シェア
物心ついた頃から身近にテレビゲームがあった 両親がゲーム好きだったから そういえば祖父母の家にもゲーム機があった記憶が残っている 根っからのゲーム大好き家族の元に産まれてきたってわけだ ドラクエのふっかつのじゅもんを必死で書き写すことでひらがなを覚えた ゲームごとに違う戦闘システムや技名、魔法名とその効果属性などを毎回覚えることで、高い暗記力を養うことができた 悪いやつは心正しき勇者がやっつけて世界を平和に導く王道ストーリーは、素直な道徳心を培ってくれた おかげで道
愛しいあなたに 黄色のマリーゴールドを捧げるわ あなたとは全く出逢ったことがない でもわたしはよく知っているの なぜなら わたしとあなたはとても似通っていたから 同じ人を好きになったあなたに 黄色のマリーゴールドを捧げるわ *** もうバスさえも寄りつかない 地下鉄駅の最寄り停留所 カチカチと 耳障りな音が響く運転席 シートベルトを外し 勢いよく首元に抱きつく 帰らないで 声にすることはできずに ただ腕に精一杯の力を込める 困った顔で 抱きしめられる 首
もしもサンタが来てくれるのなら 背を伸ばしてもらいたかった そんなことを言って サンタクロースを困らせるの クリスマスなんて 自分には何の意味もないし 世の中が騒いでるただのイベント ケーキもチキンもいらないし 今年はツリーを飾る気さえ起こらない だってもう、自分にとってのサンタは やって来ないのだから そんなことを言って サンタクロースを悲しませるの サンタクロースって 子どもにしかプレゼントを配らないものよ だから プレゼントを貰えなくなったことは あなたが
カラフルな光が好き キレイな音が好き ツヤめく形が好き 美しい丸が好き 海へ向かえば 砂浜にしゃがみ込んで オーロラに光るキレイな貝片を拾い集める 川を下れば 渓流を流れ研磨された 彩あざやかなガラス石を拾い集める 山に登れば 立派な大木から揺れ落ちた 滑らかにツヤめくドングリを拾い集める 小さな手からこぼれ落ちんばかりに 厳選された美しいまんまる達 袋に入れて振り揺らすと ジャラジャラとしあわせな音を奏でてくれる お気に入りのまんまる達を 無心で集め続けて
「いつか」って いつやってくるのかしらと 期待に胸を膨らましながら 真面目に考えていたあの日 「いつか」とは 不確定な時を表す言葉 確約できない未来 「いつか」は決してやってこない 未来のことだって気づいたのも いつか、あの日 *** わたしがいつも聴くプレイリストには 「いつか」というタイトルの曲が入っている わたしはあの日を思い出しながら 毎日「いつか」を聴いているの いつか、君と手を繋いで歩きたい いつか、君と一緒に素敵な景色を見にいこう いつか、君を
「大丈夫」って、 なんて残酷な言葉なのかしら まるで呪いみたいに 一切の疑念や焦りを 見えないようにしてくれるの 作った笑みを浮かべながら 瞳の奥をうかがいながら 寂しさで満たされていく わたしがあなたに伝える言葉は ただひとつ 「大丈夫」 ゆり、つらいことはない? 「大丈夫」(つらいの) ゆり、困っていることはない? 「大丈夫」(どうしたらいいかわからないの) ゆり、悩んでいることはない? 「大丈夫」(苦しくて溺れそうなの) 偽りの優しさなんて いらな
「大丈夫」って、 なんて心安らぐ言葉なのかしら まるで魔法みたいに 一切の不安や心配を 拭い払ってくれるの 頭をなでてもらいながら 瞳をみつめてもらいながら 温かさで満たされていく わたしがあなたに求める言葉は ただひとつ 「大丈夫」 ねぇ、わたしのこと好き? 「大丈夫」(変わらず好きだよ) ねぇ、わたしといて楽しい? 「大丈夫」(まちがいなく楽しいよ) ねぇ、この先もずっと一緒にいられる? 「大丈夫」(ずっと一緒にいるよ) 偽りの言葉なんて いらないの
「愛してる」 ダリアの大輪が咲くように 色あざやかに眩しいほどの笑顔で あなたに真っすぐ届けられる 女じゃない だから 精一杯に小さな小さな花を たくさん咲かせることを 覚えたの わたしにでもできる想いの届け方 「好き」って想いを小さく花開かせては 想い咲いたばかりの柔らかい花びらを 潰さぬように 花軸の部分から もぎり取る 首だけになった小さな小さな想いを そっと散りばめる あなたの足元だったり 扉を開けた先の地面だったり さりげなく通り過ぎる道だったり いつ
若葉色が美しく広がる大きな草原を 「自由に」駆け回るひつじ そんなひつじは一匹もいないの 時間がくれば 飼いならされた牧羊犬に吠えたてられて いつもの場所へと戻される 戻されることにさえ疑問など持たず 同じ毎日を過ごしていく みんなが右に曲がれば 続いて右に曲がる 「右に曲がりたいんだった」 「右に曲がって当然だ」 みんなが左に曲がれば 続いて左に曲がる 「やっぱり左だよね」 「右に曲がるなんてどうかしてる」 あやまって群れからはぐれ一匹さまよえば 牧羊犬に吠
ゆりと言えば「しっぽ」だよね 代名詞になるくらい わたしの印象は ポニーテールに縛られていた 朝が巡る数だけ 後れ毛がでないように ぴたり乱れることのないように 上品にかつ聡明に 強く高く結い上げられてきた 子どもの髪は細く繊細で 頭皮も非常に柔らかい 強い力で引っ張れば 痛みを感じるのは当然だと 母は思わなかったようね 毎朝毎朝 地獄のような時間を 泣きながら耐えた 慣れとは恐ろしいもので 目がつり上がるほどに 痛みを感じるほどに 強く結い上げてもらわない
軽く汗ばむ昼下がり 「のど渇いたね、コーヒーでも飲む? 」 あなたはわたしの手を引いて 地下の喫茶店に入る 少し顔が火照っているのは 陽気だけのせいじゃない 慣れないヒールに 気づかれてしまったかしら 昭和レトロを醸しだす薄暗い店内 ひんやりとした空気と クラシカルな音楽が 上がり切った心拍数を ゆっくり下げてゆく 「アルコールランプとか、懐かしくない? 」 店の雰囲気に合わせて ディスプレイされている調度品を 興味深く見まわしながら フラスコとか、試験管
命の限る日が もしもわかっているならば わたしは今この瞬間 何をしたいと思うのかしら >> ゆりさんっ!この本すっごいおすすめなので読んでください♪ テディベアのような丸くてふわふわした耳と尻尾 うすピンク色のおかっぱ頭した ”わたし” の膝くらいまでの大きさしかない 小動物のような見た目のアバター わたしの可愛いフレンドさん おそらく、リアルは学生さんかなと思う そんな大好きな彼女から とある小説をおすすめされた 「君の膵臓を食べたい」 初めは強烈すぎるタイト
まだ、あなたが… 逢いたい