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【0296】目標4:質の高い教育をみんなに

SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。

目標4 全ての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する

SDGsの達成度合いの中でも、日本の現状では数少ない「達成見込み(2019年時点)」ですが、そのうちの一つがこの目標4です。

<ターゲット>
4.1 2030年までに、全ての子供が男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。
<指標>
4.1.1 (i)読解力、(ii)算数について、最低限の習熟度に達している次の子供や若者の割合(性別ごと)
(a)2~3学年時、(b)小学校修了時、(c)中学校修了時

のように、日本の義務教育の状況からするとほぼ達成できていることが、ターゲットの多くに設定されています。

○教育の目的は当たり前だけど職につくためのもの

識字率の向上なども指標に入っていますが、質の高い教育の目的のほとんどは「手に職を持って仕事につけること」という想いがあるようです。例えば

<ターゲット>
4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。
<指標>
4.4.1 ICTスキルを有する若者や成人の割合(スキルのタイプ別)

というものもあり、識字率的な本当の基本的な教育と同様にICTスキルというものが位置づけられています。
日本は、この辺の分野では遅れをとっているところもあると思いますが、今後はオンライン学習のための小学生全員へのタブレット配布など、ICTスキルやリテラシーの向上も進んでいくかもしれませんね。

○SDGsについて教えることもターゲット

他の目標にはない特長として、SDGsや地球市民とはなんぞやという教育そのものを教育するということもターゲットの中に含まれています。

<ターゲット>
4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。
<指標>
4.7.1 ジェンダー平等および人権を含む、(i)地球市民教育、及び(ii)持続可能な開発のための教育が、(a)各国の教育政策、(b) カリキュラム、(c) 教師の教育、及び(d)児童・生徒・学生の達成度評価に関して、全ての教育段階において主流化されているレベル

持続可能な平等・人権について教えるということがすべての教育段階で要求されている内容。最近は高校や大学でもSDGsのカードゲームファシリテーターをしますが、若い世代ほどSDGsについての知識があるという状況も普通になっていくかもしれません。

バリには、こんな施設があったり

日本国内でも徳島県上勝町にゼロ・ウェイストを学べるホテルというものができたりしています。

※GWにあわせたオープン予定でしたが、5月末オープンに延期中。

○教育市場は世界に広がったのでは?

この目標からわかる通り、日本では当たり前な義務教育も世界に目を向けるとまだまだ到達していない国はたくさんある。という状態です。

日本の中でもオンライン授業というのはまだ普及していないところがありますが、今後その動きは加速し、プレイヤーも大量に出てくると思います。ここ、多言語の字幕をつけるだけで、一気に対象が世界に広がることになるので、日本国内だけだと儲からなくてストップしてしまうような教育事業も、世界への配信を前提に実施すると、可能性がかなり広がるのでは。と思います。

○教育の問題は教育では解決できない

これも有名な話ですが、教育の目標達成は特に、「教育機会を提供する」というストレートなソリューションだけでは達成が難しいものです。

有名な広告ですが、水を(それも衛生的じゃない)汲みに行くために、学校に通えないという状態があります。水のため以外にも、畑仕事や食料確保、ゴミの中からの資源探しなど、労働力として使われてしまうことによって、せっかく作った学校などの教育機会を得ることができない。という問題。

まずは、飢餓を。まずは、貧困を。という固結びになった紐をほどくようにアプローチしていかないといけない課題。せっかく日本は達成状況にあるテーマ、根気よく紐ほどきをするアプローチで貢献していけるといいなと思います。

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