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【オーレンジャー】第33話~第34話


第33話「5大ロボ大暴れ」

 月面基地を離れ地球へ降り立ったバッカスフンド。マグマの流れる地下空間で彼が目論んでいたのは、今までオーレンジャーに倒されていったマシン獣たちの復活並びに強化である。手ずからこっそり修理したスクラップたちにマグマのパワーを与えることで、巨大な超マシン獣として地球を蹂躙・オーレンジャーを殲滅せしめんと目論んだのだ。なお、選出された精鋭たちの中には当然のごとくバラマグマも混じっている。おちゃめな皇帝流ジョークの気配。
 対するオーレンジャー側は参謀長肝煎りの新配備、ブロッカーロボを操ってこれに対抗する。

 バラノイアを一網打尽とするため、オーレンジャーたちは「トロイの木馬作戦」を決行する。カラフルな岩の塊に偽装したブロッカーロボをお宝だと信じ込ませ、バッカスフンドのもとへ運び込ませて、油断したところで一気にロボを起動、戦闘に入るという寸法である。地球人のくだらぬうわさ話など無視しておけばよかったのに、ちょっぴり欲をかいてしまったことがバッカスフンドたちの命取りとなった。

×御本人も家族とともにマグマに飲まれて → 〇御家族は地上に逃れたものの皇帝陛下はマグマに飲まれて

 バッカスフンドの「愛しのマシン獣」呼ばわりは大変びっくりしたのだが、思えばマシン獣はみな彼にとっては我が子にも等しい存在である。彼が一人で始めたバラノイア帝国の、かけがえのない手作り臣民たちだ(その割に無能な者への扱いは雑だが)。負けが込んでいたバッカスフンドが、己の悔しさむなしさのあまり、死んでいった思い入れの強い一握りの部下たちにそのような念を抱いても、責められることではないのかもしれぬ。皇帝陛下は役に立つものを愛する。超マシン獣たちは、バッカスフンドの中では「もっとやれたはず」枠に属する存在なのかもしれない。


第34話「皇帝最後の挑戦」

 意図せず自身もマグマのパワーを得たバッカスフンドは、宇宙からの飛来物である魔剣を手に、再度オーレンジャーの打倒を目指し立ち上がる。だが、魔剣が空から降ってきたのをたまたまキャンプ場で目撃していた者がいた。おなじみミキオである。彼は少しでもオーレンジャーの役に立ちたい、勇み足で出撃したオーブルーとブルーブロッカーの無念を晴らしたい、と願う。そして魔剣の構成物質であるスペースメタルの欠片を拾い上げ、オーレンジャーに制止されるのも聞かずに走り出すのだ。

 静かにすすり泣くミキオの心情を思うとあまりにも胸が痛いが、ほかならぬオーブルーが彼に救いを投げかける。ミキオが「スペースメタルはオーレンジャーの役に立つはず」と信じて、敵に追われながらも必死にここまで走ってきたこと。その心意気こそ、今のブルーに必要なものであった。
 参謀長に課された、一見無意味で不可能そうな兜割りの課題。この一太刀がきっとバッカスフンドを倒す決め手になるのだ、と皆が心を合わせることで、見事兜は割れ、ブロッカーロボは五体合体を果たすのである。

 バッカスフンドと古代地球人との直接の因縁はここで途切れることになったが、息子であるブルドントは鼻息も荒くその遺志を継ごうとしている。無論彼自身もオーレンジャーにはこてんぱんにやられているので、積もる怨みもあるのだろうが、いやはや世知辛いものである。

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