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身体と精神がストップをかけても「私は元気!大丈夫!」と頭だけが先行していた【野生化ビフォー・アフター|中野あゆみさんの場合】(中編)

身体のポテンシャルを解放していくには、順番が重要である。

あゆみさんは、身を持ってそれを証明してくださった。

「慢性的なだるさから脱却して、常にパワーがみなぎる状態で生きたい」と語る彼女がどんな状況にいたかは、前の投稿で紹介した通りだ。

その状況下で、どんなアプローチをしていったのか?今日はそのことを紹介したい。

特に興味深いのは、最も効果的だと思われた「運動習慣」には取り組まなかったことである。最も効果的といいながら、なぜ取り組まなかったのか。

また、

・身体の声が聞こえなくなっている人
・疲れすぎてて何からはじめていいのかわからない人

にとっても参考になると思われる。

奥が深かった「鑑定師」という仕事

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ー 受講前はどういう状態でしたか?

電話鑑定という仕事にストレスを抱え、頭と身体が分離している状態

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電話鑑定というお仕事はぼくもはじめて知ったのだが、

・いつ電話がかかってくるかわからない状態でずっと自宅待機
・相手に寄り添って共感している状態で、相手の不安や悲しみ、怒りを一身に受ける
・一日が終わる頃には、自分のものでないネガティブな感情と情報が、頭と身体の中にたくさん残っている

それが毎日続く。かなりハードモードなお仕事である。

大変失礼ながら、ぼくにとっての「鑑定師」のイメージは、ショッピングモールの片隅、または路上に机を構え、その上に「占いします」とだけ書かれた紙を立てて、ぼーっと遠くを眺めている。そんなイメージしかなかった。要するに、鑑定のことも鑑定師のこともほとんど知らなかった。

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ところが、あゆみさん自身はこの鑑定・占いという道において、中堅といえるくらいの先生である。数千人を超えるお客さまの鑑定をしてきて、お客さまのことも鑑定師のことも業界のことも知り尽くしている。

そんなあゆみさんから聞く鑑定師の仕事論は非常に興味深かった。

(以下、あゆみさんから聞いたことをぼくの言葉で翻訳している)

生年月日なのか、手相なのか、カードなのか。手法は多岐にわたるにせよ共通することがある。それは「鑑定」というツールを使って、どのようにして目の前のお客さまを幸せや課題解決へと導くかという視点である。鑑定の結果をそのまま伝えるのは、三流の鑑定師のやることなのだ。

まず、鑑定を受けにきている時点で、お客さまには何かしらの不安・不満、または期待している未来がある。それを理解する。さらに本人も気づいていない潜在的なニーズも汲みとる。こうしてお客さまの現状を把握する。

次に、鑑定を行うことで、この先に待つ未来をみる。当然ながら、鑑定結果は抽象度が高いので、鑑定師によって解釈の余地が大きく違ってくる。この鑑定結果を、お客さまのニーズに沿う形で、でも本当の意味でお客さま自身のためになるよう解釈を加えながら伝え、導いていく。

なにより、それをしている鑑定師自身が、お客さまの中に素晴らしい未来を見出し、確信する。その波が伝わる。

こういうことだそうだ。

え、なにそれ。

すごい。

全然知らなかった。

たしかに、あゆみさんのキラキラ女神パワーを浴びながら、自分の未来はこんなにも輝いているという確信を感じることができるとしたら、それはどんなに素晴らしい体験だろうか。

実際、あゆみさん自身も鑑定を心から楽しんでいる。

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対面での鑑定は本当に楽しく、お客様の悩みが解決され、体温が上がっていくのを側で感じるので、私自身のパワーになっています。

話しながら「本当に楽しい、天職です」と何度もおっしゃっていたのもわかるような気がする。

(そんなあゆみさんの鑑定は、こちらから受けられます)

「100%病みますから、先生も気をつけてくださいね」といわれた電話鑑定

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そんなあゆみさんが、あるご縁をきっかけに「電話鑑定」をはじめられた。そのときにご縁をいただいた方からかけられた言葉が、上記の言葉だ。

100%病む。

なんとすごい職業であろうか。

あゆみさんは当然、電話であろうと同じように、これまで培ってきたノウハウと経験を総動員してお客さまを導いてきていた。

電話鑑定は相手の顔が見えない分、良くも悪くもお客さまが素を出しやすくなる。結果、本当のニーズも見えやすくなるので、本質的な未来へと導けるというメリットもあった。

問題は、中には真っ黒な部分を出す方もいたということだ。

内容が内容なので詳細は伏せさせていただくが、たった一人でもそんな人がいれば、それだけでしんどくなる。それが一人どころか、10人に一人でもいようものなら、残り9人が今までのように素晴らしい時間だったとしても、それをすべて覆すほどのインパクトがある。それは、かかってきた電話をとることも怖く感じるほどにだ。

しかし、あゆみさんはプロ意識の塊のような先生だ。辛いことがあっても「うまくかわせなかった自分が未熟だった」と自らを省みて、より高みを目指して決してめげなかった。

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(ショーンの中の電話鑑定。たぶん違う)

