【0242】認証マーク調べてみた:FSC認証って?

認証マークについて調べてみるシリーズで、FSC認証を調べてみました。

マークからも想像できる通り、「森」の保全に関する認証マークです。

FSCは、将来世代の権利や需要を損なうことなく現在の世代の社会的、環境的、経済的な権利や需要を満たすことをビジョン(理念)とし、環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を世界に広めることをミッション(使命)としています。
この「環境」、「社会」、「経済」のバランスはFSCの三本の柱でもあり、大きな特徴になっています。

というビジョンとミッションを掲げていて、「森の保全」と聞くと、「あー、森守るのね。伐採とかアカンもんね。」みたいに思ってしまいますが、森を資源としている経済活動や社会的な需要に対しても配慮していて、3つのバランスを見ている。というのがポイントだそう。

原則と基準

10の原則と70の基準(もっと言うとその下に200の指標)があり、それらをもとに認証を決めているそうです。

原則1: 法律の順守(法律や国際的な取り決めを守っている)
原則2: 労働者の権利と労働環境(労働者の権利や安全が守られている)
原則3: 先住民族の権利(先住民族の権利を尊重している)
原則4: 地域社会との関係(地域社会の権利を守り、地域社会と良好な関係を保っている)
原則5: 森林のもたらす便益(森林のもたらす多様な恵みを大切に活かして使っている)
原則6: 森林の多面的機能と環境への影響(環境を守り、悪影響を抑えている)
原則7: 管理計画(森林管理を適切に計画している)
原則8: モニタリングと評価(管理計画の実施状況を定期的にチェックしている)
原則9: 高い保護価値(HCV)(保護すべき価値のある森などを守っている)
原則10: 管理活動の実施(管理活動を適切に実施している)

認証の種類

実は2種類の認証があるそうで(知らなんだ)、「森林素材」そのものを認証しているFM認証と、加工・流通を認証しているCoC認証というものがあるそう。

なので、FM認証を受けた木材を使ってるからといって、FSC認証は勝手に名乗れず、その後の加工工程でCoC認証というのを受け、FSC認証のロゴ使用許可を受ける必要があるとのこと。※5年間有効で、1年に1回監査があるそうです。
その他、イベント的に使用したいという場合や建物のように「1回作ったらその後は作り続けるとかはないよ」という場合も認証可能だそうで、その場合は1回きりの使用だそう(プロジェクト認証という方法)。
ちなみに、日本では13件ほどがプロジェクト認証の事例としてあるそうです(少ない印象。)

サイト全体を見てみてもそうですが、結構、広告会社が使用することを想定して色々と設計されているように思います。

認証してもらうまで

「FSCの認証取りたい!ほな、FSCジャパンに相談だ!」
というのは間違いだそうで(しても良いけど、ちゃんとしたルートを紹介される)、FSC自体は認証の独立性を担保するために、第三者機関が認証のための監査を行うそう。

日本には6つの認定業者がいるそうで、そのうち4社はCoC認証まで(つまり加工・流通部門の審査ができる)。2社のみがFM認証(つまり木材そのものの認証審査)の実績があるそうで、審査する会社自体も狭き門のようです。

◯FM認証&CoC認証ともにできる
アミタ株式会社
http://www.amita-net.co.jp/certification/forest/?fscj
SGSジャパン
http://www.sgsgroup.jp/ja-JP/Agriculture-Food/Forestry/Forest-Management-Certification.aspx

◯CoC認証ができる
ビューローベリタスジャパン
http://certification.bureauveritas.jp/cer-business/fsc/
コントロールユニオンジャパン
https://certifications.controlunion.com/ja/certification-programs/certification-programs/fsc-forest-stewardship-council
インターテック・サーティフィケーション
http://ba.intertek-jpn.com/service/certification/standard1/
一般財団法人日本ガス機器検査協会
http://www.jia-page.or.jp/

意外なガス機器検査協会というところまでありますが、年に1回の監査を継続しておこなう必要もあるので、ガス機器検査のシステム・仕組みなどが実は相性が良いのかもしれないですね。

認証するのも継続するのも手間

取得するためには、ちゃんとした監査を受ける必要がありそうで、場合によっては自社だけじゃなく利害関係のあるステークホルダーへの聞き取り調査や、メインの担当者がどれくらい理解度があるかのヒアリングもされるそうです。
申請書を出したらポイと終わりというわけではない(当たり前か)。

1度認証を受けたら、今度は1年に1回監査があり、しかも使えるのは5年まで。5年後はまた取得しなおさないといけないということかと思います。
そのためには担当者が後任になったとしても、共通の理解度・認識を持ちつ続けるように社員教育する必要もあるし、ステークホルダーとの関係性も同じく共通認識を持った上で継続する必要があるので、「ずっと続けるためにそもそもの体制を考え直して当たり前にしておかないといけない」という認証制度のようです。

とり始めるのは苦労するところもありそうですが、
一度体制を作ってしまい、当たり前の状態にできてしまえば、あとは簡単なことかもしれない。

こういう監査を余裕で乗り切れてる体制かどうかも分かる。というのが実はFSC認証かもしれないですね。

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