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【0862】NewSchool進化思考Vol.4

以前「イノベーションの本だと思ったら、サステナブルの本だったかもしれない」と書いたことのある名著「進化思考」。

NewSchoolで太刀川さんが講義を持たれるということで参加してきた学びメモシリーズ第四回です。本日は超絶バカになっていく「変異」Dayでした。

NewSchool進化思考

○変異

進化思考では、生物の進化になぞらえて、偶発的におこる変異と自然淘汰で残る適応を繰り返すことで、創造的なアイデアの発現確率を高めていく。ということを行います。

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https://nosigner.com/evolution-thinkingより

生物も進化の過程で、何かが

変量したり
擬態したり
欠失したり
増殖したり
転移したり
交換したり
分離したり
逆転したり
融合したり

して、身体の形質・形態を変容させてきたことで、自然の競争に打ち勝ってきた。というもの。いやいや、そんな変異要る?みたいなある種「バカ」の発想で変異したものが、自然淘汰という「かしこ」の力で生き残るか否かを選定されていくという構造ですが、それを創造性でも行いやすくする。というワークです。

○変量

例えばコウモリ。コウモリの羽に見えている部分は実は、骨格を見ると、「超デカい手」だと分かる。

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https://buna.info/article/2133/より

こんな感じに考えたいものの何か部分的なものや意味的なものを「超〜にしてみる」と変量させていく思考。

○擬態

葉っぱに似せて隠れたり、天敵の天敵のように見せて強がったり、何かになりすますことで生き残る変異のパターン。

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20141218/429176/より

擬態はアイデアの掛け合わせに似ているところもあり、「あれに似せてみたら?」という掛け合わせを空想します。進化思考のさらにすごいところは、通常のアイデア発想法だと、掛け合わせ先を探すだけで終わることも多いですが、その掛け合わせ先で良いものが見つかれば、今度はその対象を「適応」の時空観マップで観察することで、新たな光明を発見しうるというところ。

葉っぱに擬態させるぞ。
葉っぱって葉脈とかから出来てるよな、じゃあエネルギーも葉脈的に行き渡らせれないか?
葉っぱの生態系を見ると、針葉樹・広葉樹とか色々あるし、そもそもあいつは光合成のための存在だよな、じゃあ太陽光発電を装着しちゃえば良いんじゃないか?

などなどアイデアが多層に広がっていきます。

○欠失

足の欠失したトカゲはヘビ。のように、欠失しても実はいけたね。というようなことも。

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https://www.cnn.co.jp/fringe/35152775.htmlより

「適応」で解剖の時に見つけた要素を欠失させてみることで、LESS IS MOREな状況を生み出す思考でした。

○増殖

子孫を残す確率を高めるために卵の数を増殖させるなど、自然界でもとにかく増やしちゃうということは起こっている。

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https://nature-and-science.jp/mantis/#page-1より

これも解剖の時に見つけた要素を、「物理的」「意味的」に増殖させてみるということを通じて、アイデアを量産していきます。

○転移

外来種の隆盛のように、偶然場所が変わってしまったことで、そこにオーバーフィッティングしてしまうということも。

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https://mainichi.jp/articles/20170913/ddm/013/040/020000cより

こちらも場所的・意味的に転移していくことで、新たなアイデアを探ります。例えば、書道筆。書道筆は元々は奈良の特産品だそうですが、今では広島の熊野が生産量が多いそうです。それは、熊野筆と呼ばれる「化粧筆」に転移をした結果、爆発的にヒットし、結果的に書道筆も生き残る形になったから。ということがあるそう。

○交換

自然で言う「カッコウの托卵」は、自分のたまごと人のたまごを交換してしまっている例。

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https://www.dailyshincho.jp/article/2019/07260700/?all=1より

余談ですが、カッコウのたまごは産み落とされた巣のたまごに自然に色が似ていくそうです。すご。カッコウの子どもの方も、親代わりの鳥のことを親だと思って育つので、将来自分がたまごを産み落とす巣は、自分の親の面影を感じる巣(つまりは自分とは似つかない鳥)に産み落とすのかもしれない。という話があり、深いな。。と思いました。。

そんな深いエピソードの「交換」。これも創造性においても、解剖や生態で洗い出した中身やステークホルダーを交換してみることで、新たなアイデアが生み出されていく思考法でした。

○分離

分けられるようにする。という進化もあれば、そもそも生物は「内臓」を分離できたり、「細胞」を分離できているから多様な機能を持って今生存しているとも言える。

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https://doubutsu.club/2018/04/07/%E3%83%88%E3%82%AB%E3%82%B2%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%A3%E3%81%BD%E5%88%87%E3%82%8A/より

細胞壁のような膜を作ったり、AとBを分けてみたり。ということを繰り返すことでアイデアを増産する考え方でした。

○逆転

こちらもコウモリの例。そもそも立つことを逆転するという過ごし方で、ねずみだった時代の天敵の手の届かないところに行ってしまう。という進化。

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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/111800326/より

こちらも物理的・意味的に反転させてみることで、様々なアイデアを出す思考法でした。解剖や生態で洗い出したモノたちを反転させていくようなやり方になります。

フラットじゃない机
自立しない机
脚が上下に逆転してる机

などなど。

○融合

融合は、本日は時間切れとなり、また次回に。

適応の時の思考とはまた違った脳の使い方。適応が垂直に深めていくような思考だとすると、変異はとにかくバカに水平的に横の考えを広げてみる感覚かもしれません。その両方が合わさっていくと、高みに到達するアイデアが生まれるというのは、まさに良いアイデアの出る瞬間の脳の働きを再現しているように感じました。

残り2回。がんばります。

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