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ゾンビウイルスが発生する5日前ー第1話

もし7日後にゾンビウイルスが爆発するってことを、しかも世界中で僕だけが知っていたなら、話は相当ヤバい!っていうか、信じられないだろう?

ある朝目が覚めたらね、ゾンビウイルスが爆発するちょうど7日前に戻っていて、これが夢なのかどうか分からないんだ。でもさ、不思議なのは偶然にも今日ったら、宝くじ当選者がなんと44億8000万円を手にすることになるんだよ。それと、火山も噴火する。まさかと思っていたら、夜ニュースになっていてもうビックリ! てことはやっぱり、これは夢じゃなく、本当に蘇れちゃったんだよ。

前世では、ゾンビウイルスの爆発が映画よりもぶっ飛んでて、あっという間に全てが崩壊。僕だって部屋に籠って餓死しちゃったんだもん。もう1回蘇る保証なんてないから、今世は違うさ。ゾンビウイルスの爆発まであと7日。一刻も無駄にできないんだ!

とにかく、すぐにその宝くじ屋さんに行って、44億8000万円のことは考えもしないけど、一山当てようとしたんだ。だけどさ、前世の仲のいい友達が偶然にも1800万円に当選してシャーッと自慢してきたことがあってさ、番号まで覚えてたの。結果はどうであれチャレンジしたくて、その番号で購入したんだ!

抽選の合間に、急いで両親に電話したさ。で、今度の父の日、父さんと母さんを僕のところに招待しようって思ったんだよ。前世では通信があっという間に切れて、父さんの消息もそうそう掴みきれなかったから。今度は違う。温かい土産物や漬物、干し肉、たくさん持ってきてくれって頼んだよ。そしたらね、母さんが驚いちゃったよ。だって毎回そんなの持ってきて、僕に文句言われてたもんね。まぁ、旨いものは食べたいし、何かしなきゃ落ち着かない。

メモアプリにはやりたいことを全部リストアップして、準備の計画を立てたよ。Tiktokerとして、普段家から働いてていろいろ撮影してるけど、一ヶ月で数十万円稼げるから、運用に問題なかったんだよ。郊外にある広い複層メゾネットを買って寒いことここで穴蔵生活考えて外れじゃなかったの。銀行の残高を見て、メゾネットを買った後もまだ1000万円が残っていたのは本当にラッキーだったよ。当時、家を購入する際に首付けで数百万円だけで済ませた自分の決断を今ほど感謝したことはないね。だって、ゾンビウイルスの爆発以降、物価の大暴落で不動産なんて何の価値もなくなるだろうから。

でね、その宝くじの運はまぐれじゃなかった!当てた1800万円と合わせて、計2800万円になったんだ。次にお母さんとお父さんが来たら、彼らに言わないと。彼らを説得して、貯金と年金で合計約2200万円にするのが目標なんだ。これらの5000万円を手元に持っている7日間で全て使い切って、種々の物資に変えなくちゃならないんだ!

家の改装が第一。門や窓はすでに心もとないアルミ製だなんてアウトだよね。チタン合金にして全部溶接しちゃえ!ゾンビどもが屋上まで登ってくるなんてシナリオも。そこで埋め込んだトード饅頭付きの防護カバー付きの窓!破られる前に対処だ!

そして、末日にはやっぱり人間の心も信用できないってわけで、外から中に入ってこようとする他の人々にも貴重なしれなく保証されちゃいけない。五メートル厚さの錬成金属ガチガチドア?いいじゃん、500万円分使っちゃえ。弾丸だろうと、相当大型の爆発物だろうと安心さ!
さて、次は生活用品の調達だ。これこそが本命さ。ちょうど近くに大型倉庫型のスーパー、メトロがあるから、今までの買い物カートだと絶対に間に合わない。だから、今回はドカンと5台の大型トラックをレンタルした。その費用も合わせて一台約6万円だ。

まず向かったのは冷凍食品エリア。冷凍餃子や肉まん、ステーキ、ブランドなんか気にせずに50袋ずつ。次に見つけたのは即席系のご飯と鍋。それぞれ100箱ずつ、それぞれに12食入りだ。そしてカップラーメンは各種類50箱ずつ、それぞれに10食分。飲料は拘らず、もっぱらミネラルウォーター。砂糖入りの炭酸飲料なんて役にも立たない。バカバカ取れてきちゃうけど、水は必要。これだけでトラック3台を一杯にしたよ。

そして、トラックに「災害援助物資」と書いたバナーを掛けたら、人々は納得してくれるさ。運転手には先に家に戻るように頼み、その後は肉類エリアへ。

肉じゃ重さじゃなくて量で攻める。牛は1頭あたり20万円、20頭分?思い切って400万円。惜しくもないさ。他の肉類に比べてゾンビの爆発後は価格が急騰、1キロだけでも金塊並だもん。

鶏肉、豚肉、鴨肉、この辺りもたっぷり3台分仕入れる。米だって1袋30キロ、それを100袋。価格は20万円だった。でも家族3人で一日1.5キロずつ計算すると、これは約27年分以上食べられる。そして、小麦粉50袋(25キロで2万円/袋)も。時には違った味を楽しむため、うどんや餃子、バケットなど色んな料理に使えるはず。じゃが芋、白菜のように安価で長持ちするものも5トンずつ仕入れたよ。

でも、電力も忘れてはいけない。ゾンビ大爆発後5日以内に全国停電することを知っている。暗闇の夜は死神の時間。だから、発電機は1台10万円だが、壊れる可能性を考えて5台購入した。充電器もひとつじゃ役立たず。工場直送で約100万ボルトの充電しボックスコンテナも仕入れたんだ。これなら安心さ!

家に戻ると、両親が既に来ていて、僕があんなに大量の物資を買ったのを見てびっくりしていた。最初は「学校の備蓄物資」と嘘をつくつもりだったんだけど、どうせそのうちバレることだし、思い切って真実を話すことにしたんだ。僕がゾンビの世界で餓死した話を聞いた途端、両親は驚きつつも信じてくれて、さらに感極まって泣き出してしまったよ。特に、校長でもある父さんはその同情心と抜群の統率力を発揮してくれたんだ。

父さん曰く、「即席食品や大量の肉を保存するには、大きな冷凍庫が必要だろう。」そこで、僕が住んでいるマンションの屋上が一応広くて、秘かに僕が使っていたことを思い出し、その広さ(約80平米)を利用して大きな冷凍庫を作ることになったんだ。

さらに、ゾンビ騒動が現実化したときに、屋上に閉じこめられてしまうリスクを考慮して、父さんのつてで5つのパラシュートを用意してもらった。食料保存のアイデアを出したのは意外にも母さんで、鶏を養うのも考えたんだけど、「鶏は騒ぎを起こしやすいし、世話も大変」ということで、結局育てるのは却下されちゃった。その結果、魚を養うことに決定。ちょうど箱の上に100平米の飼育池を設置することにしたんだ。雨が降れば、雨水も使えるしね。

さて、僕はネットの人気Tiktokerだから、これらの冷蔵倉庫や飼育池の設置過程を全て動画にしてライブ配信!これは、みんなに間接的に警告を発するチャンスだ。プライバシーを守るだけで、誰も僕に指摘できないし、知名度も上がって得する一石二鳥さ!その夜、突然ドアを叩く激しい音で目が覚めた。何かヤバいことが起こる予感がする…!

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