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【マジレンジャー】39~40話

Stage.39「あべこべ姉弟 〜マジュナ・ジルマ〜」

 今回の神罰当番はゴーゴン……なのだが、ナイメアから取り上げた予言の書でそのことを先に知ったゴーゴンは、トードに「お願い」して自分が赴く前に障害を排除しようとする。半ば強制される形で人間界に出向いたトードは魁と芳香に毒液をかけることに成功するが、それは本来想定していた溶解液ではなく、二人の魂を入れ替えてしまうものであった。
 お気楽で広範な愛を持つ芳香と、思い詰めたら一点集中な魁。芳香のふりをしてデートに臨むことになる魁だが(ドタキャンせずにちゃんと芳香らしく振舞おうとするところが真面目である)、「来る者拒まず」な芳香の恋愛観は魁には理解できず、むしろ目の前で修羅場を始めるボーイフレンドたちの言い分の方がよっぽど腑に落ちる様子である。
 一方の芳香はそもそもあまり魁に成りすます心構えがないようで、登校早々女子トイレに入って大惨事を引き起こす。居合わせた山崎さんになんとか釈明しようと試みるも、逆に険悪な雰囲気に。
 そこに現れるゴーゴン。肉体と魂がばらばらになっているため、魁と芳香は変身ができない。「天空聖界も混乱しているのかも」とのことだが、肉体と魂が正しく揃っていないと変身魔法が発動できない、というのは地味に優秀なセキュリティである。例えばインフェルシアの攻撃で肉体を乗っ取られるとか、魂を取られて傀儡にされるとか、そういった事態が起きた時に力の悪用を防ぐことができる。成りすまし対策ばっちりだ。
 変身はできないながらも新たな呪文を得て、魁と芳香はゴーゴンをすってんころりん転倒させることに成功する。「バランスを崩す呪文」とのことだが、確かに魁も芳香も肉体と魂のバランスを欠いているのでさもありなん。

 余談だが、芳香のボーイフレンドの一人を滝口幸弘さんが演じていらっしゃるのが目に留まった。テニミュ好きな家族の影響でお名前を知っていたのだ。なんだかタイムカプセルを掘り当てたような気持ちで、しみじみとデートシーンを眺めてしまった。きっと年を取るにつれ、こういう気持ちになることが増えていくのだろうなあと思う。だからこそ人はカメラを手にし、時間を永遠に残そうとするのだろう。


Stage.40「蛇女の庭 〜マジーネ・ルルド〜」

 39話では魁が芳香の問題を解決(ホーイフレンドぜんぶ振る)し、40話では芳香が魁の問題を解決(チームメイトをちゃんと受け入れる)した。本当に問題に向き合わなければいけなかったはずの当人たちは、思いもよらず結果だけを手にした形になる。だが、それが一概に悪いとも言えない。芳香だけ/魁だけであったら、その結果にたどり着くまでにかなり長い時間を要し、ことによっては永久にたどり着くこともできなかったかもしれない。少々力業ではあるが、強制的にワンステップ前進させられたことにより、「何が問題であったか」を俯瞰して、自らの気付きとすることができた。それは互いにとって大いにプラスの経験であろう。
 山崎さんがちらりと口にしたひとことに衝撃を受ける。「愛しの魔法使い様」の正体、どうやらうっすらバレているようだ。別人のふりして散々イジっていた魁がこれを知ったらどんな反応をするのか、今から共感性羞恥でどきどきである。

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