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【タイムレンジャー】第6話~第10話


Case File.6「偽りの招待客」

×達也 → 〇竜也

 宝石泥棒の囚人・ルージェを追い、一同は豪華客船での船上パーティーに忍び込む。セレブの主催するセレブのためのパーティーなので、もちろんセキュリティチェックも厳しいが、こんな時に役立つのがご存じ浅見の家名である。レンタルの正装にレンタルの権威で一同は無事に会場へ潜入。が、竜也は大勢の招待客にあれよあれよと囲まれてしまう。改めて浅見グループの影響力の強さが思い知らされる。
 船内に紛れ込んでいたルージェは、正体がバレたと悟ると慌てて船を降り、逃げ去ろうとする。仲間たちに遅れてルージェを追う竜也は、走りながらタキシードを脱ぎ捨てる。身の丈に合わない借り物の服ではなく、トゥモローリサーチの揃いのジャケットを羽織って、自分で決めた道を歩いていきたい、という改めての決意表明である。


Case File.7「ドモン入院中」

 急激な時間遡行に伴うデータ酔いが、ドモンのホームシックを誘発する。未来人がいきなり1000年前にやって来たからって、誰もがなろう系チート主人公みたいに振る舞えるわけではないのだ。

×達也 → 〇竜也

 竜也にとってはどこまでも続く未来への第一歩であっても、ドモンたちにとってはそれはとるにたらない歴史の一ページにすぎない。とはいえ、目の前の「明日」を変えるために対処していくという方向性は同じだ。スタート位置こそ違えど、この時代で一緒にやっていくことはできるはずだ。


Case File.8「芸術に爆発を」

 ユウリ、未来の大芸術家と出会うの巻。自分の肖像画を描かせようとしたリラは目論見が不発に終わり、残念無念である。

 未来人と現代人が結ばれでもしたら、それが規定事項でもない限り、歴史が大きく変わってしまいかねないですからね……(特大のフラグ)


Case File.9「ドンの憂鬱」

 ドンの昔馴染み、悪徳警官アーノルドKのお話。アーノルドKはどうやらまだドンがそこまで偉くなっていなかったときの知り合いらしい。ドンだけでなくギエンやリラにも馴れ馴れしく振る舞い、二人のイライラはたまる一方だ。ドンもそんな二人の様子に気が付きつつも、「古い友人」であるアーノルドKを強く諫めることができない。
 そこで彼が思いついたのは、タイムレンジャーを利用することである。

 ドンは直接アーノルドKに手を下さない。かといって、ギエンやリラに手を出させるようなこともしない。
 彼がしたのは、アーノルドKの銃へのちょっとした細工だけだ。これにより、タイムレンジャーと戦闘していたアーノルドKは急激にピンチに陥り、圧縮冷凍の刑に再び服すこととなった。こうなってしまえば、ギエンたちも簡単にアーノルドKに手を出すことはできない。仇敵であるタイムレンジャーの懐こそ、アーノルドKにとっては一番安全な隠れ家となるのである。
 解凍したばかりの囚人たちなら容赦なく使い捨てられても、馴染みの「ファミリー」へはどうしても情けをかけてしまう。その甘さがドンの魅力であり、彼自身を悩ませる憂鬱の種でもあるのだろう。


Case File.10「明日への脱出」

 アヤセ、自らの持病を明かすの巻。

 冷凍庫に閉じ込められ、外部との連絡も途絶し、芯から凍えているアヤセと竜也。今にも凍死してしまいそうなその状況だからこそ、アヤセは自らの抱えている運命について口を開く気になる。淡々としているのは、すべての葛藤がアヤセの中ではもう過去のことであったからだ。
 それでも、「明日を変える」という竜也の言葉は、アヤセの心に波紋を投げかけた。
 死は誰にとっても、震えるほど恐ろしいことだ。しかもその訪れは唐突で、電話代の未払いみたいなしょうもないことも、治療法のない病に侵されることも、十分に死の原因になりえてしまう。人間の命などあっけない、たわいもないものなのだ。
 だが、その恐怖を受け止め、我が物とすることで、同じ恐ろしさを抱えた誰かに寄り添うこともできる。震えながらも生きる希望を捨てなかった竜也とアヤセは、暗い冷凍庫から明るい日のもとへと脱出を果たす。重たいドアの向こうには、ふたりの今生きている現実の時間が確かに流れているのである。

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