【0231】SDGs✕Tech:TOAワールド・ツアーTOKYO②

昨日に引き続きTOAワールドツアーTOKYOに行ってきたお話です。
その①はこちら

本日は日本国内のフードテック企業の方々のお話です。

Food5.0 ~食と資源と生態系~

「SEND」というサービスの創業者の菊池紳さんという方のご講演で、これがこの日一番新しい気づきを得られました。

FOOD5.0と聞くと、「じゃあ4.0は?3.0は?」となると思うのですが、それ人類の歴史からFOODというものとの関係性がどう進化していったのかということをわかりやすく説明してくれていました。
0.0からあるんですが、

FOOD0.0:狩猟・採集
いわゆる狩りの時代のメインのFOODの獲得方法ですね。次が、
FOOD1.0:農耕・飼育
ここで定住の必要が発生したり、定住することで安定的な生産を手に入れた時代。ですが、実は「飢える」ということはこの時に生まれたとのこと。
それは、自然等による農耕の不作や実っていない時期に飢えるという状態のことだそうです。そうして生まれたのが、
FOOD2.0:加工・保存 
これにより、1年中安定してFOODにありつけるようになり、そのことにより次に生まれた産業が、
FOOD3.0:物流・交易
これが発達することによって、「よくFOODが得られる場所の近辺」という場所以外にも住むことが可能になり、都市の形成に役立ったとのこと。そして、
FOOD4.0:量産・量販
これが今の時代。たくさん作って、たくさん売ることができるようになったおかげで、我々は飢えることをほぼ知らなくなった状態。

FOOD5.0は?

よくここで、この先のFOOD5.0はどこへ向かうのか論で出てくるのが
「戻るべきか論」だそうで、FOOD4.0の大量生産大量廃棄を悪として、もっと前に戻る方向に進化するんじゃないかというお話があるそう。

ただ、菊池さんいわく、
FOOD4.0までの進化で、それまでのアンチテーゼから生まれたものは一つもないし、進化した後も古いものが淘汰されたわけではなく、すべてが積層的に共存している状態だとのこと。

例えば、FOOD4.0の量産・量販の時代になったことで、FOOD1.0の農耕・飼育も、「加工しやすい」「物流にのせやすい」という考えからの進化をしたりするとのことで、共存しながら進化した後の方からの影響でも産業が変わっていくとのこと。

FOOD4.0の世界まで来た時に巻き起こったのが、今度は
FOOD0.0のさらにその前、
Pre-Food:資源・環境
という概念が出てきたのだということ。
この時に考える5.0はどうなるのか。

それは

FOOD5.0:創造・表現
という時代への突入だそう。

FOOD4.0が、
量産・量販、効率化・均質化の時代だった時、
これは購買型の「高効率配給」システムで非常に優れたものだったはず。
ただ、これが定着しすぎると、今後巻き起こったのが、
思考停止・システム保存という状態。
暗黙的にそれが正しいのだと受け取っていた時代に、、

↓ここでインターネットが登場し、思考停止に大量の情報が入ることに

そして起こったのが、
多様な提案、変化、選択肢への渇望
という状態

つまりFOOD5.0とは
CREATIVITY 創造表現に向かうのでは?
多様な個による想像、探求、実験、表現、体験の時代への突入が起こるとのこと。

画像2

(会場で投影された菊池さんの資料より。)

つまり、
個のクリエイティビティを拡張するサービス/プラットフォームが台頭するはずであるということでした。
それはすでに起きていて、バラバラに存在しているように見えている新しいスタートアップの形がまさにそんな状態。

画像1

(会場で投影された菊池さんの資料より。)

4.0の時代に合わせて、その下の積層への産業の影響があったように、
5.0の時代に合わせて、4.0や3.0〜0.0への産業の変化と登場が起こり得る今なんじゃないか。とのこと。

これからは、
KITCHEN
このキッチンの意味・役割の拡張もおこる。
もっとプラットフォームに近い言葉になっていくのではないか。とのこと。

また、料理するものも食材という考え方から、
Resource(資源、環境)を料理する
という考え方に変化していくのではないか。というお話でした。

めちゃめちゃわかりやすく、かつ最高におもしろいお話で納得感もハンパなかったです。

最後の締めは、
What Do you Cook (Serve)?
その時代に、自分たちは何をCOOKして、何をSERVEするのか、とのこと。

菊池さんのnoteもあったので、恐れ多くもリンクさせていただきます。
書籍化してほしい。

2020.02.29その③を書きました。


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