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【0299】目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに

SDGsの17の目標、169のターゲット、232の指標を改めて今の知識で振り返ってみるシリーズ。目標とターゲットの参考は、一番分かりやすい(と思っている)Think the earthさんのサイトからお借りします。

目標7 全ての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

「持続可能なエネルギー」というだけで、すでにSDGsのすべての目標に関わってきそうな目標です。そんなこともあってか、ターゲットは超シンプル。すべて載せれるくらいです。

<ターゲット>
7.1 2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保する。
<指標>
7.1.1 電気を受電可能な人口比率
7.1.2 家屋の空気を汚さない燃料や技術に依存している人口比率

<ターゲット>
7.2 2030年までに、世界のエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーの割合を大幅に拡大させる。
<指標>
7.2.1 最終エネルギー消費量に占める再生可能エネルギー比率

<ターゲット>
7.3 2030年までに、世界全体のエネルギー効率の改善率を倍増させる。
<指標>
7.3.1 エネルギー強度(GDP当たりの一次エネルギー)

実施手段以外のターゲットはこれですべて。

シンプルに
・そもそも電気を使える人が増えるように
・再生可能エネルギーの割合を増やそう
・エネルギー効率をたかめよう
という3つのターゲットです。

エネルギーには、加工前の1次エネルギー(石油とか天然ガスとか石炭とか)と、それらを加工して作られた2次エネルギー(電気とかガソリンも精製が必要なのでそれも)があって、それら全部を足し上げたのが最終エネルギー。

エネルギー強度=最終エネルギーもしくは一次エネルギーをGDPで割ったもの。ここでは一次エネルギーとしているので、世界全体のGDPに対して、どれくらい石油とか天然ガス・石炭のような「CO2排出が多いエネルギーを使っているか」ということがエネルギー効率ということで定義されています。
つまりは、再生可能エネルギーで作った電気で産業を回していると、エネルギー強度の数値は上がり、エネルギー効率が高い。という評価になるということだと思います。

○再生可能エネルギー=太陽光発電ではない

再生可能エネルギーといえば、太陽光や風力など自然から得られる力での発電のことを想像しますが、実はそれだけではないです。

再生可能エネルギーの定義
エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)においては、「再生可能エネルギー源」について、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されており、政令において、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。

とのことで
・発電してなくても地熱を熱として利用する
・バイオマス→元々植物の光合成でCO2を吸収して育ったものを使うので、それを燃料にして発電してもプラスマイナスゼロという発想

というものも含まれます。
実はこのバイオマス発電を安定稼働させるためには、それ用の植物生産なども必要になったり、ここにパーム油を使用するなどの、本末転倒な問題も起きているということがあります。

○他の目標とつなげて考えて、はじめてサステナブル

エネルギー問題の解決はSDGs全体に影響がある。再生可能エネルギー比率を高めるんだ。ということでバイオマスで安定的にパーム油を使った発電を行う。そうすることで助成金が出たりする。
という状況は、目標7の中の1つのターゲットは解決してビジネス的にも持続可能なものになるかもしれないですが、気候変動や生物多様性への打撃が加速してしまう。

太陽光発電ひとつとっても、それを建設するための土地やメンテナンス費用、安定稼働させるためには、実は火力発電等の安定発電能力のある電源で出力調整を行わないといけない。

など、シンプルなターゲット構造なのに、解決には非常に多岐にわたる検討が必要です。それこそバタフライ効果をリアルに想像した上での施策が必要かもしれない。

そんな、単純思考で解決しにくい課題感の大きい目標です。

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