見出し画像

【談話】第3次補正予算の成立について

2021年1月28日                            社会民主党幹事長 服部良一

⒈本日1月28日、参議院本会議にて第3次補正予算案が自民党・公明党・日本維新の会などの賛成多数で可決し、成立した。社民党は緊急事態宣言が発出され、医療機関への支援や生活困窮者を中心とする労働者への補償と給付の拡充が必要な現状には不適当な内容であるため、反対した。

⒉第3次補正予算は歳出総額19兆1761億円のうちGoToキャンペーンに対する1兆826億円、国土強靭化の推進に対する2兆936億円など急を要さない予算が計上される一方、新型コロナウイルス感染症の拡大防止策に対する予算計上は4兆3581億円と予算全体のおよそ22.7%に止まっている。以前の談話でも指摘したが、感染状況に鑑みて、2020年度の予算執行が終わる3月末までにGotoキャンペーンを再開できる環境を整えることは不可能である点、先のGoToキャンペーンが感染拡大の一因となった可能性を排除できない中で拙速にGoToキャンペーンが再開されることがあってはならない点は改めて強調しておきたい。PCR検査の拡充、国産ワクチン開発、医療機関やエッセンシャルワーカーへの支援、学生に対する学業継続のための経済的支援、文化・芸術の担い手への補償・支援、持続化給付金制度や雇用調整助成金特例措置、休業支援金制度の継続、家賃支援給付金の復活といった個人や中小企業を中心とする事業者や労働者への補償・給付の充実を内容とする国民の命と暮らしを守るための補正予算こそが必要である。

⒊第3次補正予算についての参議院予算委員会での審議のなかで菅総理は新型コロナウイルス感染拡大の中で生活困窮者が急増しているにもかかわらず「自助」や「絆」を重視する姿勢を崩さず、政府による補償や給付の不十分さを省みることもなく「最終的には生活保護がある」と言い切った。確かに生活保護制度は生活保護法の下「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長する」ための制度であり、まさに最後のセーフティネットである。しかし、政府には国民が生活保護制度の利用が必要になるほど困窮しないように適宜補償・給付や福祉制度を整備する義務があり、生活保護制度があることを理由に新型コロナウイルス感染拡大の中で困窮する国民を放置することは許されない。また、捕捉率が20%に止まっている事実に鑑みれば、現場の生活保護制度は「最終的には生活保護がある」と言い切れるほどセーフティネットとしての機能を充分に果たしているとは言い難い。そもそも、保護基準の切り下げやケースワーカーの民間委託構想、不正受給問題への矮小化による受給者差別・誹謗中傷の煽動といった生活保護制度に対する執拗な攻撃を続けてきたのは自民党だ。自らが機能を不全にさせてきた生活保護制度を自らの新型コロナウイルス対策の無計画を覆い隠す盾として利用する菅総理の答弁は言語道断である。社民党は生活保護制度が文字通りセーフティネットとして機能するよう、保護基準の引き上げ、扶養照会の廃止、水際作戦の廃止、ケースワーカーの増員、生活保護は権利だという世論の形成に全力で取り組む決意である。

⒋国民に対して補償なき自粛を求め、要請に従わない者に対する罰則を盛り込もうとする一方で、自民党の松本純国会対策委員長代理や公明党の遠山清彦前財務大臣ら与党議員の気の緩みが目立つ。菅政権が新型コロナウイルス対策について無計画・無責任を決め込む中、広範な国民の声や社民党を含む野党の奮闘が感染症法改正案への刑事罰の全削除など、一定の成果をあげている。社民党は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、そして、2次被害としての生活困窮防止のために医療機関やエッセンシャルワーカーへの支援、学生に対する学業継続のための経済的支援、文化・芸術の担い手への補償・支援、持続化給付金制度や雇用調整助成金特例措置、休業支援金制度の継続、家賃支援給付金の復活といった個人や中小企業を中心とする事業者や労働者への補償・給付の拡充に全力で取り組む決意である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?