指定校推薦って悪いことなの?


「指定校推薦って大学入ってからついていけるの?」
「受験から逃げたんでしょ??」
「ずるい!」

私はインターネットをみてこういう意見があることを知ったとき本当に驚いた。
その意見に萎縮してしまう指定校推薦を取った人、考えてる人に言いたい。


「全く気にする必要ないんだよ!!!」


1.指定校は大学入学後に困る?
私は現在大学4年生。中堅の薬学部に通っている。
入学方式は指定校推薦。そもそも私の高校では薬学部は不人気で、学内選考はあっさり通って入学が決まった。

入学前に私の大学の赤本を解いたことがあるけど、合格点には全く満たなかった。
大学に入って、ついていけるのか不安で仕方なかったけど、蓋を開けてみれば現在成績は上位で友人もそこそこいる。
校内を見渡しても、指定校も一般も、誰がどれなのか分からないぐらい変わりなく過ごせている。

指定校か一般か、という質問は血液型を聞くぐらい気軽なものだ。
一般なら
「へー、頭いいんだねー」
指定校なら
「へー、そーなんだー」
と、一応言うけど

実際に大学で評価されることは
・成績
・進路(私の学部の場合薬剤師になれるかどうか)
・地頭力
である。

このうちどれかがよければ
友人の評価は一重に「すごい!」のみだ。
たとえ何もよくなくても、貶されることはない。

だから入学後は大学の講義についていけるように、適度に助けてくれる友人と試験とレポート提出に対するガッツがあれば問題はない。

分からないことがある時は間違っても、
「私は指定校だから…」
とコンプレックスに思わず、ガツガツ友人や教授に聞きに行った方が良い。
世の中には、その問題が分かる人と分からない人しかいないのだから、とにかく分かる人なれれば良いのだ。

ちなみに、現在リモート講義が普及しているが、情報交換できる友人は居るに越したことはない。
「指定校だからこんなことができなかった…」
という経験全くないが、
「友人がいなかったらこんなことできなかった!!!」
という経験は山のようにある。

2.高校で邪険にされる?

「一般受験する子や先生からひどい扱いを受けて辛い、、、」

この意見が一番驚いた。
これに関する回答は

「あなたの高校だけだよ!!!」


というのも、一般受験最強主義を謳っているのは過激な進学校と進学塾だけだ。 
これは、その二つの目標が難関大学の合格率を上げることだから。

「指定校で妥協する考えを広めると高校・塾全体の士気が下がる!!合格率も下がる!!高校・塾の人気も下がる!!」

という何とも打算的な考え方に飲まれているわけだ。
これは経営戦略という点では理に適ってるし、仕方のないことだと思う。

しかし、そこに受験生の幸せは考慮していない。

そもそもその進路が「妥協」だなんてなぜ言い切れるのか?
人によってリスクもリターンも大きく異なるのに。

指定校推薦に、行きたい学部も基準を満たす成績もある受験生が納得してそれを取ったとして、誰も不幸にならない。
受験生を思えば、おめでとう!と祝福されるのが筋である。

そうならない環境ならそこが異常なだけだ。

「価値観の狭い連中だね!」

っと心の中で一蹴して自分の目標に向かって邁進してほしい。

と、いうのも私の高校は大学の附属高だったため6〜7割の学生が附属への推薦利用だった。
そのため指定校推薦の子はむしろ
「外の大学行くの!?すごい!!」
という扱いで、
一部の一般受験する子に対してはもう
「偉い!!すごい!!頭いい!!」
の大絶賛。

一般受験最強主義がない高校の価値観はこんな感じだ。
もし高校の目が怖いなら、学外に友人を作って早く価値観から自分を解放した方が良い。
どうしても狭い世界に同じ価値観を持った人が大多数いればそれに飲まれてしまう。
大学に入ってしまえばこっちのものだから、気にせず生きてほしい。

3.なぜ一般受験の子は指定校を敵視する?

ここまで指定校推薦について書いてきたが、私は一般受験をする子を尊敬している。
だって偉すぎるもん。
何年何ヶ月も目標に向かって勉強をするなんて。
そんな茨の道を耐え抜いた根性に感動する。
私の兄弟は一般受験をしていたが、よくそんな大変なこと耐えられるなぁと子ども心に思っていた。

しかし一般受験をしている子が、自分より上だとは思わない。
私は単純に、その道を進まない覚悟と選択をしたのだ。一般の子はその道を進む覚悟と選択をした。
大学合格はゴールではないのだから、その途中の道が違うだけ、としか捉えていない。
分からない世界があるんだなぁ、すごいなぁと感じてるだけだ。
すべての人がこんな風に捉えて、お互いを尊重できれば対立なんて起こらないはずだが…

指定校推薦敵視の理由は、一般受験の子がうまくいかない現状に理不尽さを感じているからだろう。
「こんなに勉強してこの結果なのに…
なぜあの子は楽してあんなにうまく行くの?」

気持ちはとても分かるけど
そもそもの大前提に、世の中は平等じゃない。
コネもあるし親の財力、生まれ育った環境、友人、地域がそれぞれ違っていて、今得をしているあの子はいつか損をするなんてことはない。ずっとその子は得をする。

だから、自分の環境に向き合って責任を取り、満足を得られるように考えるしかない。

しかし、高校生はまだ子どもだ。全てが平等であるべきだと考えてしまう。
「この選択をしたのは私だ!つらいのは仕方ない!」と割り切れるほど大人ではない。

割り切れない高校生や、その経験がある大人が徒党を組んで、「指定校推薦はずるい!楽をしている!」と言い始めてしまったからこんな価値観が蔓延っている。
進学校、塾の一般受験最強主義も乗っかって最悪の様相だ。

正しく考えれば分かるだろう。
人の進路を批判しても何の意味もない。自分の進路がうまくいくわけではない。
あの子の幸せと自分の不幸に因果関係はないのだ。
一般受験で得るものと、指定校推薦で得るものを比較するなんて意味のないことだ。
どうかすべての人がそれに気づいて、幸せな高校生活を送ってほしい。

4.まとめ

最後になるが、一般受験生も指定校推薦を受けた子も誰もこの問題に悩む必要はない。
こんな価値観にとらわれて自分の納得のいく進路に行けないことの方が後悔するから、周りではなく自分自身と向き合ってほしい。

そして大学入学はゴールじゃない。
ちなみに私の大学では一般生も指定校生も仲良く勉強にヒーヒー言っている。合格も再試も留年も本人次第だ。

先を先を見据えて、前向きに未来を生きてほしい。