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【0681】SDGs未来都市2021:北海道上士幌町の取組

SDGs未来都市の2021年度版が選定されました。全部で31都市、10事例がモデル事業に選定されています。

それぞれの都市がどんなことを掲げているのか、モデル事業を中心に可能な範囲で調べてみました。

北海道上士幌町(かみしほろ)の提案事業

上士幌町は北海道の中でも内陸にあり、HPによると

大自然の恩恵を受けた畑作、酪農などの農業や林業などの第一次産業と源泉かけ流し温泉であるぬかびら源泉郷や幌加温泉、日本一広い公共育成牧場のナイタイ高原牧場、北海道遺産旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群などの観光業も盛んです。

というエリアだそう。

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そんな上士幌町の提案事業はこちら。

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「スマートタウンで “弱点” 転変!かみしほろ幸せ循環」プロジェクトという名のプロジェクトです。かみしほろSDGsプラットフォームというものを中心に据えて、経済・社会・環境の3つのテーマの取組みを有機的につなげているようです。

こんな冊子も最近出来上がったそう。

第4回ジャパンSDGsアワード

ちなみにこの上士幌町、2020年末に発表されたジャパンSDGsアワードでもSDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を受賞していて、そこでは「人口のV字回復」「家畜ふん尿肥料による資源循環型農業、バイオガス発電によ
る脱炭素の取組とエネルギーの地産地消による循環型社会」「スマート農業や次世代モビリティサービス(MaaS)、リモートワーク等スマート社会実現に向けた取組」といったものが取り上げられています。

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※リンクあり

人口のV字回復

地方にとっては、やはり人口流出というのは課題になると思いますが、この上士幌町も近隣と合併を検討するほどに厳しい時期もあったそう。そこを合併ではなく自立の道を選び、人口をV字回復させてきた事例として、下記のような取材も行われていました。

もともとの産業であった酪農。そこから出る「家畜のふん尿」を廃棄物ではなく「資源」として活用することで、バイオガスや「消化液」に転用、消化液は牧草等の肥料になって、また牛を育てる資源に。バイオガスの方は、地域の発電に活用されていく。

こういった循環の輪を閉じた状態にして、この町での産業が出来上がったような状態になり、雇用が生まれて人口の流出に歯止めがかかるという構造になっていったそう。

リモートワークが進んできたことも手伝って、町外からの移住も増えていったのだそうで、2015年の4886人から5年間で244人の社会増になったとのこと。※社会増減は転出と転入を差し引いた結果の人口増減

地域型MaaS

先進的な取組みもこの活動の中には組み込まれていて、

こういった自動運転の実証実験をはじめMaaSへの取組みも行われています。

実証実験のその後も伝えられていてこんな記事も。

若年層をはじめ人口が増えてきたことによって、都市部と農村地域では異なる交通課題が発生するなど、新たな課題にも向き合っているようで、実証実験で終わらず、社会実装が進んでいるがゆえの悩みも出てきているそう。

チャレンジングな取組みが続き、かつそれがサステナブルな視点を持って拡大していく状態で、参画したくなる人も多いのでは。今後の活躍に期待です。

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