項の施設については、政令の定めるところにより、その管理者において、必要な設備をしなければならない。
3 市町村の選挙管理委員会は、第一項第三号の施設の指定をしたときは、直ちに、都道府県の選挙管理委員会に、報告しなければならない。
4 前項の報告があつたときは、都道府県の選挙管理委員会は、その旨を告示しなければならない。

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いずれも、選挙管理委員会が「指定する」施設なので、基本的に施設利用に際して何らかの協議が整っていれば、規則等で定めることは不要なのではないかなとも思いますが、何らかの事情があったのでしょう。
また、中野区では、次のような教育委員会規則があります。

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公職選挙法に基づく選挙執行に関する中野区立学校設備使用規則

https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/reiki/reiki_honbun/q600RG00000009.html

 (投票所等の使用)
第3条 中野区選挙管理委員会は、公職選挙法第14章の3に規定する政談演説会、同法第39条の投票所その他選挙に関し学校設備を使用しようとするときは、あらかじめ中野区教育委員会(以下「委員会」という。)に協議するものとする。
 (個人演説会等の使用)
第4条 公職選挙法第161条の個人演説会等における学校設備の使用は、次の各号に掲げるところによるものとする。
 (1) 使用者は、午前9時以前又は午後10時をこえて使用することができない。
 (2) 使用者は、使用に際して、委員会の指示を遵守しなければならない。

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「政談演説会」というのが出てきました。

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公職選挙法
第十四章の三 政党その他の政治団体等の選挙における政治活動
(条文の引用は省略します。読みにくいですが、読みこなせない内容ではないと思います。)

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私は以前、期日前・不在者の総括はしていたことがありますが、選挙管理委員会事務局を本務として発令されたことはありませんので、選挙事務について詳しいことはわかりません。あくまで施設利用という点から眺めているだけですのでご了承ください。
いずれにしても、最近個人演説会などを学校施設で行う例は格段に少なくなったのではないかなと思いますので、適用される例はそれほどないのかな、とは思いますが、そういうときのために規定をしておくという側面もあるのかな、とぼんやり思った次第です。

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