【0157】日本の温室効果ガス削減対策状況

固い固いタイトルですが、昨日書いた下記から、「そういえば日本ってどうしていくんだろね?」というのを調べてみようかなと思い立った次第です。手当たり次第に調べているだけなので、時系列や正しい情報が異なる可能性もありますが。
昨日の記事はコチラ↓

主要国の削減状況と日本の状況

まず、2020年3月までに各国は「野心的に」目標を上方修正せよというお達しは出ていますが、その上方修正前の目標に対しての削減状況は、、

日本は、まだ確実にとは言えないものの、このままのペースで目標を達成できそうではあるとのこと。アメリカとドイツが苦戦をしているそうです。
日本は、これをさらに推し進めるためには、一番温室効果ガスを排出している「電源」の部分で非化石化を進めないといけないんですが、火力に代わって安定供給できる原子力という選択肢を封じられているに近い状況のため、取れる選択肢が少ない状況ではある。という事情はあります。
※非化石化90%超えのフランスは、原子力依存度が高い。

アメリカも石炭依存が高かったようですが、シェールガスという天然ガス(温室効果ガスが少ない)の採掘技術を商用レベルで確立できているため、非化石化ではないものの、そうした技術革新での削減を目指しているそうです。
※日本の近海にもたくさんシェールガスは眠っていると言われているそうですが、採算の取れる採掘技術はアメリカくらいしか確立できていないらしい。

すでに目標を上方修正して提出している国は84カ国

実は今回のCOP25ですでに上方修正している国も多いそうで、その数84カ国。こうした国に見習いなさいね。というのが閉幕時に出された文書に書かれたということだそうです。

日本は、上方修正も提出できず、2050年までの実質ゼロという宣言も出せていない状況です。出したら達成しなきゃいけないという真面目な発想がエイヤの提出を止めるのかもしれません。(以前、何かで他の国は提出はするけど、達成できてないという過去が結構あると聞いたことがありますが、ソースが見当たりませんでした。)

日本の長期戦略

ただ、日本も何もしていないかというと、ちゃんと2050年までの長期戦略という議論はされてきているそうです。
東大のこの方がまとめてくれていました。

野心的なビジョン
– 今世紀後半のできるだけ早期に「脱炭素社会」の実現を目指し、2050年までに80%の削減の実現に向けて大胆に取り組む
– こうした野心的なビジョン䛾実現に向けて、国内での大幅削減をめざすとともに、世界全体の排出削減に最大限貢献し、経済成長を実現
– パリ協定の掲げる長期目標(2℃目標、1.5℃の努力目標)の実現に向けて日本の貢献を示す

ということが話されているそうです。

長期戦略懇談会メンバーというリストの中にはトヨタの方も入っているので、これまでの再生可能エネルギーへの取り組みに加えて、水素エネルギー等の技術革新で国際社会に新たな一手を打っていくというのが1つの方法として期待しているのかもしれません。

この話し合いの中では、「2050年までに脱炭素」という言葉も出てきています。ちゃんと目指してはいるんですね。ただ、宣言してしまった時の産業界への影響なども懸念はしているのだと思いますが。

実は進んでいるかもしれない日本のクリーンテク

上記の東大の方の報告資料にありますが、日本はクリーンテクにおいて、抜きん出ている特許出願数だそうです。ただ、それを商用化レベルまでというところでは遅れをとっているそう。

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※上記資料内より。

日本も野心的かつ実現可能性を高める宣言をせざるをえない

各国の状況を踏まえると、日本も2050年までのゼロエミッションやそれを目指した実現可能性の高い施策を宣言せざるをえなくなる。というのはもちろんそうだと思います。一方で、日本は研究開発部分で非常に突出している面もあるようなので、「え?温室効果ガス減らす?いや、そもそものそのガスを減らさなくてもどうにかできるんですよ。」みたいなパラダイムシフトを起こす技術革新なども視野に、日本が置かれた状況だからこそ社会課題の解決力のある施策を真摯に進め、宣言していく流れになると良いですね。また、各国の色んな事情の中、声高に批判もされる場面もありますが、向かうべき方向には真摯な議論を進めている状況だと思うので、正しい知って、正しく情報を飲み込んでいきたいなと思います。

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