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【オーレンジャー】第31話

第31話「宅配ダイエット」

 こういった食料を貪り食うような場面でしばしば齧りつかれているかたまりハム。旺盛な食欲を演出するためにはやはりデカい肉が見ごたえするが、さりとてご家庭の冷蔵庫にマンガ肉がいきなり現れるのは不自然である。かたまりハムなら冷蔵庫にある場合もあろうし、大きくて見栄えがするし、なにより真っ暗なキッチンで冷蔵庫の扉を開け放したまま、庫内の明かりを逆光のように浴びつつそのまま丸かぶりすることができるのがよい。生肉はさすがに煮たり焼いたりしないといけないものなあ。
 というわけで、バラジャグチが蛇口経由で宅配したダイエットドリンク「月の虹」の恩恵にあずかった人々は、今まで抑圧されていた箍が外れたかのように食欲を爆発させる。食後のケーキを我慢しないくらいならまだいいが、夜中の台所に座り込んで冷蔵庫の中身を食い荒らしたり、食料品店になだれ込んで商品を食いつくす、というのはちょっと異常である。

 上水道に自由に出入りされるというのはなかなか厄介なことである。ダイエットドリンクならまだよいが、皆が「月の虹」を飲むように習慣づいたあと、ある日突然それが致死性の毒に置き換わっていたら、なんて考えてしまう。そもそも、あの鮮やかな色味の「月の虹」が人体に有害でないという保証は全くないのだ。

 たくさん飲んだから効くというものでもないような気がするが……。

 特殊な液状金属で作られたバラジャグチはぐにゃぐにゃと身体の形を変えることができる。水道管のバルブを開け閉めすることでなんとか追い込んだはいいものの、バラジャグチの特性に苦戦するオーレンジャーたち。だが、戦っていた場所が彼らに味方した。工場らしきその空間にはたまたま液体窒素の流れるパイプが何本も通っていたのだ。高いところからバラジャグチを誘導し、囲むように垂らしたロープで地上に降りながらパイプを打ち抜くオーレンジャー。真下からのアングルが興味深い。液体窒素によりバラジャグチは凍り付き、見事オーレンジャーたちは勝利を収めるのであった。めでたし!

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