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【2023創作大賞応募作品】無料公開:忘れられた打ち上げ花火

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【2023創作大賞応募作品】のため。現在全話無料公開中です。オンラインゲームからはじまるリアル恋愛短編小説です。綺麗に解けてゆく夏夜の魔法、打ち上がることのない打ち上げ花火、世間…
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#年下男子

【2023年note創作大賞応募作品〜いいね♡応援7/24まで!お願いします〜】忘れられた打ち上げ花火:第1話

群青色のキャンバスに 筆を一振りすれば 彩どりあざやかに 発光するインクが リズムよく飛び散り 心に重く打ち込まれ 恋模様を描き出す 夏の夜だけに かけられた魔法 あなたを待つ わたしの纏う浴衣は 紺地だったかしら それとも 白地だったかしら *** >> 花火大会? あんまり行ったことない << ねぇ、冗談でしょう? 恋をしたら イコールで結ばれても おかしくないと思っていた 「花火大会」 好きな人と それはもちろん 好きと通じ合う前の人とでも 人

忘れられた打ち上げ花火:第10話 「あなたの二番目にしてください #2’」

奇跡って 起きたようにみえるかもしれないけれど 努力で起こす奇跡の方が大半だって あなたは知っていたのかしら *** あなたとの初めての通話は ひどく緊張した 緊張しすぎてあまり覚えていない アバター同士でチャットをするときの 元気なイメージとは少し違って ゆったりとした優しい口調だったことは ふんわりと覚えている 待ち望んでいたあなたの声 一緒にゲームをしながらの 通話ではあったけれども 気づけば通話は6時間にも及んでいた 止まることが珍しいほど チャットで

忘れられた打ち上げ花火:第11話 「あなたの二番目にしてください #3’」

はじめましてじゃない はじめまして アバターのあなたが 現実のあなたに置き換わる その瞬間が わたしはたまらなく好きなんだ *** 名古屋はよく訪れる場所だった 九州から関東・東北にかけての中間地点で 現実の冒険者たちが集合しやすいため いろんなオンラインゲームでオフ会の会場となる事が多い ”いつもの場所“ に少し安心することができた 定番の金時計前で 待ち合わせを指定した 結局お互いに顔はわからないままで ライブの日を迎えていた 実際の姿なんて どうでもよかった

忘れられた打ち上げ花火:第13話 「あなたの二番目にしてください #5」

想いがすれ違っていたね 声を掛ける勇気がなかったのよ 心から幸せになってほしいって 思える人に簡単に 巡り逢うことはないから 「応援してる」 握っていた手をゆっくり離すと 振り返らずに改札を抜け 新幹線に乗り込んだ *** 会場の外に出ると ひんやりと涼しい風が 火照った頬をそっと和らげてくれた 新幹線の時間まであと2時間ほど 初ライブの余韻を語り合うと思って 最終列車を予約していた あなたはさっとスマートフォンを取り出して 何かを急ぎ打ちこみ確認する 「公園