実際、電話鑑定でのあゆみさんの評価は常に高く、あゆみさんに鑑定してもらいに会いに来る対面鑑定のお客さまも順調に増えていた。

生き延びるために、頭と心身を分離させた

ところが。

ところがである。

人は短期的なストレスには強い耐性を発揮するが、長期的なストレスには弱い。

一日一回は出会う真っ黒なお客さま。それが来る日も来る日もつづく。

この状況に対して、心身に迫りくる強いストレスを知覚せずに済むよう「頭と心身の感覚を分離させた」ことは、生き延びるための手段だったといえよう。

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(頭と身体が分離したの図)

このとき、あゆみさんはこのような状態であった。

・自宅が職場で、いつ電話がかかってくるかわからないので一日外に出られないことも
・常に疲れが残っているので、昼寝や夕寝が欠かせない
・やりたいことができない、食事をケアできていないことへの自己嫌悪
・行動力は抜群なので、さらに仕事に邁進することで事態を解消しようとする
・そんなあゆみさんをストップさせるような出来事や精神状態に定期的になる

さて、この事態を打開するには、どうすればいいか?

非常に難しいシチュエーションである。

野生化の視点にたってみると、基本的なステップは

・体感の復活
・身体の中の自然再生
・本能の出現

という3ステップである。

第四回勉強会−体感.001

この3ステップを通して、閉じていたあらゆる感覚を開いてゆく。五感、内蔵感覚、筋感覚、細胞感覚、顕在意識、潜在意識、超感覚…。

この開いていく作業に取り掛かるためには、開いても大丈夫な環境を用意することが望ましい。なぜなら、開くということは、外部からの干渉も受けやすくなる。蓋をすることで触れなくて済むようにしていた物理的・精神的な毒素にふれることになるだけでなく、その毒素を外部から受け入れてしまうリスクも高まる。

その意味で、ある程度の心身の安全性を確保することが望ましい。

あゆみさんの場合は、野生化のプロセスを歩むのと同時に、心身の安全性をいかに確保するか?が重要な問いであった。

現状は「この人はヤバい」と感じとったときに、ある程度遮断することで、外部の脅威から身を守っている。短期的には正しい。しかし、ある程度遮断はできても、完全にはできない。その負の影響は、少しずつ身体と心に蓄積される。

「100%病みます」と言われたゆえんであろう。

かといって、遮断するのをやめたら、右ストレートがもろに頬をえぐる。

そこでぼくがポイントだと思ったのは、「お客さまの感情エネルギーを超えるエネルギーを放つこと」

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要するに

自分のエネルギー  お客さまのエネルギー

という状態をつくるのだ。

これができれば、自分が発しているものの方が強いので、閉じていたものを開けても外から侵されるリスクが小さくなる。真っ黒クロスケも、相手にエネルギー負けしそうだと感じとれば多少はその拳を引っ込めるであろう。

具体的には、筋肉量を増やす、体液の循環スピードを高める、毒素を出す、パワーを高める食事をするなどの身体から変えていくアプローチが効果的だ。

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精神状態を変える方が即効性はあるが、その分すぐに戻ってしまいやすい。身体からアプローチすることは少し時間がかかるが、その分安定感が生まれる。

言うはやすし、行うは難し。

あゆみさんもこんなことは最初からわかっていた。なので、彼女自身が主宰しているフラ舞を積極的に取り入れていた。だからこそ今日までもっていたともいえる。

それでもなお、じわりじわりと心身は疲弊の道を歩んでいた。それくらい、人が真っ黒な部分をぶつけてきたときの衝撃は強烈なのだ。

最も効果的な解決策は「筋トレ」である

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細胞は、その1つ1つがミトコンドリアを通じて活動力(エネルギー)を生み出している。筋肉の総量が増えれば、エネルギーの総量が増える。すると、外部からのエネルギーに対抗できるようになる。

また、筋肉がないことで、姿勢や血流が悪くなる。体液の循環が悪くなる=停滞すると、外部から受けたエネルギーや自身の老廃物を溜め込みやすくなる。筋肉をつけて体液を循環しやすくすることで、溜め込んだエネルギーも排出しやすくなる。

ある占いの会社は、社内に筋トレ器具を設置しているそうだ。それくらい、身体を鍛えることは相手にエネルギー負けしないためには重要なのだ。

なお、筋肉刺激になり、体液を循環させる効果があれば筋トレでなくても構わない。

あゆみさんの場合はフラ舞をされているので、フラ舞をする機会を増やすだけでも十分であった。

ということなのだが…。

仮に自分が毎日疲れ果てていたとして、「筋トレしましょう!」と悩みとは無縁そうなさわやかな笑顔で言われたらどうだろうか。

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「筋トレしましょう^^」

一瞬やる気になったとしても、すぐにできない日々が続き、余計に自己嫌悪が募るであろう。

なけなしの上腕二頭筋でショーンに一発食らわせたくもなるだろう。

すでに疲弊している自分に鞭打って身体を動かすのではなく、まずは自然と身体を動かしたくなるくらいには元気を回復しないといけない。

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非常に効果的なアプローチとして「たくさん寝る」というのがある。しかし、あゆみさんの場合は昼寝・夕寝の習慣もあいまって、深くて長い良い睡眠がとりたくてもとれない状況にあった。

さて。

さてさて。

どうしようか。

肝心なのは、実行が極めて簡単で、かつそれが突破口のとっかかりをつくってくれる(それ自体で突破できなくてもいい)ことを、小さく、小さく行うことである。

なにかにエネルギーを向けるのが難しい日常の中にいても、できる。それが次第に効果を現してくる。これが肝心だ。

以上を踏まえて、2つのアプローチをとった。


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