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恋愛・人生観 エッセイ

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アバター恋愛や仮想世界を生きて、感じた思いを綴った単独記事集です。
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#人生

2次元×リアル恋愛癖

物心ついた頃から身近にテレビゲームがあった 両親がゲーム好きだったから そういえば祖父母の家にもゲーム機があった記憶が残っている 根っからのゲーム大好き家族の元に産まれてきたってわけだ ドラクエのふっかつのじゅもんを必死で書き写すことでひらがなを覚えた ゲームごとに違う戦闘システムや技名、魔法名とその効果属性などを毎回覚えることで、高い暗記力を養うことができた 悪いやつは心正しき勇者がやっつけて世界を平和に導く王道ストーリーは、素直な道徳心を培ってくれた おかげで道

小さな艶かしさ

女性としての一番の魅力とは何かをたずねたら あなたは何と答えるかしら 上目遣いの潤んだ瞳 はにかんだ時に浮かび上がる笑窪 曲美を描いたふくよかな体つき どれも魅力的だと思うけれど わたしは彼女の「小さな艶かしさ」が ずっと忘れらない 女性として最も憧れ尊ぶ存在 それが小さな彼女なの *** 「お誕生日おめでとう!」 彼女から手渡されたのは 小さな小さなヒヨコが何十匹と詰まった箱だった 思わず瞬きをして、ヒヨコと彼女を見比べた 彼女は屈託のない笑顔でわたしを見つ

愛しい人を愛せない彼女たち

好きな人を 好きになれないもどかしさを あなたは知っていますか? 愛しい人を 愛せない苦しみを あなたはわかってくれますか? *** 今日も一人の女性が わたしの目の前でツーっと一筋の涙を流した 「あっ…… 」 涙があふれたことに気づかなかった女性は びっくりした様子で目を見開く 慌てて指で目尻を拭うと、恥ずかしそうに下を向いた 心配しないで その涙 わたしも流したことのある涙だから 恥ずかしいことでも、後ろめたいことでも なんでもないの 笑顔を送ることで 女

「大丈夫」の呪い

「大丈夫」って、 なんて残酷な言葉なのかしら まるで呪いみたいに 一切の疑念や焦りを 見えないようにしてくれるの 作った笑みを浮かべながら 瞳の奥をうかがいながら 寂しさで満たされていく わたしがあなたに伝える言葉は ただひとつ 「大丈夫」 ゆり、つらいことはない? 「大丈夫」(つらいの) ゆり、困っていることはない? 「大丈夫」(どうしたらいいかわからないの) ゆり、悩んでいることはない? 「大丈夫」(苦しくて溺れそうなの) 偽りの優しさなんて いらな

ポニテールに結いあげて

ゆりと言えば「しっぽ」だよね 代名詞になるくらい わたしの印象は ポニーテールに縛られていた 朝が巡る数だけ 後れ毛がでないように ぴたり乱れることのないように 上品にかつ聡明に 強く高く結い上げられてきた 子どもの髪は細く繊細で 頭皮も非常に柔らかい 強い力で引っ張れば 痛みを感じるのは当然だと 母は思わなかったようね 毎朝毎朝 地獄のような時間を 泣きながら耐えた 慣れとは恐ろしいもので 目がつり上がるほどに 痛みを感じるほどに 強く結い上げてもらわない

最期の部屋に飾るは「女の写真」

「元気? 」 引き戸を引いて、部屋の中に入ると 彼女は嬉しそうに振り返った 小さなテーブルとイスふたつ 簡単な飾り棚と介護用のベッド 隣の部屋に続くベランダの大きなガラス戸からは 部屋いっぱいに太陽の光が注ぎ込む 小さな部屋だけれど窮屈さを感じない とても清潔で明るく新しい部屋だった ベッドに腰を掛けていた彼女が すっと立ち上がり、わたしたちへ近づいてくる 「私はいいんだけどね、彼がね」 また、彼の愚痴がはじまる 持ってきたお茶饅頭の包み紙を外しながら 食べや

私は勇者になりたい

勇者に恋をし続けてきた人生 本当は、勇者が好きなんじゃなくって 私が勇者になりたいの *** 納戸から小学校の卒業文集を引っ張り出す 将来の夢:「冒険家になって世界中を見てまわりたい」 小学校6年生女子の夢 まさかと思ったけれど あぁ、やっぱりそう書いてあった 私の記憶はいつでも正しい 世界中を旅してまわり 生まれ育った故郷とはちがう 国々で体験したこと、感じたこと、出逢った人 目で見たもの、関わり合いを 本にしたい それが出来る大人になれると思っていた