見出し画像

【0548】第4回ジャパンSDGsアワード:株式会社エムアールサポート

第4回ジャパンSDGsアワード、受賞団体を見てましたシリーズです。※まだ外務省のページでは受賞理由などは公開されておらず、各社の取組と発表内容を調べてみた限りの内容になります。

SDGsパートナーシップ賞(特別賞):株式会社エムアールサポート

道路舗装のためのデータを3Dでかつビジュアライズされた状態にする「測量美術」という技術を提供している株式会社エムアールサポートさん。

測量に3Dレーザースキャナとドローンからの高解像度の画像を組み合わせることで、3Dでかつビジュアライズされた道路の情報をデータを作成されているそうです。

これにより、現場の測量の危険が減り、遠隔でできる作業が増えたため、舗装業界の関係人口を増やすことにも貢献できているそう。障がい者や、シニア、働く環境を選ばないことによって、この仕事に従事できる人が増え、コロナ禍の雇用創出にもなっているようです。

◯測量美術

↑わかりやすいムービーにもまとまっていたり、

↑こんな記事にもなっています。

記事によると、ベンチャーとして起業した後も、様々な挑戦と出会いの中で、今の事業に行き着いているんですね。

3Dレーザースキャナ(1500万円もする!?)の長所は、人の測量無しに道路の3Dデータを測量できること。ところが弱点があり、普通の道路をそのまま普通に測定すると、車や人の往来によって、大量のノイズが入り、結局はその部分を正確に測量するために専門の人が道路に入る必要が出てしまったそう。

それを補ったのがドローン。ドローンは逆に道路の凹凸などの3D情報は全く分からないけど、高精細に平面画像は撮ることができる。その2つを組み合わせると、きれいな3Dのデータが出来上がったそう。

そのデータの作成にも、「誰でもできるゲーム性」を取り入れて、たくさんの人が関与できるツールや仕組みを作られています。

関係した人の全てが「この技術は自分だけの特技だ」というマインドセットではなく、「みんなで分担できるように」というマインドセットで動かれているのが、色々な意思決定の中に垣間見えるように思いました(面白い記事でした、ぜひ元記事を)。

◯応用範囲の広い技術

道路の3D化の技術は、応用範囲も非常に広いようで、道路舗装や自動運転のためのダイナミックマップへの活用から、建物(たとえば京都で言うと、歴史ある文化財的なものも多数)の3Dデータ化にも貢献できるそう。

産学連携の取り組みとしてこんなこともされているそうです。

震災などの自然災害で破損や倒壊するおそれのがある文化財・史跡・名勝の数は文化庁に登録されているものだけでも1000箇所を軽く超え、それが万一倒壊した際の修復に必要となる「図面」の制作はいまだ進んでいないのが現状です。超巨大地震による、広範囲におよぶ大規模倒壊が予測されるいま、1000年前より受け継いだ先人の遺産を1000年先へとつなぐために、高速に広範囲を計測できる3次元技術の併用に注目が集まっています。

スピーディーにデータ作成ができるという点においては、災害時の被害状況の把握にも役立つという幅広さ。

さらに、「3D化されたデータ」だけでなく、前述の通り、そこに関わる人材の多様性にも貢献できるという範囲の広さもあります。

こちらも、ムービーにまとめてくれていますが、このデータ作成にたくさんの人が関わることができるシステムとなっているそう。

「道路をきれいに3D化する」という、言ってしまえばシンプルな技術ですが、突き詰めていくと、色々な広がり方をしていくんですね。もちろん、そういった、広がりになったのは創業の方々が大事にしている価値観が、その方向へ意思決定をしてきたおかげだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?