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何もできなかった1年目・・・それでも会社を辞めなかったのは

社会人としてIT企業に入社した私は、まさに空っぽだった。全く使い物にならない。IT企業に入っておいてパソコンが分からない、当然まずい緊急事態だが、実際はもっと深刻な状況だった。

まず、仕事って何?っていう状態、仕事のポイントが分からないとでもいうか・・・

今思えば、学生時代、アルバイトもせず、親の仕送りのみで生きてきた。

ま~両親が、

「せっかく大学に行ったんだから、大学時代にしかできないことをやれ。
バイトで金稼ぐ暇あったら、勉強したり、部活やれ。金なんて、社会人になってからいくらでも稼げるんだ。」

そんな有難いことを言って、送り出してくれたのも理由のひとつ。
今思えば、親って本当に有難い。
そして私はその言葉をそのまんま実行した。

他の学生はせっかく大学に来てるのに、アルバイトでお金を稼ぎ、遊びまくっている(もちろん全員ではないが)。

そんな彼らを見て、心の中でこう思う。

「この人たち、何しに大学に来たんだろう?」

心のどこかで、軽蔑してた。
でも社会人になって思い知ることになる。

彼らは意図してかしてないかは置いといて、実は、社会人になるための訓練をしていたのだ・・・

大学時代はバイト三昧、飲み会三昧の遊びまくり・・・そんな人が会社にはたくさんいたが、実際そんな人たちが事実上、会社を引っ張っていく存在だった。

仕事(特に作業)を覚えるのがとても早く、そつなくテキパキとこなす
教えられたことを1回で覚える、ものすごい吸収力。”1”教えられたことを自分で”7”とか"8"まで持って行く応用力。

学生時代の社会人になる準備運動がベースとなり、どんどん存在感を増していく。

コミュニケーション能力も高く、他の社員の言うこと、お客様の要望、適格に捉え、問題・課題の解決をしていく。当然成績もよく、評価も高い。

一方私は、全部逆。

コピー機、FAXの使い方も分からない。1度聞いても覚えられない。必要な報連相ができず、不要な報連相を繰り返し、忙しい先輩にキレられる。

本当に仕事というもののポイントが分かっていなかった。

1年目の私の評価は最悪、戦力になるどころか、皆の生産性を”低めてる”存在。

私はそういう才能を今も持っている。だから今後も絶対にあ~いう状況になってはいけない。

なぜ生き残れたか・・・


普通ここまで駄目だったら会社を辞める選択肢も出てくると思う。実は私も何度も辞めたいと思った。
毎日どころか、毎時間辞めたいと思ってた。
※つまり1時間に1回は何かやらかし怒られて、辞めたい理由ができていた。

それでもなぜか生き残れたのか?

ひとつは、学生時代、陸上やってたことで多分我慢強さは人よりあったんだと思う。新人が会社に入って、3日・3週間・3か月は辞めやすいなんてどこかで聞いたけど、それを乗り切れるだけの最低限の忍耐を、陸上を通して身に付けていた。いや~人間って何かしら取柄ってあるもんだ~

もうひとつは、そもそも会社の辞め方を知らなかったのかもしれない。実は辞めるにもそれ相応の行動を起こす必要がある。

色んな覚悟をして、辞めることを上司にちゃんと説明する・・・その当時の私はたったこれだけのことを実行できるレベルになかったのだ(汗)

本当にラッキー!その当時の自分の無能さに心から感謝したい。

もし辞めるという実行力があったら、辞めてしまったのだから・・・あの時辞めてたらと思うと、今でも背筋が凍る。

きっと辞めたとしたら、次に就職できた会社でも同じことを繰り返してた。あそこで辞めてたら本当に積み重ねのない人生で、職を転々としまくっていたと思う。

また会社もよく我慢してくれた。いくら解雇はできないと言っても、こんな奴、お金払ってよく面倒を見てくれたものだ。

全てに感謝。様々な運が重なって、私は社会人1年目の難局を乗り切った。


P.S.

社会人になってとてつもなく苦労したが、実は学生時代にアルバイトしなかったことに後悔はない。その分、陸上に打ち込めた。少ないけど仲間ができて楽しい時間も過ごせた。

もしも学生時代に戻れたとしたら、また同じ生活を過ごしたいと思っている。

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