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【0541】第4回ジャパンSDGsアワード:青森県立名久井農業高等学校環境研究班

第4回ジャパンSDGsアワード、受賞団体を見てましたシリーズです。※まだ外務省のページでは受賞理由などは公開されておらず、各社の取組と発表内容を調べてみた限りの内容になります。

SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞:青森県立名久井農業高等学校環境研究班

2つめのSDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞は、高校。青森にある農業高校ですが、調べてみると、とんでもない高校でした。

まず、、何!?この受賞歴!

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高校のHPの「お知らせ欄」とは思えぬ、受賞歴のオンパレードでした。

こんなものもWEB上にありました。

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これによると、
■生物を活用して池沼の水質浄化と食糧増産を同時に行う複合
システム
■半乾燥地帯の土壌流出抑制と食料増産に貢献できる機能性集
水システム
などを開発しているそう。

土壌流出抑制と食料増産に貢献できる機能性集水システムの方は、レポートまでWEBにアップされていました。

https://steam-japan.com/wp/wp-content/themes/steam-japan/file_award/img/result/award_bronze_2.pdf

○三和土を用いた集水システム

このレポートによると、三和土という日本古来の技術を使って、世界の乾燥地帯の集水を助けられないか。という研究のようです。

西アフリカのサハラ砂漠南縁部では、ザイや半月工などの集水技術が古くから利用されてきた(図2)。ザイとは、乾季に斜面の耕作地に直径 20 cm 前後の穴を約 10 cm の深さで掘り、肥料となる有機物と作物の種子を撒き、穴の下流側に設置した盛り土で雨季の雨水を集めて栽培すザイとは、乾季に斜面の耕作地に直径 20 cm 前後の穴を約 10 cm の深さで掘り、肥料となる農法で、取り入れた圃場面積は 3 万 ha にも及んでいる[3]。またインドでもザイによくる農法で、取り入れた圃場面積は 3 万 ha にも及んでいる[3]。またインドでもザイによく似た仕組みのタイドマウンディングや耕地の等高線上に作った盛り土で雨水を確保するベ似た仕組みのタイドマウンディングや耕地の等高線上に作った盛り土で雨水を確保するベンチテラスというシステムがある[4]。これらのシステムでは、盛り土部分が集水に重要なンチテラスというシステムがある[4]。これらのシステムでは、盛り土部分が集水に重要な役割を果たすが、土壌の耐久性が低いため、水の安定的確保に課題がある。

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上記のような、乾燥地帯特有の農法と課題があるそうで、かつこういった地域では、資源も豊富にないため、安価で簡単に設置でき、不要になればすぐに取り除ける集水システムが必要だと考え、研究を進めたそうです。

本研究で取り組む水と食糧の問題に対して日本の伝統技術である三和
土を用いた問題解決アプローチに着目した。三和土とは、土と砂に消石灰とわずかな塩化マグネシウムを混ぜて水で練り、上から叩きつけるだけで土を固化させる技術で、古くから日本家屋や寺社の土間、日本の国技である相撲の土俵などに用いられてきた(図3)。また三和土は、コンクリートより安価な材料で特殊な機械を使わず容易に製作できるほか、コンクリートほど堅牢ではないため、いつでも取り除くことができる利点がある。
私たちはこの技術をザイの盛り土部分に施すと耐久性が高まり、集水効果が向上するとともに土壌流失を抑制できると考えた。
また新型ザイには、乾燥牛糞堆肥と草木灰を添加することにした。雨季の降雨を利用し、作物の栄養分である窒素やリン酸をゆっくり長期間供給で
きると考えたからである。

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この時点で、すでに課題の発見力と、解決策の目のつけどころがめちゃくちゃイノベーティブですが、さらにこれを実用させるための実験の結果、

「集水ウィング」という簡易の集水システムに行き着いています。

○集水ウィング

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この小さいものであれば、土を型抜きに使って、現地でも大量生産ができるそう。

これ、高校生が考えたんですよね。。すごいな。。思いつきだけではなく、ちゃんと増産につながるのかというところまで実験していて、現地で実用化するための方法として考え抜かれています。

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